先日、私の自宅マンションの駐車場に四国のとあるナンバーのクルマが停まっていました。「東京なのに、えらい遠くのナンバーだな……」と、マンションの住民はみんな不思議に思っていたようですが、それを「車庫飛ばし」と言うのをご存知ですか?
車庫は「住民票の住所から2㎞以内」と決まっている
クルマを買うときには「車庫証明」が必要です。これは「クルマの保管場所」を届け出て、警察から許可をもらうもの。クルマの購入には必ず必要な書類です。
ここで言う「車庫」は法律で「使用の本拠の位置から2㎞以内」と定められています。
使用の本拠の位置とは住民票の住所のこと。すなわち自宅から2㎞以内でないと車庫証明は取得できないことになっています。
しかし「どうしても品川ナンバーが欲しい!」と、品川ナンバーの管轄地域に駐車場を借りて住民票も移し、その後でシレっと元の場所に戻してしまえば、品川ナンバー地域に住んでいないのに品川ナンバーが取れます。クルマ業界では通称これを「車庫飛ばし」と言い、立派な法律違反になるのです。
故意でなくても、進学による上京や転勤などで、クルマと一緒に引っ越しをして、クルマを買ったときの住所から「使用の本拠の位置」が移動してしまうと、管轄地域とは違うナンバーのクルマを所有することに。実はこれも車庫飛ばしに該当します。
故意であってもなくても「車庫飛ばし」になってしまう
「○○ナンバーが欲しいから」と、住民票や車庫証明を故意に移動させて、すぐに戻すような行為はもちろん悪質な犯罪ですが「引っ越した先また車庫を届け出るのは面倒」という理由で、管轄とは違うナンバーのままクルマを使用している人もいるかもしれません。警察もそこまで厳しく「車庫飛ばし」を取り締まっているわけではありませんし、住所と違う場所で使っている人を片っ端から捕まえていたらキリがありません。
しかし、保管場所の不届け、虚偽申請については「10万円以下の罰金」と定められているようですので、運悪く捕まってしまえば罰金を支払うことに。転勤も多いこの季節、心当たりのある方は、お近くの警察署で車庫証明の問い合わせをしておきましょう。
ちなみに私のクルマは「多摩ナンバー」ですが、大都会、品川ナンバーの地域に行くと、狭い道路だらけなので道を譲ってもらえることも多いです。田舎くさいナンバーだと「こんな都会の道路、走り慣れていないでしょ?」と思われているのかもしれませんが。