コラム

2021.07.13

できる人こそ水を飲む?テレワークで集中できない理由とは

なんだか体がダルい・・・

午後から急に眠くなってきた・・・

頭がぼーっとして集中できない・・・

気分が乗らない・・・

その結果、仕事が全然はかどらない。

オフィスで働く人なら、誰もがこんな経験があるものです。

最近では、新型コロナウイルスの感染拡大によってテレワークを始めた人の中にも同様の悩みを持つ方がいるようです。

本調子が出ないとき、「睡眠不足だから」「昨日、遅くまで飲んでいたから」「休み明けだから」「金曜だから」などと考えがちですが、実は違うところに原因があるかもしれません。

様々な体調不調を招く原因として注意したいのが「水分不足」です。本記事では、水分不足が仕事に及ぼす悪影響を中心にお伝えしていきます。

■人間の身体に水分は必要不可欠

人間と水分は切っても切り離せない関係です。実際、人間の身体の約60%は水分でできており、体重60kgの人なら約36kgが水分ということになります。

体内の水分は、血液の主成分として栄養や酸素を身体全体に運び、体内の老廃物を回収する役割を担います。また、尿として老廃物を排出したり、汗をかいて体温調節をしたりするのも水分の大切な役割です。

このように、水は私たちが日常生活を維持するのに必要不可欠な存在なのです。

■水分が不足すると集中力が落ちる

それでは人間の身体から水分が失われると、どのような影響が出るのでしょうか?

まず、体重の約2%水分が失われただけでも、のどの渇きや食欲減退、などの不快感が出てきます。この時点で集中力や記憶力が低下していると考えられます。

そして5%失われると脱水症状や熱中症の症状が現れ、10%で筋肉のけいれんや循環不全、腎不全になります。それ以上の脱水が進むと意識が消失して、20%失うと死に至ります。

体重60kgの人を例にすると、2%の水分量は1.2Lです。1日に便や尿で1.6L、汗などで0.9L程度の水分が排出されることを考えると、2%の水分が失われるのは容易にあり得る話でしょう。

そのままの状態で仕事をすると、作業効率が下がり、ミスが増え、生産性が低下するのは目に見えています。仕事にどうしても集中できない、パフォーマンスが上がらないといった時、その原因の一つは水分不足かもしれません。

■水分補給は脳の働きを助ける!

水分不足が集中力や生産性の低下に繋がることは分かりましたが、逆に「水分補給が脳を活性化させる」ということを示す研究調査もあります。

イギリスのイースト・ロンドン大学とウェストミンスター大学が実施した調査で「知的作業に集中する前に0.5Lの水を飲んだ人は、飲まなかった人に比べて14%も反応時間が速くなった」という結果が得られました。

つまり、水分補給が人間の知的パフォーマンスに好影響を与えているということです。

これも脳の80%は水分であることを踏まえると、水分補給が脳の働きを助けると考えても不思議ではないでしょう。

■1日に1.2Lの水分をこまめに補給しよう

それでは、仕事の集中力や生産性を維持・向上させるためにはどれくらいの水を飲めばよいのでしょうか?

私たちが1日に失う水分量は約2.5Lです。体内の水分バランスを保つためには、失った水分量と同じ量を取り込む必要があります。

とはいえ、1日に2.5Lもの水を飲む必要はありません。

水を飲む以外にも、人は日常生活の中で食事から約1.0Lの水分を補給しています。その他、身体が代謝を繰り返す中で作られる水分が1日に0.3L程度あります。

つまり、1日に水を飲んで補給する必要があるのは1.2L(2.5L - 0.3L - 1.0L)です。

水分補給のポイントは「のどが渇いた」と感じていなくてもこまめに飲むこと。私たちが「のどが渇いた」と感じるときには、すでに多くの水分が失われています。

ですので、のどの渇きを感じる前にこまめな水分補給を心がけましょう。厚生労働省の「健康のため水を飲もう」推進運動でも、「はやめに、こまめに」を合言葉にしています。

■デスクワーク中も水分不足に注意

水分不足や脱水というと、どうしても暑い日や運動をして汗をかくといった状況を想像しがちですが、実際には汗をかかなくても身体の水分は失われています。

先ほど挙げた便や尿による排出だけでなく、呼吸や汗、体温調節のために皮膚から蒸発する水分などで1日に0.9L程度の水分が失われています。

つまり、オフィスやテレワークで座って仕事をしている時も、ジワリジワリと水分を失っているのです。そのため、適切に水分補給をしていないと、デスクワーク中でも水分不足に陥るケースがあります。

特にテレワークでは、周囲に人がいるオフィスと違い、作業時間の管理が難しく長時間労働になりやすいというデメリットがあります。つい作業に集中するあまり、水分補給を怠ってしまうケースも考えられるでしょう。

繰り返しですが「はやめに、こまめに」を合言葉にした水分補給が、水分不足を防ぎ、集中力の維持と生産性を向上させることに繋がります。

■テレワークの課題も「集中できない」

最近は新型コロナウイルスの感染拡大により、テレワークという新しい働き方が広まってきました。

しかし実際にテレワークを始めると、オフィスとの仕事環境との違いに難しさを感じる人も多いようです。WEBの調査では、「リモートワーク(テレワーク)をするうえで悩みがある」と答えた人は84.3%にものぼりました。

具体的な悩みとして「家族がいて集中できない」「コミュニケーションがとりにくい」「集中力が続かない/やる気が出ない」といった声があります。

自宅のテレワークで集中できない原因は、テレビやスマートフォンなどの誘惑が多い、家事が気になってしまうなどが挙げられます。

重要なのは、オンオフの切り替えをしっかりすることです。具体的には以下の取り組みが挙げられます。

・着替えをして仕事モードにする

・作業空間を日常生活と切り分ける

・テレビやスマホを手の届かない場所に置く

・時間を区切ってこまめな休憩を取る

もう一つのポイントは、仕事モードへのスイッチオンのルーティン化です。

例えば、オフィスへ通勤時は最寄り駅のコンビニでコーヒーを買って出社していた方も多いのではないでしょうか。これまで何気なく行っていた行動の一つひとつが、仕事モードへのスイッチだったりします。

■成果を出すための水分補給をウォーターサーバーで

ここまででお伝えしたように、適切な水分補給が集中力や生産性を上げることに繋がります。

テレワークではこれまでと違う環境下での作業となり、心身にかかる負担は小さくありません。リフレッシュも兼ねた水分補給は有効な自己管理術となります。

テレワーク時の水分補給で特におすすめしたいのがウォーターサーバーです。

熱湯をすぐに利用できるため、コーヒーなどの飲み物を手間なく作れます。冷水も暑くなる季節に向けて、熱中症対策の一環となります。

また仕事以外にも、家事での利用や子どもの飲用など、テレワークで増えたおうち時間の充実にもつながります。

 

<参考文献>

・鈴木宏明「水のはてなQ&A55」桐書房

・厚生労働省「健康のため水を飲もう」推進運動

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html

・Front. Hum. Neurosci 「Subjective thirst moderates changes in speed of responding associated with water consumption」

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnhum.2013.00363/full

・BizHits「リモートワークで困っていることランキング」

https://media.bizhits.co.jp/archives/4956

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