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食費の節約術「10万円もトクする5つの食品ロス対策」

食費の節約術「10万円もトクする5つの食品ロス対策」

食べられるのに捨てられてしまう食品「食品ロス」

食べ残しの人参

ドラマの最終回や有名人の結婚などで「さみしい」という気持ちをあらわすときに使われる「〇〇ロス」。最近、よく耳にする言葉ですよね。

では、皆さん「食品ロス」という言葉は聞いたことがありますか?

食品ロスとは「食べられるのに捨てられてしまう食品」のことをいいます。フードロスともいわれていて、国内では、1年間で「約2,800万トン」の食品がムダに捨てられています。

そして、このうち、期限を超えたものや食べ残しなど、「本当は食べられたはずの食品」は20%以上にあたる「632万トン」にものぼります。

飢餓に苦しむ国へむけた世界全体の食料援助量が年間「320万トン」なので、日本人は実にその2倍もの「食べられる食品」を捨てているのです。

これは、日本人一人当たり「毎日、お茶碗一杯分(136グラム)のご飯を捨てている」と例えることができ、食品ロスの重大さがうかがい知れます。

食品ロスのグラフ

毎日、お茶碗にご飯をよそって、それを何も考えずにゴミ箱に捨てる。

まさか、こんなことをしている人はいないと思いますが、これと同じことをやっているといえなくもありません。

賞味期限前に捨てられる、食品はトラック「75,000台」分

家族の食事

また、本当は食べられたはずの食品「632万トン」のうち、およそ半分の「302万トン」は、家庭から出さています。

家庭の生ゴミの中には、手つかずの食品がおよそ2割(60万トン)もあり、さらにその内の4分の1(15万トン)は賞味期限前に捨てられています。

賞味期限前に捨てられる食品だけでも、なんとトラック(2トン)で「75,000台」分にもなります。各家庭で、食品ロスを出さないように取り組む必要がありそうですね。

ひと家庭当たり「10万円」もムダにしていることも

家計簿

さて、ここで、家計について考えてみましょう。そこで、食品ロスをお金に換算してみます。

例えば、捨てられた食品を「お米」の価格で換算した場合、いくらの「ムダ使い」になるのでしょうか。ここでは、SEIYUドットコムで販売されているお米の価格をもとに計算してみます。

2018年2月時点で、千葉県産のコシヒカリ10キロの税込み価格は「3,564円」なので、1グラム当たり、およそ「0.4円」になります。

お茶碗一杯は、およそ「136グラム」なので、一杯分のお値段は136グラム×0.4円で「54円」になります。

ということは、毎日「54円」を捨てていることになるので、これに「365日(1年)」を掛けると、年間で「19,710円」になります。

1年で一人当たり、おそよ2万円をムダに捨てていることになります。

3人家族なら3倍なので「60,000円」、4人家族なら「80,000円」、5人家族なら「100,000円」にもなります。

もし、あなたが5人家族の場合、食品ロスを出さないように取り組めば、毎年「10万円」の節約になります※1

食品ロス お金の損失グラフ

このように、食品ロスを出さないような工夫は、食費の節約にもつながるのです。これだって、食品ロスに取り組む立派な目的です。

5つの節約術(食品ロス対策)

買い物をする女性

「家庭で食品ロス対策に取り組もう」といっても、特別難しいことでもなければ、何かを特別に用意する必要もありません。

食品ロス対策で、一番大切なのは「意識」です。意識が変われば、自然と行動が変わります。

そこで、今回は、意識が高まるカンタンな対策を5つ紹介します。日頃のちょっとした取り組みが、食品ロスの削減、食費の節約につながります。

 

対策1「ムダなものは買わない」

お肉のセール表示

いいかえると「いま、欲しくないもの、必要ないものは買わない」となります。スーパーなどで、ついつい買ってしまう「衝動」を抑えられるかもポイントになります。

そこで、買い物をする前には、必ず買うものをメモに書き出しておきましょう。

これは、ムダなものを買わない工夫なので、毎日買い物に行く人にも、数日分まとめて買う人にもおすすめです。

また、メモを取るときは、自然と「家にどれだけの食材が残っているのか(あるのか)がわかる」ようになるので、「ストックがあるのに、またムダな食材を買ってしまった」ということも防ぐことができます。

くれぐれも、「安売り」をしているからといって、余計な食材は買わないようにしましょう。

 

対策2「食材を食べ切る(使い切る)」

野菜の皮をむく女性

野菜の皮むきや、脂身をそぎ落とした肉には、十分に食べられる部分が残っています。

豊富とはいえないまでも、野菜の皮や、皮近くにも栄養分があるので、漬け物やきんぴら、カレーで使うにんじんなど、皮をむかなくても済む料理でむかずに使えば、立派な食品ロス対策になります。

おのずと、皮をむかないことで、料理に使うひとつあたりの量が増えるので、経済的にもおトクです。

食感や歯ざわりに問題がなければ、ぜひおすすめしたい食品ロス対策です。

また、食材が余ってしまった場合でも、自分の知識だけに頼らず、テレビやネットで紹介されているアイデアレシピで、食材を使い切るようにしましょう。

例えば、有名なレシピサイト「クックパッド」では、消費者庁が「食材をムダにしないレシピ」を紹介しています。楽しいレシピがたくさん紹介されているので、ぜひ参考にしてください。

消費者庁クックパッド

 

対策3「ひと口分のあまり物でも捨てない」

大皿に盛られた料理。みんなお腹がいっぱいで、ひと口、ふた口、料理があまってしまうことってありませんか。

「少しだからがんばって食べる」、「残念だけど捨ててしまう」、こんなとき皆さんはどうしていますか?

そんなときは、お弁当のおかずや、お酒の肴であと1品足りないときのために、冷凍保存しておきましょう。

せっかく、おいしい料理を無理して食べたり、捨てたりしたらもったいないですよね。

この「ちょっと」の積み重ねは意外に大きいので、1年を通じた「食費の節約」にもインパクトを与えると思います。

 

対策4「冷蔵庫を上手に利用する」

冷蔵庫の野菜

食品や食材を冷蔵庫に保存するときは、食品ごとに最適な場所に保存すると、鮮度やおいしさが長持ちし、いたみ(腐り)づらくなります。

ヨーグルトや納豆などの発酵食品は、冷蔵庫よりも温度が低く凍らない「チルド室」で保存すると、発酵しづらくなり長持ちします。

チルド室は、冷蔵室よりも低く、冷凍室のように凍らない温度帯(0℃ぐらい)なので、凍らせたくない食材にむいています。

そして、お肉や魚など、より鮮度を保ちたい食材は「パーシャル室」で保存します。

パーシャル室は、チルド質より温度が低く、「微凍結」状態になりますが、解凍せずに調理をしたり、食べたりすることができるので、お刺身などにもむいています。

また、パーシャル室がない冷蔵庫では、チルド室を積極的に利用しましょう。

野菜や果物は「野菜室」で保存すると鮮度が長持ちしますますが、保存するときのひと手間で、さらに鮮度を長持ちさせることができます。

例えば、ダイコンなどの葉がついている野菜は、保存する前に葉を切り落とすと、水分が葉にいかなくなるので鮮度が長持ちします。

そして、切り落とした葉は捨てずに、炒め物などに使えば、こちらも食品ロス対策になります。

また、ニンジンやキュウリなどは、牛乳パックなどを使って立てて保存すると長持ちします。土の中で「縦に育った野菜」は、なるべく立てて保存するようにしましょう。

 

対策5「子どもの成長にあわせた食事の量を出す」

ご飯を食べる親子

ついつい子どもにいってしまう「残さず食べなさい」というセリフ。

子どもに、たくさん食べてもらいたい親の愛情なのですが、子どもの成長にあわせた量を出さないと、料理があまってしまいます。

ただ単に「食べなさい」というだけではなく、成長にあわせた食事の量を考え、なるべく残さないように食卓に出すことは、立派な食品ロス対策です。

また、おやつの量を減らしたり、料理の味付けや食感、盛り付け方を変えてみたりなど、色々と工夫をして、子どもには楽しくご飯を食べてもらいましょう。

 

以上、カンタンな食品ロス対策を5つ紹介しました。

このような、ちょっとした工夫をくり返すことで、自然と「意識」が向上するので、食品ロスは確実に減ってきます。そして、家計にもうれしい結果をもたらします。

皆さん、ぜひお試しください。

 

【おまけ】外食でも食品ロスを意識しよう

からあげ定食

家庭から出る食品ロスだけではなく、外食時の食品ロスも減らしてみませんか?

そこで、レストランで料理を注文する際は、小盛りメニューがあるか尋ねてみたり、食べ切れないと思ったら、はじめから量を減らしてもらったり、メニューの中に食べられないものがあれば取り除いてもらうなど、積極的に食品ロス対策に取り組みましょう。

 

とってもうれしいドギーバッグ

ドギーバッグ

海外では当たり前のドギーバッグ。私も海外ではずいぶんお世話になっています。

ドギーバッグとは、レストランで食べ切れなかった料理を家にも持ち帰るための容器のことです。なので、料理を残したお客さんは容器に入れて持ち帰ることができます。

本来は、その名の通り「Doggy Bag」なので、「犬に食べさせるために持ち帰るもの」ですが、衛生上の建前であることが多く、実際は、人が食べるために持って帰ることがほとんどです。

日本でも少しずつ増えているドギーバッグですが、原則、自己責任なので、いたみやすいものはレストランで食べ、火が通っていて持ち帰りやすい料理をドギーバッグにするなど、食中毒には十分に注意しましょう。

ちなみに、私は「残しても持って帰れる」という安心感からドギーバッグ推進派です。

「子どもが料理を残すかもしれないから、親はあまり注文できない」というようなストレスを持つママには、うれしいシステムだと思います。

残しても、料理もお金もムダにならないのがうれしいですね。

 

(※1)金額はあくまで「推測値」です。すべての家庭で、このような結果になるわけではありません。また、タイトルの「食品のロスを減らすと10万円もトクする」の10万円も、あくまで5人家族だった場合の推測値となります

 

※2019年4月12日本文改訂

 

<参考資料>
政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201303/4.html

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この記事の監修者

ともこ

ともこ

2児のママ。おっとりした性格で家事の失敗多数あり!どちらかというと家事は苦手だけどどうせやるなら楽しくがモットー!

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