O157(腸管出血性大腸菌)が原因による食中毒は、初夏から初秋(6月~10月)にかけて流行し、特に8月、9月が最も多く発生します。わずか50~100個の菌で感染する強い感染力を持ち、乳幼児や高齢者では重症化しやすいため注意が必要です。家庭でできる予防対策としては、石けんでの手洗いと消毒、食品の十分な加熱(中心部75℃で1分間以上)、まな板や包丁の使い分け、冷蔵庫の温度管理(10℃以下)を徹底することで、感染リスクを大幅に減らすことができます。
このコラムでは、サニクリーンのおそうじマイスターが、O157の流行時期や感染経路、家庭で実践できる具体的な予防対策について、厚生労働省や国立感染症研究所などの公的機関の情報をもとに紹介します。
このコラムでお伝えするポイント
<結論>
- O157は6月~10月に流行し、特に8月・9月がピーク。
- わずか50~100個の菌で感染する強力な感染力。
- 乳幼児・高齢者は重症化リスクが高い。
<予防方法>
- 石けんでの手洗い+アルコール消毒で菌を検出限界以下にする。
- 中心部75℃・1分間以上の十分な加熱調理。
- まな板・包丁の使い分けと熱湯消毒。
- 冷蔵庫10℃以下、冷凍庫-15℃以下の温度管理。
【結論】O157が流行する時期は夏から秋で8月、9月がピーク
O157(腸管出血性大腸菌)による食中毒は、初夏から初秋(6月~10月)にかけて発生が増加し、特に8月と9月に感染のピークを迎えます。この時期は高温多湿でO157などの細菌が繁殖しやすく、食品管理も難しくなるため、家庭での衛生管理と予防対策が重要になります。

O157は6月~10月に流行します
国立感染症研究所の「腸管出血性大腸菌感染症(詳細版)」において、「発生時期は、夏季に多いが冬季にもみられる」と明記されています。
また、国立感染症研究所によれば、「例年、夏期に報告数のピークが見られる傾向にある。2024年のEHEC感染症報告数(第41週時点)においても、診断週で第20週から増加し始め、第27週で2024年の最多(154例)に達した」と報告されています。
なぜ夏季にピークを迎えるのか?
O157などの細菌性食中毒が夏季に多発する理由は、以下の3つの条件が重なりやすいためです。
【理由1】細菌が増殖しやすい気温
高温多湿の環境は、O157などの細菌にとって繁殖に最適な条件となります。気温が高くなるほど細菌は活発に増殖し、食品中で急速に菌数を増やします。
【理由2】人の体力が低下しやすい
暑さによる疲労や睡眠不足、食欲不振などで体力が低下すると、免疫力も下がり、感染しやすくなります。
【理由3】食品管理が難しくなる
気温が高いと食品が傷みやすく、調理後の食品を室温で放置すると短時間で菌が増殖します。また、夏場はバーベキューやキャンプなど屋外での食事機会が増え、衛生管理が不十分になりやすい傾向があります。
年間の感染者数と推移
国立感染症研究所によると、O157 (腸管出血性大腸菌感染症)の年間感染者数は以下の通りです。平均感染者数は、2008年~2023年にかけて毎年平均約3,500件以上の感染が報告されています。
<腸管出血性大腸菌感染症の年間報告数>
| 年度 | 感染者数(件) |
| 2008年 | 4,321件 |
| 2009年 | 3,889件 |
| 2010年 | 4,134件 |
| 2011年 | 3,940件 |
| 2012年 | 3,768件 |
| 2013年 | 4,044件 |
| 2014年 | 4,152件 |
| 2015年 | 3,573件 |
| 2016年 | 3,648件 |
| 2017年 | 3,904件 |
| 2018年 | 3,854件 |
| 2019年 | 3,744件 |
| 2020年 | 3,094件 |
| 2021年 | 3,243件 |
| 2022年 | 3,370件 |
| 2023年 | 3,834件 |
<参照>
国立感染症研究所「感染症発生動向調査年別一覧(全数把握 一類~三類)-2023」
冬季にも発生する可能性があります
O157は夏季に多発しますが、冬季にも発生が見られることから、通年での注意が必要です。季節を問わず、食品の衛生的な取り扱いと十分な加熱調理を心がけましょう。

過去の集団感染事例
2017年8月、埼玉県と群馬県の総菜店で販売されたポテトサラダを食べた人がO157に集団感染した事例は、記憶に新しいところです。このように、初夏から初秋(特に8月、9月)はO157の感染リスクが高まる時期ですので、十分に注意する必要があります。
O157とは?「わずか50個の菌で感染するO157 」

O157は正式には「腸管出血性大腸菌O157」と呼ばれ、体内に侵入すると「ベロ毒素」という強力な毒素を産生し、激しい腹痛や血便などの症状を引き起こす細菌です。
一般的な食中毒菌と比べて、極めて少ない菌数でも感染が成立するため、人から人への二次感染も起きやすいという特徴があります。
O157の正式名称と特徴
O157は「腸管出血性大腸菌(Enterohemorrhagic Escherichia coli)」に分類される大腸菌の一種です。「O157」という名称は、大腸菌の表面抗原の型番号の157番目を意味しています。
大腸菌には無害なものも多く存在しますが、O157は「ベロ毒素(Verotoxin)」または「志賀毒素(Shiga toxin)」と呼ばれる強力な毒素を産生する点が特徴です。
ベロ毒素による出血性下痢のメカニズム
以下のような流れで、O157が産生するベロ毒素は、腸管の血管内皮細胞を破壊し、「出血性下痢」を引き起こします。
(1)O157が腸管に侵入
食品や飲料水などを介して、O157が口から体内に侵入します。
(2)腸管内でベロ毒素を産生
O157は腸管内で増殖し、ベロ毒素を産生します。
(3)血管内皮細胞を破壊
ベロ毒素が腸管の血管内皮細胞に作用し、細胞を破壊します。
(4)出血性下痢が発生
血管が損傷することで出血が起こり、血便や水様性の下痢が生じます。
一般の食中毒菌との比較
O157の最大の特徴は、極めて少ない菌数でも感染が成立する点です。
<感染に必要な菌数の比較>
| 食中毒菌の種類 | 感染に必要な菌数 |
| 一般的な食中毒菌(サルモネラ菌など) | 10万~100万個 |
| O157(腸管出血性大腸菌) | 50~100個 |
厚生労働省「腸管出血性大腸菌Q&A」においては、「腸管出血性大腸菌は100個程度の菌数でも感染すると言われています」と明記されています。
また、国立感染症研究所「腸管出血性大腸菌感染症(詳細版)」では、「ヒトを発症させる菌数はわずか50個程度と考えられており、二次感染が起きやすいのも少数の菌で感染が成立するためである」とされています。
なぜ二次感染が起きやすいのか

O157は少量の菌でも感染が成立するため、感染者の便に含まれる菌が手指を介して口に入ることで、容易に二次感染が起こります。
【二次感染の経路】
・感染者の排便後、手洗いが不十分。
・汚染された手で食品を取り扱う。
・調理された食品を介して家族が感染。
このため、家庭内での二次感染を防ぐには、排便後やおむつ交換後の徹底した手洗いが極めて重要になります。
O157感染の主な症状と潜伏期間|重症化のリスクとHUS(溶血性尿毒症症候群)
O157に感染すると、潜伏期間を経て様々な症状が現れます。多くの場合、激しい腹痛や血便といった症状が特徴的ですが、中には無症状や軽症で終わるケースもあります。しかし、乳幼児や高齢者では重症化しやすく、「HUS(溶血性尿毒症症候群)」という重篤な合併症を引き起こすこともあるため、注意が必要です。
潜伏期間は3~8日
O157に感染してから症状が現れるまでの潜伏期間は、一般的に3~8日とされています。他の食中毒と比べて潜伏期間が長いのが特徴です。
<主な食中毒菌の潜伏期間比較>
| 食中毒菌 | 潜伏期間 |
| O157 | 3~8日 |
| サルモネラ菌 | 6~72時間 |
| カンピロバクター | 2~7日 |
| 黄色ブドウ球菌 | 1~6時間 |
| ノロウイルス | 24~48時間 |
潜伏期間が長いため、「いつ、何を食べて感染したのか」を特定するのが難しい場合があります。
初期症状と進行
O157感染の症状は、以下のように進行します。
【初期症状】
・頻回の水様便(水っぽい下痢)
・軽い腹痛
・吐き気
【進行後の症状】
・激しい腹痛
・水溶性の下痢(1日10回以上になることも)
・血便(鮮血または暗赤色)
・発熱(37~38℃程度、一過性のことが多い)
発熱はあっても多くは一過性で、高熱が続くことは少ないとされています。
症状の個人差
O157に感染しても、症状の現れ方には個人差があります。
・無症状…全く症状が現れない
・軽症…軽い腹痛や下痢のみで終わる
・重症…激しい腹痛、頻回の血便、HUSへの進行
免疫力が十分にある成人では軽症で済むこともありますが、乳幼児や高齢者、免疫力が低下している人では重症化しやすい傾向があります。
HUS(溶血性尿毒症症候群)の危険性
O157感染の最も深刻な合併症が「HUS(溶血性尿毒症症候群:Hemolytic Uremic Syndrome)」です。
HUSとは、ベロ毒素が血液中に入り込み、赤血球の破壊(溶血)、血小板減少、急性腎不全を引き起こす重篤な疾患です。
国立感染症研究所「腸管出血性大腸菌感染症(詳細版)」によれば、「有症者の6~7%において、下痢などの初発症状発現の数日から2週間以内に、溶血性尿毒症症候群(HUS)、または脳症などの重症な合併症が発症する」とされています。
【HUSの主な症状】
・溶血性貧血(赤血球が破壊される)
・血小板減少(出血しやすくなる)
・急性腎不全(尿が出なくなる、むくみ)
・意識障害、けいれん(脳症を伴う場合)
HUSの致死率と後遺症
HUSは非常に重篤な疾患であり、適切な治療を行わなければ命に関わります。
国立感染症研究所によれば、「HUSを発症した患者の致死率は1~5%とされている」とのことです。また、命を取り留めても、腎機能障害や神経学的障害などの後遺症を残す可能性があります。
【HUSによる後遺症】
・慢性腎不全(透析が必要になることも)
・神経学的障害(麻痺、知能障害など)
・視力障害
重症化しやすい人
以下の人はO157感染で重症化しやすいため、特に注意が必要です。
・乳幼児…免疫機能が未発達
・高齢者…免疫力の低下、基礎疾患を持つことが多い
・免疫力が低下している人…糖尿病、がん、免疫抑制剤を使用している人など
O157の主な感染経路と原因食品|牛肉・生レバー・二次汚染に注意

O157は主に「口から入る(経口感染)」ことで感染します。
加熱不十分な牛肉や生レバー、汚染された食品を食べることが主な感染経路ですが、感染者の便に含まれる菌が手指を介して口に入る「人から人への二次感染」にも注意が必要です。
O157の主な生息場所
O157は、主に牛の腸内に生息している細菌です。健康な牛であっても、腸内にO157を保有していることがあり、食肉処理の過程で食肉表面に菌が付着することがあります。
感染経路は「経口感染」
O157は、菌が口から入ることで感染します。具体的には、以下のような経路があります。
<主な感染経路>
(1)汚染された食品を食べる
・加熱不十分な牛肉(特に生レバー、ユッケ、牛タタキなど)
・家畜の糞便で汚染された野菜や果物
・汚染された井戸水や飲料水
(2)二次汚染された食品を食べる
・生肉を切った包丁やまな板で、そのままサラダや果物を切る
・生肉を触った手で、加熱済みの食品を触る
・感染者が調理した食品
(3)人から人への二次感染
・感染者の便に含まれる菌が手指を介して口に入る
・排便後の手洗いが不十分
・おむつ交換後の手洗いが不十分
※ご注意
O157は、感染した人と話をしたり、咳やくしゃみ、汗などでは感染しません。あくまで「口から菌が入る」ことで感染します。
原因となる主な食品
過去の食中毒事例から、以下のような食品がO157感染の原因となっています。
<O157感染の原因食品>
| 食品カテゴリ | 具体例 |
| 食肉・加工品 | 生レバー ユッケ 牛タタキ ハンバーグ(加熱不十分) 焼肉 |
| 二次汚染された食品 | ポテトサラダ サラダ 白菜漬け メロン カット野菜 |
| 飲料水 | 井戸水 汚染された水 |
家庭でできるO157の予防対策①「手洗いと消毒で二次感染を防ぐ」

O157感染を防ぐ最も基本的で効果的な対策が「手洗い」です。
特に、人から人への二次感染を防ぐためには、石けんでの丁寧な手洗いとアルコール消毒が極めて重要です。
手洗いが二次感染予防の基本
O157は、感染者の便に含まれる菌が手指を介して口に入ることで二次感染が起こります。そのため、以下のタイミングで必ず手を洗うことが重要です。
<手洗いが必要なタイミング>
□排便後
□食事の前
□調理の前
□調理の途中(生肉・魚・卵を触った後)
□おむつ交換の後
□ペットに触った後
□鼻をかんだ後
□トイレに行った後
「洗って・ふいて・消毒」の効果
サラヤ株式会社「手洗いの科学」では、大腸菌を手指に塗布し、「洗って」「ふいて」「消毒」の各工程での菌の減り具合を調べた実験結果が紹介されています。
<衛生的手洗いの効果>
| 工程 | 菌の減少効果 |
| 【STEP1】 石けんで手を洗う |
菌数が1/100程度に減少 |
| 【STEP2】 ペーパータオルで水分や汚れをふき取る |
さらに1/10程度に減少 |
| 【STEP3】 アルコールで手指消毒 |
ほぼ検出限界以下に |
この実験結果からわかるように、「洗う」「ふく」「消毒」のプロセスは、O157対策でも極めて有効です。
正しい手洗いの方法
サニクリーンでは、正しい手洗いの方法を動画やPDFデータで紹介しています。PDFデータをプリントアウトしてご自宅に貼るなど、ご活用ください。

「正しい手順の洗い方(サニクリーン)」ダウンロードしてご利用ください。
<正しい手洗いの手順>
(1)事前チェックポイント
【POINT 1】
手のひら、手の甲、指先など、洗い残しがないようにする。
【POINT 2】
指輪・腕時計を外す、爪を短くする、つけ爪をつけない。
(2)手洗いの12ステップ
【STEP1】 水を手にまんべんなくかけます。
【STEP2】石けんを適量手に取ります。
【STEP3】「手のひら」をよくこすり合わせて泡立てます。
【STEP4】「手の甲」を反対の手のひらでこすり洗いします。
【STEP5】「指先」と爪の間を反対の手のひらでこすり合わせて洗います。
【STEP6】「指の間」を反対の手の指の間に組み合わせて洗います。
【STEP7】「親指」をもう片方の手で包み込んで洗います。
【STEP8】「手首」まで丁寧に洗います。
【STEP9】流水で石けんの泡を十分に洗い流します。
【STEP10】手から水をよく切ります。
【STEP11】ペーパータオルやハンドドライヤーなどで水分を拭き取ります。
【STEP12】 消毒薬を使います(推奨)。
「正しい手順の洗い方(サニクリーン)」を動画で紹介しています。
アルコール消毒の正しい方法

アルコール消毒は、手洗い後に行うことでより効果を発揮します。
<アルコール消毒のポイント>
□手洗い後、手が乾いた状態で使用する。
□適量(ポンプ1~2プッシュ程度)を手に取る。
□手のひら、手の甲、指の間、指先、手首までまんべんなくすり込む。
□アルコールが完全に乾くまですり込む(15~30秒程度)。
※ご注意
アルコールは、手が濡れた状態だと効果が薄れます。必ず手を乾かしてから使用しましょう。
子どもやお年寄りへの手洗い指導
乳幼児や高齢者は、自分で十分な手洗いができない場合があります。家族が一緒に手洗いを行い、手洗いの習慣をつけましょう。
家庭でできるO157の予防対策②「食品の購入・保存・管理のポイント」

O157による食中毒を防ぐためには、食品の購入時から保存まで、適切な管理が必要です。厚生労働省が推奨する対策をもとに、家庭でできる具体的なポイントをご紹介します。
食品購入時の注意点
食品を購入する際は、以下のポイントに注意しましょう。
【STEP1】新鮮な食材を選ぶ
肉、魚、野菜などの生鮮食品は、新鮮なものを選びましょう。鮮度が落ちると菌が増殖しやすくなります。
【STEP2】消費期限・賞味期限を確認する
表示のある食品は、必ず消費期限や賞味期限を確認してから購入しましょう。
【STEP3】肉汁や魚の水分が漏れないよう個別包装
肉や魚などは、汁や水分が漏れないようビニール袋などにそれぞれ分けて包み、他の食材に付かないようにしましょう。
【STEP4】冷蔵・冷凍食品は最後に購入
特に、生鮮食品などのように冷蔵や冷凍などの温度管理の必要な食品の購入は、買い物の最後にし、購入したら早めに帰るようにしましょう。
家庭での保存方法

購入した食品は、適切に保存することで菌の増殖を防ぎます。
【STEP1】すぐに冷蔵庫・冷凍庫に入れる
冷蔵や冷凍の必要な食品は、帰宅後すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。室温に長時間放置すると、菌が増殖してしまいます。
【STEP2】冷蔵庫の温度を確認する
厚生労働省「腸管出血性大腸菌Q&A」によれば、「冷蔵庫10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に維持することがめやす」とされています。温度計を使って時々温度を計るとよいでしょう。
細菌の多くは、10℃では増殖がゆっくりとなり、-15℃では増殖が停止しますが、細菌が死滅するわけではありませんので、早めに使い切るようにしましょう。
<冷蔵庫・冷凍庫の推奨温度>
| 保存場所 | 推奨温度 | 効果 |
| 冷蔵庫 | 10℃以下 | 菌の増殖がゆっくりになる |
| 冷凍庫 | -15℃以下 | 菌の増殖が停止する |
【STEP3】冷蔵庫の詰めすぎに注意
冷蔵庫に食品を詰めすぎると、冷気の循環が悪くなり、冷却効率が下がります。食品は7割程度を目安に保存しましょう。
【STEP4】肉や魚は容器に入れる
肉や魚などはビニール袋や容器に入れ、冷蔵庫の中の他の食品に肉汁などがかからないようにしましょう。
食品を扱う際の手洗い

肉、魚、卵などを取り扱う時は、取り扱う前と後に必ず手を洗いましょう。特に、生肉を触った後は、石けんでしっかり手を洗うことが重要です。
流し台下の保存にも注意

食品を流し台の下に保存する場合は、水漏れなどに注意しましょう。湿気が多い場所は、カビや菌が繁殖しやすくなります。
家庭でできるO157の予防対策③「調理時の加熱・まな板管理・交差汚染防止」

O157による食中毒を防ぐためには、調理時の衛生管理が極めて重要です。特に、「十分な加熱調理」「まな板・包丁の使い分け」「交差汚染の防止」の3つがポイントになります。
調理前の準備
調理を始める前に、以下の点を確認しましょう。
(1)井戸水を使用している家庭は水質に注意
井戸水を使用している家庭では、水質に十分注意してください。定期的な水質検査を行い、安全性を確認しましょう。
(2)手を洗いましょう
調理を始める前には、必ず石けんで手を洗いましょう。
調理中の手洗いのタイミング
調理中も、以下のタイミングで必ず手を洗います。
□生の肉、魚、卵を取り扱った後
□ペットなどの動物に触った後
□トイレに行った後
□おむつを交換した後
□鼻をかんだ後
交差汚染を防ぐ方法
「交差汚染」とは、生肉や生魚に付着している菌が、調理器具や手指を介して他の食品に移ることをいいます。
<交差汚染の防止ポイント>
【ポイント①】生肉・魚の汁が他の食品にかからないようにする
生の肉や魚などの汁が、果物やサラダなど生で食べる物や、調理の済んだ食品にかからないようにしましょう。
【ポイント②】包丁・まな板を洗わずに続けて使わない
生の肉や魚を切った後、その包丁やまな板を洗わずに、続けて果物や野菜など生で食べる食品や、調理の終わった食品を切ることはやめましょう。
【ポイント③】包丁・まな板は洗って熱湯をかける
生の肉や魚を切った包丁やまな板は、洗剤と流水でよく洗い、できればその後熱湯をかけて消毒しましょう。
【ポイント④】包丁・まな板を使い分ける
包丁やまな板は、肉用、魚用、野菜用と別々にそろえて、使い分けるとさらに安全です。
野菜の洗浄

ラップしてある野菜やカット野菜も、使用前によく洗いましょう。野菜の表面に菌が付着している可能性があるためです。
解凍方法に注意

冷凍食品など凍結している食品を調理台に放置したまま解凍するのはやめましょう。室温で解凍すると、食中毒菌が増える場合があります。
<正しい解凍方法>
【方法1】冷蔵庫内で解凍
冷蔵庫の中でゆっくり解凍する方法が最も安全です。
【方法2】電子レンジで解凍
急ぐ場合は、電子レンジの解凍機能を使いましょう。
【方法3】流水で解凍
水を使って解凍する場合には、気密性の容器に入れて流水を使います。
※注意点
・料理に使う分だけ解凍し、解凍が終わったらすぐ調理しましょう。
・解凍した食品を、再び冷凍や解凍を繰り返すのは危険です。冷凍や解凍を繰り返すと食中毒菌が増殖する場合があります。
十分な加熱調理

O157は熱に弱く、十分に加熱することで死滅します。
厚生労働省「腸管出血性大腸菌による食中毒防止の徹底について」において、「食中毒防止の観点から、食肉等は中心部を75℃で1分間以上又はこれと同等以上の加熱効果を有する方法により加熱調理をするよう指導してきた」と明記されています。
電子レンジ使用時の注意

電子レンジを使う場合は、以下の点に注意しましょう。
□電子レンジ用の容器、ふたを使う
□調理時間に気を付ける
□熱の伝わりにくい物は時々かき混ぜる
調理を途中でやめる場合
料理を途中でやめてそのまま室温で放置すると、細菌が食品に付いたり、増えたりします。途中でやめるような時は、冷蔵庫に入れましょう。再び調理をするときは、十分に加熱しましょう。
調理器具の洗浄と消毒
包丁、食器、まな板、ふきん、たわし、スポンジなどは、使った後すぐに、洗剤と流水で良く洗いましょう。
<ふきんの消毒方法>
・ふきんの汚れがひどい時には、清潔なものと交換しましょう。
・漂白剤に1晩つけ込むと消毒効果があります。

<包丁・まな板の消毒方法>
・包丁、食器、まな板などは、洗った後、熱湯をかけたりすると消毒効果があります。
・たわしやスポンジは、煮沸すればなお確かです。
家庭でできるO157の予防対策④「調理後の保存・温度管理・食べ残しの扱い方」
せっかく衛生的に調理しても、調理後の管理が不適切だと、菌が増殖して食中毒を引き起こす可能性があります。特にO157は室温で急速に増殖するため、調理後の温度管理と保存方法が重要です。
調理後の食品の取り扱い
調理後の食品は、以下の点に注意して取り扱いましょう。
(1)清潔な器具・食器を使用
清潔な手で、清潔な器具を使い、清潔な食器に盛りつけましょう。
(2)温度管理が重要
厚生労働省「腸管出血性大腸菌Q&A」によれば、「温かい料理は65℃以上、冷やして食べる料理は10℃以下です」とされています。
<調理後の食品の推奨温度>
| 料理の種類 | 推奨温度 | 理由 |
| 温かい料理 | 65℃以上 | 菌の増殖を防ぐ |
| 冷たい料理 | 10℃以下 | 菌の増殖を抑える |
室温放置は厳禁
O157は室温でも急速に増殖します。厚生労働省「腸管出血性大腸菌Q&A」において、「調理前の食品や調理後の食品は、室温に長く放置してはいけません。例えば、O157は室温でも15~20分で2倍に増えます」と明記されています。
<O157の増殖速度※>
| 時間 | 菌数の増加 |
| 室温で15~20分 | 2倍 |
| 室温で1時間 | 約4~8倍 |
| 室温で2時間 | 約16~64倍 |
※あくまでも目安であり、温度や条件で変動します。
このように、室温で放置すると短時間で菌が急増するため、調理後はすぐに食べるか、適切な温度で保存することが重要です。
残った食品の保存方法
食事で残った食品は、以下の方法で保存しましょう。
(1)きれいな器具・皿を使う
残った食品はきれいな器具、皿を使って保存しましょう。使用済みの食器をそのまま使うと、口の中の菌が食品に付着します。
(2)浅い容器に小分けする
残った食品は早く冷えるように浅い容器に小分けして保存しましょう。深い容器だと、中心部が冷えるまで時間がかかり、その間に菌が増殖する可能性があります。
(3)早めに冷蔵庫へ
小分けした食品は、すぐに冷蔵庫に入れましょう。
(4)時間が経ちすぎたら処分
時間が経ち過ぎたら、思い切って捨てましょう。「もったいない」という気持ちもわかりますが、食中毒になるリスクを考えると、処分する判断も大切です。
症状が出た場合の対応

以下のような症状が見られたら、すぐに医療機関を受診しましょう。
□血便が出た
□激しい腹痛がある
□頻回の下痢(1日10回以上)
□尿の量が減った、または尿が出ない
□顔色が悪い、意識がもうろうとしている
特に、乳幼児や高齢者の場合は、症状が急速に悪化することがあるため、早めの受診が重要です。
O157の流行時期に備える「最新情報のチェックと専門機関」
O157による食中毒を防ぐためには、常に最新の情報をチェックし、正しい知識を持つことが大切です。ここでは、信頼できる公的機関のリンク集と、症状が出た場合の対応についてご紹介します。
常に最新情報をチェックしましょう
O157の発生状況や予防方法については、厚生労働省や国立感染症研究所などの公的機関が最新情報を公開しています。定期的にチェックして、正しい知識を身につけましょう。
以下の公的機関のホームページでは、O157に関する詳しい情報が掲載されています。
<厚生労働省>
「腸管出血性大腸菌Q&A」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177609.html
「腸管出血性大腸菌O157等による食中毒」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/daichoukin.html
<国立感染症研究所>
「腸管出血性大腸菌感染症(詳細版)」
https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/enterohemorrhagic-escherichia-coli-infection/detail/index.html
「IDWR2024年第41号<注目すべき感染症>腸管出血性大腸菌感染症」
https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/featured/2024/41/index.html
<東京都感染症情報センター>
「腸管出血性大腸菌感染症の流行状況(東京都 2025年)」
https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/ehec/ehec2025/
保健所への相談
お住まいの地域の保健所でも、食中毒に関する相談を受け付けています。疑問や不安がある場合は、気軽に相談しましょう。
症状が出た場合の対応
O157に感染した疑いがある場合は、以下の対応を取りましょう。
(1)医療機関を受診
血便や激しい腹痛がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
(2)周囲への感染を防ぐ
・排便後は必ず石けんで手を洗う
・タオルは家族と別にする
・調理は控える
(3)市販の下痢止めは使わない
O157感染が疑われる場合、市販の下痢止め薬を使用すると、腸管内にベロ毒素が留まり、症状が悪化する恐れがあります。医師の指示に従いましょう。
ニクリーンのハウスクリーニングで衛生環境を整えましょう
食中毒の防止に限らず、日頃からキッチンを衛生的な状態にしておくことは大切です。しかし、「換気扇の奥の油汚れ」「シンクの排水口のヌメリ」「コンロ周りのこびりついた汚れ」など、家庭では落としきれない頑固な汚れもあります。
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まとめ
今回は、O157の流行時期や感染経路、家庭でできる予防対策について詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをおさらいしましょう。
(1)流行時期と危険性
O157は主に6月から10月、特に8月と9月に流行のピークを迎えます。毎年平均約3,500件以上の感染が報告されており、冬季にも発生するため通年の注意が必要です。
この細菌は非常に強い感染力を持ち、わずか50~100個という少量でも感染します。感染するとベロ毒素により激しい腹痛や血便を引き起こし、特に乳幼児や高齢者はHUS(溶血性尿毒症症候群)という重篤な合併症を発症しやすく、命に関わる危険性があります。
(2)効果的な予防対策
<手洗いの徹底>
排便後、食事前、調理前には石けんで手を洗い、ペーパータオルで拭いた後、アルコール消毒を行う3ステップが効果的です。爪の間や指の間も丁寧に洗いましょう。
<食品管理>
新鮮な食材を選び、冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下を維持します。生肉の肉汁が他の食品に付かないよう個別包装しましょう。
<調理のポイント>
食材の中心部を75℃で1分間以上加熱することが最重要です。まな板や包丁は肉・魚・野菜で使い分け、生肉を切った後は洗剤で洗い熱湯消毒します。O157は室温で15~20分ごとに2倍に増殖するため、調理後は室温放置を避け、温かい料理は65℃以上、冷たい料理は10℃以下で保存してください。
(3)ハイリスク層への配慮
乳幼児や高齢者には生レバーやユッケなど加熱不十分な食肉は絶対に与えず、血便や激しい腹痛が現れたらすぐに医療機関を受診しましょう。
O157は少量でも感染する強力な細菌ですが、手洗い、十分な加熱、適切な温度管理で効果的に予防できます。
<参考文献>
・国立感染症研究所「腸管出血性大腸菌感染症(詳細版)」
https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/enterohemorrhagic-escherichia-coli-infection/detail/index.html
・国立感染症研究所「IDWR2024年第41号<注目すべき感染症>腸管出血性大腸菌感染症」
https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/featured/2024/41/index.html
・東京都感染症情報センター「腸管出血性大腸菌感染症の流行状況(東京都 2025年)」
https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/ehec/ehec2025/
・国立感染症研究所「感染症発生動向調査年別一覧(全数把握 一類~三類)-2023」
https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/idwr/2023/year-data/01-03/index.html
・厚生労働省「腸管出血性大腸菌Q&A」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177609.html
・厚生労働省「腸管出血性大腸菌による食中毒防止の徹底について」
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc7035&dataType=1&pageNo=1
・サラヤ株式会社「手洗いの科学」
https://pro.saraya.com/pro-tearai/science/
Q&A|O157の流行時期などについて
Q. O157はいつ頃流行しますか?
A. O157は主に6月から10月にかけて流行し、特に8月と9月が感染のピークとなります。ただし、冬季にも発生することがあるため、通年での注意が必要です。
Q. O157はどのくらいの菌数で感染しますか?
A. O157はわずか50~100個という極めて少ない菌数でも感染が成立します。一般的な食中毒菌(サルモネラ菌など)が10万~100万個必要なのに対し、O157は非常に強い感染力を持っています。
Q. O157に感染すると、どのような症状が出ますか?
A. 主な症状は、激しい腹痛、頻回の水様性下痢、血便(鮮血または暗赤色)です。発熱は37~38℃程度で一過性のことが多いです。潜伏期間は3~8日で、重症化するとHUS(溶血性尿毒症症候群)という命に関わる合併症を引き起こすことがあります。
Q. O157の感染を予防するための手洗い方法を教えてください。
A. 「洗って・ふいて・消毒」の3ステップが効果的です。まず石けんで手を洗い(菌数が1/100に減少)、次にペーパータオルで水分をふき取り(さらに1/10に減少)、最後にアルコールで手指消毒します(ほぼ検出限界以下に)。排便後、食事前、調理前、生肉・魚を触った後には必ず手を洗いましょう。
Q. 食品を購入する際、O157感染予防のために気をつけることは何ですか?
A. 新鮮な食材を選び、消費期限を確認してください。生肉や魚は肉汁が漏れないようビニール袋で個別包装し、冷蔵・冷凍食品は買い物の最後に購入して早めに帰宅しましょう。帰宅後はすぐに冷蔵庫(10℃以下)や冷凍庫(-15℃以下)に入れることが重要です。
Q. O157を死滅させるには、食材をどのくらい加熱すればよいですか?
A. 食材の中心部を75℃で1分間以上加熱することで、O157を確実に死滅させることができます。特に牛肉や生レバーなどは十分な加熱が必要です。電子レンジを使う場合は、熱が均等に伝わるよう時々かき混ぜましょう。
Q. 調理時に「交差汚染」を防ぐにはどうすればよいですか?
A. 生肉や魚を切った包丁やまな板は、洗剤と流水でよく洗い、熱湯をかけて消毒してから他の食材を扱いましょう。理想的には、肉用、魚用、野菜用で包丁・まな板を使い分けることです。また、生肉の汁が他の食品にかからないよう注意してください。
Q. 調理後の食品は、どのように保存すればよいですか?
A. 温かい料理は65℃以上、冷たい料理は10℃以下で保存します。O157は室温で15~20分ごとに2倍に増殖するため、調理後は室温に長時間放置せず、すぐに食べるか適切な温度で保存してください。残った食品は浅い容器に小分けして、早めに冷蔵庫に入れましょう。
Q. 乳幼児や高齢者がO157に感染すると、なぜ重症化しやすいのですか?
A. 乳幼児は免疫機能が未発達で、高齢者は免疫力が低下し基礎疾患を持つことが多いため、重症化しやすいです。特にHUS(溶血性尿毒症症候群)という重篤な合併症を発症するリスクが高く、致死率は1~5%とされています。生レバーやユッケなど加熱不十分な食肉は絶対に与えないでください。
Q. O157に感染した疑いがある場合、どのように対応すればよいですか?
A. 血便、激しい腹痛、頻回の下痢(1日10回以上)、尿量の減少、意識がもうろうとするなどの症状が出たら、すぐに医療機関を受診してください。市販の下痢止め薬は使用せず、医師の指示に従いましょう。また、排便後は必ず石けんで手を洗い、タオルは家族と別にして、調理は控えて二次感染を防ぎましょう。













