導入事例(お客様の声)
株式会社日野商店様 衛生上の課題と対策が明確になり、スムーズにHACCPを取得できた。
- 業種
- 工場
- 場所
- その他の様々な場所
- ご利用サービス
- 害虫防除(駆除)
明治41年に長崎で創業し、鯨の加工・販売をおこなう「株式会社日野商店」様。商品への異物混入対策など、全般的な衛生管理の向上を目的に、サニクリーンの衛生管理サービス(定期的な衛生管理調査と改善提案)をご利用いただいています。今回、専務取締役の日野裕貴様にサービス導入の経緯やメリットなどをお伺いしました。
■ゼロからのスタートでもHACCPを取得できた。
●サニクリーンの衛生管理サービスを導入したきっかけを教えてください。
2020年に衛生サービスを導入したのですが、当時は「HACCP」が義務化されるということで、私たちもHACCPの認証取得に動き始めた時期でした。工場の衛生管理を見直していこうと、様々なサービスを検討しました。他社にも提案をもらっていましたが、サニクリーンさんがいちばん親身になって相談に乗ってくれたので、最終的にお願いすることにしました。
●衛生管理サービスを導入してみて、いかがでしたか?
HACCPはゼロからのスタートだったので、「本当に認証取得できるのか」という不安がありました。ですが、サニクリーンさんにいろいろと指摘、提案をしてもらいながら、一緒に改善に取り組んでいきました。その結果、2021年に無事、HACCPの認証を取得することができました。導入当初の目的を達成できましたし、サービスにはすごく満足しています。
HACCPの認証取得後も、定期的にサニクリーンさんにチェックしてもらいながら衛生状態を維持しており、半年に1回の継続審査もきちんとクリアできています。
■虫が減っていることがデータで見えるから、対策の効果を実感できる。
●衛生管理の向上を図るため、どのような取り組みをしてきましたか?
一つが「昆虫モニタリング」です。これは、工場内のいくつかのポイントにトラップを設置して、「どのような虫が、どのくらいいるのか?」を調査・モニタリングするものです。サニクリーンさんに昆虫の発生状況を分析してもらうことで、たとえば「その虫が外から入ってきているのか?」、あるいは「工場内で発生する可能性があるのか?」など、侵入経路や繁殖原因を特定していきます。そのうえで、適切な対策を講じています。
昆虫の数はデータとして可視化されます。時期によって多少の増減はあるものの、以前に比べて虫の数が減り、低いレベルで管理できているので、対策の効果を実感できています。
昆虫だけでなく、「ネズミのモニタリング」もしています。これは、ネズミが出そうなところにトラップを仕掛ける対策ですが、これまで一度も見つかったことはありません。
年に2回、定期的にお願いしているのが「ゴキブリ防除」と「排水管洗浄」です。私たちの工場は8月と12月が繁忙期なのですが、忙しくなるとやはりゴキブリの発生リスクも高くなります。ですから、繁忙期の前に年に2回、サニクリーンさんに薬剤を噴霧してもらっています。ゴキブリの工場内への侵入、発生を未然に防ぐ対策です。
繁忙期の後にお願いしているのが排水管洗浄です。ボイル作業が多い工場なので、特に繁忙期には鯨の油がたくさん出ます。その油を処理するために、年に2回、グリストラップや排水管の洗浄をしてもらっています。
■課題と対策が明確に分かる報告書は、衛生管理の道しるべ。
●サニクリーンの衛生管理サービスに、どのような価値を感じていますか?
印象に残っているのは、「防虫カーテン」の提案です。HACCPの認証取得のために、商品を加工するエリアを衛生レベルごとに物理的に区分する必要があったのですが、そこがいちばん悩んだポイントでした。私たちの工場は、工事をして壁をつくるのが難しく、どのように分けようかと思案していました。サニクリーンさんに相談して、提案してもらったのが防虫カーテンを使ってスペースを仕切る方法でした。
ただ、防虫カーテンで完全に仕切ってしまうと、今度は商品を移動させる作業が不便になってしまいます。この新たな問題に対しては、「防虫カーテンを加工して、商品を通す穴をあける」というアイデアを出してもらいました。こうして、防虫カーテンの「穴」のところにベルトコンベアを設置して、エリアは区分しつつ、商品だけを運べる仕組みを構築しました。この形で、HACCPで求められていた基準をクリアできたので、本当に柔軟で素晴らしい提案だったと思っています。樹脂製の防虫カーテンであれば汚れても洗えますし、コスト的にもメリットの大きい方法でした。
また、サニクリーンの「報告書」にも価値を感じています。衛生管理の課題と対策が分かりやすく記載されており、私たちにとっては、「ここに気を付けて対策していけば、衛生的な工場運営ができる」という道しるべになっています。
■衛生意識が高まり、現場から「こうしたほうがいい」という声が出てくるように。
●衛生管理サービスの導入後、従業員さんに変化は見られましたか?
HACCPの認証取得のためには、パートさんも含め全従業員の衛生意識を高める必要がありました。外部の講習会を受けるのはもちろんですが、社内でも、サニクリーンさんからもらったアドバイスを共有することで、従業員の衛生意識の向上を図っていきました。
サニクリーンさんからは、たとえば、「ここに道具が置きっぱなしになっていますよね」「エアコンの送風口が粉塵で黒くなっていますよね」というように、現場の写真と一緒に改善ポイントを指摘してもらいました。外部から指摘してもらうことで、従業員が今までであれば気付けなかったことに気付けるようになったと思います。
掃除一つとっても、かける時間そのものが長くなりましたし、汚れを見逃さないようになりました。衛生意識が高まったことで見る目が細かくなっただけでなく、「ここは、こうしたほうがいいのでは?」というように現場から提案が出てくるようになったのは大きな変化です。
私自身も意識が変わりましたし、とても勉強になっています。たとえば、昆虫モニタリングで見つかった「チャタテムシ」なんて今まで聞いたこともありませんでした。チャタテムシはカビを食べて繁殖する微少昆虫で、私たちの工場のようにボイル作業が多く湿度が高くなりがちな場所に発生しやすい。こうした生態を教えてもらいながら、適切な対策をすることでチャタテムシの発生を防ぐことができています。発生原因や侵入経路も含め、昆虫について深く知ることができ、異物混入対策を強化できたのは食品事業者として非常に有益なことでした。
■衛生管理に関することなら何でも相談できるパートナー
●サニクリーンの担当者の印象はいかがでしょうか?
松本さんには契約当初からお世話になっていますが、ひと言で言えば「誠実」な人です。事務的、業務的な感じがまったくなく、日野商店のためにと、真剣に考えてくださっていることが伝わってきます。防虫カーテンのときなどはまさにそうでしたが、私たちの課題に真剣に向き合ってくださったからこそ生まれたアイデアだったと思います。
●衛生管理に対する今後の方針や取り組みについて教えていただけますか?
今後も引き続き、異物混入など衛生管理の対策には力を入れていきます。私たちが認証を取得している大日本水産会のHACCPは、商品単位で認定されるものです。現在は、認証取得している商品が1種類ですが、これを2つ、3つと増やしていけたらいいなと思っています。
食品業界に限りませんが、人手不足が深刻な時代なので、今後は工場の機械化・省人化を進めていく必要があります。ですが、機械化・省人化を進めることで衛生状態が損なわれてはいけません。人手が減ったとしても衛生状態をキープしていくことが、今後の課題になってくると思います。引き続き、サニクリーンさんと一緒に、衛生面でもオペレーション面でも理想的な環境をつくっていきたいと思います。
●衛生管理以外の、サニクリーンのサービスについてご感想をいただけますか?
サニクリーンさんのマットは、工場や事務所のいろんなところに置いています。また、モップやユニフォーム(帽子)も使っています。サニクリーンさんは「こういう商品はありませんか?」と相談すると、すぐに答えを返してくれます。衛生管理に関することなら何でも相談できるパートナーとして、大変心強く感じています。
●最後に、衛生管理に課題を抱える事業者にアドバイスをお願いします。
私たちのような食品事業者は、HACCPやISO、あるいはJIS規格など、認証取得を目標にすることが多くなります。最初は、「難しそう」「何からやっていいのか分からない」といった不安があると思います。私たちもゼロからのスタートで、分からないことばかりでしたが、サニクリーンさんのおかげでスムーズに取り組むことができました。これから認証取得にチャレンジする事業者さんも、サニクリーンさんの支援を受ければ、思っているよりも簡単に認証取得できるのではないかと思います。
お客様概要
○会社名 株式会社日野商店
○業種 水産加工品卸売、商業捕鯨・正規輸入された鯨の加工・卸売
○住所 長崎県長崎市京泊2丁目10-15
○電話 095-850-4141(代表)
○HP https://www.hino-s.co.jp/company/company.html
長崎で鯨の加工・販売をおこなう日野商店。江戸時代から続く伝統の食文化を継承し、次世代に伝えていくことを使命とし、最高に美味しい鯨を提供している。