タイヤチェーンによるトラブル事例が報道されています。正しく装着できていないと、大きなスリップ事故にもつながりかねないタイヤチェーン。どこへどうやって装着するかを確かめてみましょう。
そもそも「どのタイヤに付ける?」
ウィンタースポーツ好きな私なので、冬場は様々な雪山へでかけます。そこで毎年のようにビックリさせられるのが「タイヤチェーンを間違ったタイヤに装着しているクルマ」です。
ある年の冬のこと。きっと初めてクルマでスノボやスキーに出かけてきたのでしょう。若いお兄さんが路肩にクルマを停めて、おぼつかない手つきで一生懸命タイヤチェーンを装着しているのですが、FF車(前輪駆動車)なのに、どう見ても後輪に付けているではありませんか!
「それ、チェーンは前のタイヤに付けるんですよ~!!!」
とクルマの窓を開けて、叫んで教えてあげたことがあります。
彼らは2、3秒ポカーンとした後……
「えええぇぇっ!マジかよ!」「ほら!だから前じゃね?って言ったじゃんか!」
積雪でシンと静まり返った山道で、そんなお兄さんたちの声が後ろに聞こえてきました。
そして、あるサービスエリアでは「チェーンが2本しか入っていない!タイヤは4本なのにどうすればいいんだ?」と困っている人も見かけたことがあります。
チェーンは2本なら「駆動輪」へ
ほとんどの商品が2本セットで売られているタイヤチェーン。取扱説明書には必ず大きな字で「駆動輪に装着する」と書かれています。
アイスバーンや圧雪されていない道路であれば4輪に巻いた方が確実ですが、日本の道路では駆動輪に2本装着していれば、ほとんどの一般道や高速道路は走行できますし、チェーン規制もクリアできます。
最近は、よほどスポーツタイプのクルマでない限り、二輪駆動であればFF(前輪駆動車)がほとんどです。しかしたまに、古いセダンなどではFR(後輪駆動車)があります。
クルマは四輪駆動でないかぎり、前か後ろ、どちらかのタイヤにしかエンジンのパワーが伝わっていません。動いていないタイヤにチェーンを付けても、スリップして前に進むことはできませんよね?
タイヤチェーンを買う前には、ご自分のクルマの駆動輪を知っておきましょう。