先日、NHKの某情報番組で「運転時のフットレストの使い方」が紹介されていました。スタジオ出演者の多くが「使ったことがなかった」と言っていましたが、実はこれをしっかり使うだけで「運転の上手さ」が変わってきます。皆さんは運転するときにフットレストを意識して活用していますか?
「同乗者の車酔い」はドライバーがフットレストを使わないせい?
フットレストは「足を休めるもの」という意味ですが、そのためだけに存在するパーツではありません。右足でアクセル、ブレーキを操作する際に、左足をしっかりフットレストに固定していないと、ペダルの細かい操作がしにくくなるからです。
フットレストに左足を載せないと、ブレーキをジワッと踏み込むことができず「カックン」ブレーキになってしまいがちです。左足をしっかり固定させるだけで、ブレーキの踏み込み加減を細かく調整できるようになるので、同乗者の車酔いも防げます。
アメリカでは、ウーバー(ライドシェアサービス)の運転手は比較的運転が上手いと言われていて、カクっと同乗者の頭が動くようなブレーキの踏み方をしません。運転手たちは利用者から評価されて、それが次のユーザーから選ばれる基準になるので、ブレーキの踏み方には特に気を遣っているのでしょう。運転姿勢が良く、フットレストを正しく使っている人が多いように感じます。
燃費がよくなる「エコドライブ」にも貢献できる
フットレストを正しく使うことは、燃費の向上にもつながります。それはブレーキ同様、アクセルの微調整も上手くできるようになり、急発進を防ぐことができるからです。
環境省が推奨する「エコドライブ10のすすめ」には「ふんわりアクセル『eスタート』」という項目があります。発信時は穏やかにアクセルを踏み「最初の5秒間で時速20km程度まで加速する」のが目安で、10%ほど燃費が良くなります。
この「ふんわりアクセル」も、フットレストから左足が離れてしまっていると、なかなか難しいのです。私も「フットレストを使うパターン」と「使わないパターン」を試してみましたが、5秒で時速20kmを実現するには、じんわりアクセルを踏み込まなければいけません。フットレストに足をしっかり載せていないと踏み込み加減を調整するのが難しく、どうしても急加速になってしまいます。
ついついフロア(床)になんとなく置いてしまいがちな左足ですが、しっかりフットレストに置くことでさまざまなメリットがあります。運転が上手いと言われたい、燃費を良くしたいと思う人は、こんな小さなことから始めてみてはいかがでしょう?