クルマの呼び方で「ミニバン」と「ワンボックス」がありますが、これは似ているようで違うタイプのクルマのこと。「え! 同じ意味じゃなかったの?」と言う方のために、この2つの違いを説明します。
「一つの箱」だから「ワンボックスカー」
「次はワンボックスが欲しいんだよね〜」
「え、ハイエースみたいな、ボンネットが無くて四角いクルマがいいの?」
「ん? そんなクルマじゃなくて、7人乗りが欲しいんだけど……」
「ミニバン」のことを「ワンボックス」と呼んでしまう人と、ワンボックスを正しく解釈している人との会話には、こんなギャップが生まれてしまいます。厳密に言えば、ミニバンとワンボックスはタイプが違うクルマです。
ワン(1)ボックスカーとは「エンジンルーム」「人が乗るスペース(居室)」「トランクルーム」が全て一つの箱の中に収まったクルマの呼び方です。それぞれの部屋を「ボックス(箱)」と考え、エンジンルームと居室の2つの箱でできたクルマを「ツー(2)ボックスカー」、エンジンルーム、居室、トランクルームが3つの箱に分かれているクルマを「スリー(3)ボックスカー」と呼びます。
ワンボックスとは、トヨタ「ハイエース」や日産「キャラバン」のようなタイプで、運転席と助手席の下にエンジンが配置されているようなクルマのことを言いますので「ミニバン」とは違ったタイプを指します。
では、ミニバンは「○ボックスカー」?
「〇〇ボックスカー」の分類方法では、ミニバンはエンジンルームが前にある(ボンネットを開けるとエンジンがある)ため「ツー(2)ボックスカー」となります。
ボンネットが短いミニバンのことは「1.5ボックス」のような言い方をすることもあります。
ミニバンとは「7人以上が乗れる3列シートのクルマ」をそう呼ぶことが多く、最近では2列シートで背の高いクルマでも「コンパクトミニバン」のような呼び方をすることもあります。車両の寸法や価格に明確な規定があるわけではありませんが、背が高く、7、8人が乗れて、3列シートであれば「ミニバン」と言って間違いはないでしょう。
ついつい、背が高いミニバンのことを「ワンボックス」と呼びたくなってしまいますが、自動車業界の人はきちんと使い分けています。この2つの違いを知っていると、クルマ屋さんから「この人はクルマ通かも」と思われるかもしれません。