マニュアル車（MT）の割合は自動車全体の販売台数の1割に満たない、とも言われています。そんな中で「MT車を運転できるのはカッコいい！」とSNSで発信している女子が増えているらしいのです。もはや絶滅寸前？のMT車に魅力を感じるのはどんな人たちなのでしょう。
今どきの若者が「MT免許」を取る理由とは？
「SNSでMT車に乗る若者、とくに『女子』がよく発信している」という情報を聞き、さっそくTwitterやインスタグラム、TikTokなどの若者に人気のSNSを覗いてみると「＃マニュアル女子」の投稿を発見しました。「こんなにまだマニュアル車に乗っている若者がいるの？」と、90年代のスポーツスペシャリティカー全盛期に若者だった40代の私は驚いてしまいました。
現在販売されているクルマ（中古車を含めて）のMT車の比率はすでに1割以下とも言われていますが、現在40代以上の大人が20代だった頃には、新車でも中古車でも今よりもっと楽にMT車を探せました。しかし、そんな20年前のクルマ選びとは勝手が違い、MT車を探すだけでも大変なこのご時世、どうしてわざわざMT車の免許を取ろうとする若者がいるのでしょう？
その理由をSNSの投稿から探ってみると「家や仕事先に軽トラックなどのMT車がある」「自宅のクルマが20年前のMT車」など「そもそもマニュアル車の免許が必要だから」というのもありますが、何より「カッコいいから」というコメントがたくさん見つかります。「そういえばマニュアル車のシフトレバーを動かす人って、昔はなんだかカッコよく見えたよな」と、若い頃の気持ちがプレイバックし、当時は自分もそれに憧れてMT車に乗っていたことを思い出しました。
やはり、世代や時代を越えて「MT車を運転できるのはカッコいい」らしいのです。
今、MT車を運転できるメリットとは？
ほぼ「絶滅危惧種」とも言われるMT車ですので、今どきの若者にとっては「希少なMT車」をガンガン運転できるのは、私たち40代が若い頃よりもさらに「レアなケースでカッコいいこと」なのかもしれません。
しかも、昔は家族や友人、恋人など「ドライバーを助手席から見る」ことで、MT車を運転できるカッコよさを確認していましたが、最近では運転中の「動画」をいくらでもSNSに投稿できます。会ったことがない人でも、MT車を運転する姿を見て「自分もやってみたい！」と、MT免許を取る若者もいるのでしょう。
さらに、MT車を運転できると、バックギアへの入れ間違いを予防できるというメリットもあります。MTではまずクラッチを踏み、シフトレバーを横にも動かしてR（リバース）シフトに入れるので、よほどのことがない限りはATのような「DレンジとRレンジを勘違いしてアクセルを誤って踏んでしまう」という事故も防げます。
「高齢者ほどMT車に乗った方がよいのでは？」というネット上のコメントも多く見かける昨今、この「＃マニュアル女子」がたくさん発信してくれて、MT車を絶滅させないでほしいとも思います。MT車を運転できてメリットがあるのは若者だけではなく、私たちミドルエイジやシニアも同じ。なにより、誰が運転しても「カッコいい」のは変わらないはずですから。
