「オジサマのクルマ」の代名詞的な存在のセダン。日本ではゴルフが趣味の男性が乗っているイメージですが、アメリカでは若者もよく乗っているクルマ。昔からあるセダンの良さって、どんなところなのでしょう?
「セダン=車名」じゃありません!
「小池さん、セダンってどこのメーカーのクルマですか?」
ある会社の新人男子から質問されて、ひっくり返りそうになったことがあります。
先輩に「そこに停まっている白いセダン」と言われて、どの車かまったく分からなくて……だそうですが、周りからは「面白いねぇ、君」と笑われていました。しかし、クルマに詳しくなければ、そこを疑問に思うのも無理はありません。
確かに「セダン」と聞くと車名のような感じもしますが、正しくはボディタイプのカテゴリーのこと。2BOX、ハッチバック、SUV、ミニバン、などのように、クルマの形を表す単語です。「それ、『ミニバンってどこのメーカーですか?』って聞いているのと同じよ」と答えると、新人男子くんはピンと来たようでした。
セダンとは、4ドアの3BOX車のことを言います。3BOXとは「エンジンルーム」「車室」「荷室」の3つにクルマのスペースが分かれているクルマ。「トランクルームがあるクルマ」では、トヨタのクラウンやマークX、日産のスカイラインのような車種が代表的なモデル。教習車やタクシーにも昔から多く使われていますので、オーソドックスなクルマの形として認識されているでしょう。
日本人にとっては「オジサンのクルマ」アメリカ人にとっては「若者のクルマ」
アメリカでは「小さなセダン=若者のクルマ」だそうです。「それ、日本だと完全にオジサンが乗る車種でしょ?」と言いたくなるクルマを、免許を取ったばかりくらいのティーンエイジャー運転しているのをたくさん見かけます。アメリカではスポーツカーやSUVは保険料が高すぎる一方で、排気量の小さいセダンは保険料が安いため、若者でも乗れるのだとか。
日本では、ゴルフに行くオジサマたちが、ゴルフバックを4つトランクに詰め込んでいる姿をよく見かけます。ゴルフ場で「なぜセダン?」と取材すると、独立したトランクルームのメリットを答える人が多くいます。「人が乗るスペースと荷物を載せるスペースが分かれているから、臭うものを入れても気にならない」と。皆さん、どんなものをトランクに入れているのでしょう?
釣りが趣味で、毎週のように釣った魚を持ち帰ってくるお父さんたちも、セダン率が高いのはそんな理由かもしれません。人が乗るスペースが魚臭くなっちゃうと、家族からクレームが出そうですから。