台風や集中豪雨が来ると必ずTV画面に映し出される道路の冠水。ヘッドライトあたりの高さまで水に浸かっているのに走行しているクルマを見かけます。自動車ってあんな水位でも走って良いの?と疑問に思う人もいるかもしれませんが、水に入って良いクルマはもちろん水陸両用車だけ。普通の自動車は水中では走れません。
水の中を走ってもクルマは壊れない?
いいえ、もちろん壊れます。クルマにはエンジンで燃焼した排気ガスを外へ出す「マフラ ー」と呼ばれる排気管が後方に付いていますが、そこから水が入ってしまうとエンジンま で水が逆流して止まってしまいます。マフラーが高い位置に付いているような車高のクル マなら、水に入ってしまった時にもなんとか脱出できるかもしれませんが、車体まで浸か りそうな高さまで水が来ているときには、絶対にクルマを動かしてはいけません。エンジ ンに水が浸入すると、二度とかからなくなってしまうからです。
水に浸かりながら走るなら、アクセルを緩めない!
走行中の道路に水が溢れ始め、それでも脱出しなければいけない状況が来るかもしれませ ん。走り続けられる目安の水位として、自分のクルマのマフラーの高さを知っておきましょう。さらに、排気管から水を入れさせないように排気ガスを出し続ける、つまりアクセ ルを踏み続けなければいけません。アクセルを緩めるとマフラーから出る排気ガスの圧力が弱くなり、外から水が流れ込んでしまう恐れがあるからです。
クルマは水没させてしまったら、周りの水圧で車内からの脱出が難しくなります。いざと いう時には、クルマを無理に動かさずに置いて逃げる勇気も必要です。万が一、クルマを 道路に放置する時は鍵を必ず付けておきましょう。水が引いた後に誰かが動かせないと、 あなたの一台が他の車両の妨げになってしまうからです。大雪などでやむを得ない時にも 同じです。