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2021.09.14

「試乗車だったクルマ」は本当にお買い得なの?

クルマショールーム

ディーラーでクルマを購入する前に私たちが試乗するクルマも、その役目を終えると「中古車」として店頭に並ぶことになります。そんな「元試乗車」や「元展示車」はお買い得だと思われがちですが、本当にそうなのでしょうか?

試乗車はこのように使われます

クルマ関係の仕事をしていると「中古車を買おうと思うのですが、試乗車だったクルマってお買い得なのですよね?」「展示車に使っていたクルマは新古車として売られているのですか?」という質問をされることが多くあります。

そもそも自動車業界では「新古車」という、古いのか新しいのか分からないような用語はあまり使いません。試乗車や展示車といった、特定の用途に短期間だけ使い、あとは中古車として販売されるクルマは確かに存在しますが、それはあくまでも「中古車」であり、ぜんぜん「新しいクルマ」である要素はありません。

私は自動車のショールームや販売店で長く働いていたので、試乗車や展示車が毎日どのように扱われているかをよく知っています。まず、試乗車は一日に何組ものお客さんが乗り込み、何人もの人がハンドルやシフトノブに触れています。最近は新型コロナウィルスの影響で、一回ずつ消毒するディーラーも増えていますが、以前は誰かが乗った後はその都度消毒をすることもありませんでした。

しかも、試乗では「そのクルマの性能を試してみたいから」と、アクセルやブレーキを思い切り踏んだり、急ブレーキをかけたり、タイヤがキュルキュルと音が鳴るほど急ハンドルを切って曲がって行くなど、わりと荒めの運転をされていることもよくあります。

展示車についても同じで、走行していないのでエンジンやタイヤはまったくの新品ですが、一日に何十組も乗り込み、ドアだけが数ヶ月で数百回と開け閉めされるため、通常の使い方よりもだいぶ劣化します。よく乗り降りされる運転席のシートは、布製のシートだと羽立ってしまい、革製だと擦り減ってテカテカになってしまいます。

本当にお買い得な中古車とは?

試乗車や展示車が中古車として売られていても、ただ走行距離が少ないだけで、室内はそれなりに汚れています。しかも、不特定多数の人が乗ったクルマなので、衛生的にも精神的にもイヤだと感じる人もいるでしょう。

「中古車」として購入するなら、私はあえて元試乗車や元展示車に絞って探す必要はないと思います。新車とそれほど変わらない値段で売られていることもありますし、特定の部分だけが極端に劣化していることもあるので、すべてがお買い得とは限らないからです。

中古車はあくまでも「走行距離が少ない」「使用年数が少ない」クルマは程度がよく、所有歴が少なく、ワンオーナーの方がコンディションの良いクルマがたくさんみつかります。しっかり定期点検を受けていたり、室内をこまめに掃除していたり、丁寧に運転されていたクルマは中古車として価値があるので、同じ車種でもお値段は高くなりがちです。しかし、結局は「メンテナンスをしっかりしていたクルマ」が壊れにくく、修理などの出費も抑えられるので、長い目で見ればお買い得だと考えられます。

ディーラーなどで「このクルマは試乗車でした」と説明を受けたら、シートやハンドルなどが想像以上に傷んでいないかをチェックし、室内もプロによるクリーニングが行われたかも営業スタッフに確認しましょう。それで納得できるコンディションであれば、商談に入るのをお勧めします。

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