「月額」「定額」と聞くと、スマホやインターネットの契約を想像しませんか？ 実は、クルマを月額で定額の料金で使用できるサービスが登場し始めているのです。あの自動車メーカー最大手のトヨタ自動車も参入を宣言しました。
自動車税、メンテナンス費用も「コミコミ」の月額制
昭和後期から平成前期くらいまでは「一生懸命貯金して、やっとの思いで買った憧れのクルマ」が社会人のステイタスでもありました。時は流れ、リースやレンタカー、最近ではカーシェアリングも登場し「クルマの所有」にはこだわらない人たちが増えてきています。
確かに「一台のクルマを何年もローンを組んで購入する」のは、若者や子育て世代のファミリーにとっては、もはや古臭い方法なのかもしれません。自分のものにしなくてもいいけど、クルマは日々の生活には必要不可欠なアイテム、と考える人たちにとっては、携帯やスマホと同じように「月々」「定額」の料金で乗れたら便利なはず。
そこで、自動車業界各社が次々と参入し始めたのは「月額定額サービス」です。トヨタ自動車は2019年2月より「株式会社KINTO」を立ち上げ、トヨタ店系列、レクサス店系列の車種で利用できるサービスを開始しました。その中のプラン「KINTO ONE」では、３年間で１台のトヨタ車に月額定額で乗れて、自動車税、任意保険料、登録諸費用、定期メンテナンス代のすべてがコミコミという、携帯電話のパック料金のような契約ができるようです。
３年間で「購入」と「月額定額」ではどちらが得か？
確かに、自動車税やメンテナンス費用はクルマにお金をかけたくない人にとって一番の痛い出費。そこでさっそく、３年間同じクルマを「購入する」のと「月額定額サービスで使用する」のでは、どのくらい金額に差が出るかを、現役主婦である私がざっくり計算して見ました。（だいぶドンブリ勘定ですがお許しください）
トヨタの中でも旬な一台「カローラスポーツ」を例にあげてみると・・
一番安いグレードをオプション無しで購入した場合
車両本体価格：¥2,106,000
税金・諸費用：¥204,327
自動車税：¥118,500（年額¥39,500×３年分）
合計：¥2,428,827（消費税込み）
月額定額サービス「KINTO ONE」を利用した場合
月額料金（最低額）¥53,460（税込み）×3年分
合計：¥1,924,560
このように、３年間の所有だけを比較すると、月額定額サービスの方が50万円ほどお安くはなります。とはいえ、最近は一台のクルマの平均所有年数は10年近いので、購入して長く所有すればするほど、差額の50万円は取り戻せるかもしれません。しかし、やっぱり自動車税や車検代の負担はイヤだ！ と言う人にとっては、この月額定額サービスは家計をスッキリさせてくれるはずです。
3年ごとに新しいクルマに乗り換えたい、クルマの維持費で急な出費は避けたいと思う人には、このサービスはなかなか見逃せないでしょう。
ちなみにこの「KINTO」のサービス名、どこから付いたのかと思ったら「必要な時にすぐ現れ、思いのままに移動できる『筋斗雲』のイメージ」からのネーミングだそう。「西遊記」世代にも「ドラゴンボール」世代にも受け入れられそうな名前ですが、最近の若い人はそもそも「筋斗雲」を知っているのか、疑問に思うのは私だけではないはず・・。
