ハイブリッドカーやEV(電気自動車)は、ガソリン車に比べて圧倒的に「エンジン音が静か」なことが利点です。しかしこの「静かさ」はデメリットになることも。皆さんは、ブルルンッとエンジン音がするクルマと、無音なクルマ、どちらがお好みでしょうか。
ご近所迷惑にならないのはエンジン音がしないクルマ
EVはモーターで動くのでシューンという音はしますが、ガソリン車のようなブルルーンという大きな音はしません。ハイブリッドカーも発進時や停止時など、低速で走っている時にはEVと同じくモーター音しかしないのでとても静かです。運転席にいてもシーンとして振動や音がまったく響いてこないのが特徴です。
このメリットは、早朝や夜中などの出発や帰宅などで、ご近所迷惑にならないことでしょう。集合住宅の駐車場や、ガレージが隣の家と近いなど、クルマの音で何かしらの迷惑をかけているとしたら、ハイブリッドカーやEVにするのも一つの方法です。特に、お仕事の都合などで夜間にクルマのエンジンをかける人には、無音のまま発進できるので、周りにも迷惑をかけずにすみます。
何時に出かけているかは、意外とクルマの「音」でご近所にバレてしまっているもの。「昨日は遅い時間に帰宅されたみたいですね〜」や「朝早くからお出かけされていましたか?」という質問をご近所さんからされた場合には「変な時間にクルマの音で起こされたのよっ!」という意味を含んでいるかもしれません。
無音だと、歩行者に気づいてもらえない
エンジン音がしないクルマのデメリットと言えば、歩行者や自転車に乗る人に近づいても、警戒してもらえないことです。ハイブリッドカーが登場する前までは、住宅街で歩く、または自転車を運転していても、交差点で見えない方向から近づいてくるクルマが「音」で認識できました。しかし、最近は減速していると音がしないクルマが増えてきたので、気づき難くなってきています。
これは私の住むアメリカでも同じです。スーパーマーケットの駐車場で後ろからハイブリッドカーが近づいてきても、耳の遠そうなおじいちゃん、おばあちゃんはもちろん、若い世代でも気づかないことが多く、接触しそうなくらいまで接近してきて初めて「OH!」と気づく人をたくさん見かけます。自分がハイブリッドカーやEVに乗っていても、歩行者の立場になると「音のしないクルマ」に対しては鈍感な人も多いようです。
最近のクルマはどんどん「無音化」が進んでいるので、次に購入するクルマがものすごく静かに感じるかもしれません。静かなクルマを運転する時には、自分は歩行者から認識されていないことを心得てからが良いでしょう。「クルマは音がするもの」から「クルマは音を立てずに近づいて来るもの」という常識に変わりつつあるのです。そのうち、小さな男の子たちがミニカーで「ブーンブーン」ではなく「シューン」と口にしながら遊ぶようになるのかもしれませんね。