日本でもアメリカでも、老後はキャンピングカーで旅をして過ごしたいという人はたくさんいるようです。そして、日本では軽自動車ベースのキャンピングカーが大人気。そんな軽キャンパーがアメリカでも買えたらいいのに、と思うのは私だけではないと思うのですが。。
やっぱり維持費と置き場所が問題・・。
最近、もうすぐ10歳になる長女が「キャンピングカーが欲しい」と言い出しました。知り合いのキャンピングカーに乗せてもらったところ、クルマの中なのにベッドで寝られるワクワク感に、一気にキャンパーの虜になってしまったらしく、高速道路などでリゾート地へ向かうキャンピングカーを見つけると「ウチもアレ欲しいな〜」と物欲しそうに呟いています。しかも、アメリカでは高速道路から見える場所にキャンピングカー屋がたくさんあり、楽しそうなクルマたちがずらっと並んでいます。そんな光景は、ウチの娘のような子どもがいるファミリーにとっては目の毒なのです。
しかし、この10年ほどでゴージャスなキャンピングカーを手放す人が増えているため、中古車がアメリカ中に溢れています。2008年のリーマンショック以降、サブプライムローンの影響などもあり、個人用ボートやキャンピングカーなどの贅沢品を維持できなくなった人が増え始めたためだとか。さらに、いくら家が大きなアメリカとはいえ、キャンピングカーは普通のガレージには入らないことも多く、広大な庭や車庫が必要です。アメリカ人もだんだん「お金がかかるもの」を断捨離する傾向にあり、キャンピングカーは気軽に買えるものではなくなってきているようです。
車両価格と維持費の安さが魅力の「軽キャンパー」
その点、日本の軽キャンパーはなんと優秀なことでしょう。軽のハイトワゴンや軽トラックをベースに、大人2人がフラットなベッドで寝られるスペースをきちんと確保し、装備品で車体が重くなりがちでも、しっかりと低燃費を維持できるコスパの良いエンジン。老後は2人で日本一周の旅へ出るだけでなく、住む場所を限定せずにノマドワーカーとして生活することもできるし、身体に負担をかけずに車中泊ができるので、災害時にもそのパワーを発揮すること間違いありません。おまけに、軽自動車の自動車税は年間で数千円と安く、多くの軽自動車キャンパーが100万円代の車両本体価格で販売されています。車体もコンパクトなので、普段の買い物にだって問題なく使えます。アメリカのキャンピングカーで、ちょっとスーパーマーケットへも行こう、なんて言う人はほとんどいませんし、キャンプ以外の目的に使うことが難しいので、結局は無用の長物になってしまうこともあるのです。
アメリカに日本の軽キャンパーのような、小さくてコスパの良いクルマがあれば、我が家も買えるのに……と長女に話したところ、自分の部屋よりも広いキャンピングカーで、キッチンやトイレも付いているやつじゃなきゃ意味がない、と言いました。そんなのは自分でお金を稼ぐようになってから買いなさい、と諭したところ「じゃあ、レゴブロックのキャンピングカーでいい」と小学生らしい答えが。一人で嬉しそうに黙々とブロックのキャンピングカーを作る娘を見て、逆に親の方が気を遣われているのではないかと思ってしまいました。