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2020.08.12

長年連れ添った愛車とのお別れのとき、あなたは涙をこぼしますか?

クルマと家族

新しいクルマを購入すると同時にやってくるのが、それまで家族を乗せて走り続けてくれた愛車とのお別れの瞬間。思い出のいっぱい詰まった箱を手放すような感覚になるのは、大人だけではなさそうです。

息子がまさかの大号泣! そんな彼に営業スタッフがかけた言葉は・・。

まずは私の知り合いのエピソードを紹介します。新しいクルマを探してディーラーを巡っていた家族のお話。パパとママは「次は新車を買うぞ〜!」浮き足立っているのに、小学5年生の長男はなぜか浮かない顔。理由を聞くと「アオ太とお別れしなきゃいけないのが悲しくて……」と言って、ワンワン泣き出してしまいました。

“アオ太”とは、それまで彼が家族で可愛がっていたミニバン。ボディカラーが深い青色だったので、そう名付けられたクルマでした。そんなアオ太との今生の別れと思ったら、涙が止まらなくなってしまったのでしょう。きっと目を閉じれば、アオ太と一緒にお出かけした場所が走馬灯のように蘇ったはず。困ってしまったパパは「きっとアオ太は次の持ち主のところでまた幸せに走ってくれるはずだよ」と声をかけました。

しぶしぶ納得した長男と一緒に出かけたディーラーで、その「事件」は起こります。どこか腑に落ちなかった長男は、そこで営業スタッフに「ボクのアオ太はどうなるの?」と尋ねました。するとその人はなんと「うーん、もうこのクルマは古いから、スクラップ(廃車)になっちゃうかな〜」と、しゃあしゃあと言い放ったそうです。

「ボクのアオ太が、家族の思い出がいっぱい詰まったアオ太がスクラップになるなんて……」彼の悲しみと人間不信はもう止まりません。「なんてことを言ってくれたんだ!」と、パパはその店でクルマを買うことは諦め、他のお店へ。そこでは営業スタッフにあらかじめ「長男には、このクルマに次の人生(車生?)があると言って欲しい」と伝え、事なきを得たそうです。

クルマとのお別れが悲しいのは大人だけじゃない

私の周りには数年前にも、クルマを乗り換える時に長女が「前のクルマとお別れするのがイヤだ」と言って泣き出してしまい、納車セレモニーがビミョーな空気になってしまった家族もいました。小学生ともなると、クルマを擬人化してしまい、ペットのように家族の一員となってしまうのでしょう。

「今までありがとうね」とクルマをナデナデして、別れを惜しむ大人もたくさん見てきましたが、最近は子どものエピソードを聞くことで、むしろ子どもの方が、クルマへの愛着を素直に表現するのではないかと感じました。クルマを乗り換えるとき、大人はついつい新しいクルマばかりに意識が向いてしまいがちですが、そんな「新しいモノ至上主義」の汚れた心では、使い古したクルマとのお別れが悲しい……と思う子の気持ちが理解できないのも仕方がありません。

そこで、クルマに関わるお仕事をしている人がこれを読んでいたら、一つお願いがあります。古いクルマとお別れする場面では、そのクルマをちゃんと次のライフステージへ送り出す“儀式”のようなことをしてあげてください。そして「愛車とのお別れが悲しい」という気持ちにしっかり寄り添ってあげて欲しいのです。間違っても「あー、次はこれ廃車かな」なんて夢のないことを子どもの前で言わないでいただきたい。たとえ日本で使われなくなっても、世界中で古くなった日本車は活躍しているのだから。

大人が「クルマを選び、大切に使い、次の使い手へと送り出す」のを子どもに見せることは「若者のクルマ離れ」を食い止めることにもつながるのではないでしょうか。なぜなら、クルマが人間の重要なパートナーであることは、これからもしばらくは変わらないと私は思うからです。

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