「お好み焼きを食べてアレルギーになる」って本当?
ダニが混入したお好み焼きを食べて、アレルギーが発症することがあります。
ダニが混入したお好み焼き粉などで作った料理を食べて「じんましん」や「痒み」などのアレルギーが発症した事例は数多く報告されてます。そして、そのほとんどは摂取してから「1時間以内」に発症しています。
このように、アレルギーの原因になる物質「アレルゲン」が体内に入ってから、短時間で症状が現れるアレルギー反応を「即時型アレルギー」といいます。
お好み焼き粉やホットケーキミックスに代表される粉製品には、ダニの大好きなタンパク質などの「うまみ成分」が含まれています。キッチンの戸棚で、少しでも封の開いた状態でお好み焼き粉などを保存しておくと、体の小さいダニはいとも簡単に侵入して繁殖してしまいます。
ちなみに、加熱調理をしてダニが死んでも、アレルギー症状の発現を抑えることはできません。ダニの死骸は立派な「アレルゲン」です。
インフォメーションプラス
ダニはうまみ成分が大好き

ミックス粉と薄力粉におけるダニ培養実験(東京都福祉保険局HPより引用)
上のグラフは東京都福祉保健局のホームペーページに掲載されているグラフで「未開封のミックス粉と薄力粉にダニを添加して培養した」結果をあらわしています。
6週間後には薄力粉よりもミックス粉の方がダニの数が多く、活発に繁殖していることがわかります。どちらもダニの好むエサ場ですが「うまみ成分」のある方をダニは好むようです。
できるだけ早く食べよう
粉製品や、様々な食品が原因で発症するダニアレルギーの発症リスクを減少させる一番の方法は「開封したら食べ切ること」です。
食べ切れない場合は、なるべく早く消費することを心がけて冷蔵庫で保存します。「冷蔵庫で保存した粉製品からはダニが検出されなかった」という報告もあることから、冷蔵庫内の環境(温度など)ではダニは繁殖できなくなるようです。
冷蔵庫に保存できずキッチンの棚に収納する場合は、あらかじめ「ジップテープ」がついている袋の粉製品を購入してしっかり封をする、また密閉性の高い容器に移し替えるなど、ダニが侵入しないような工夫をしましょう。
キッチンはダニが大好きな場所
ダニは温度25℃~30℃、湿度60%以上になると繁殖が活発になります。
そして、ダニは人の垢や髪の毛などをはじめ「ホコリ」といわれるものは何でもエサにします。先ほど紹介した「うまみ成分」が入っている粉製品も大好物です。
このようなことから、ダニにとってキッチンは温度・湿度・エサとも好条件が揃っている格好の繁殖スポットとなります。
換気などで風通しを良くする、キッチン棚に開封された食材は置かないなど、普段からダニが住みにくい環境づくりを意識しましょう。
<参考文献>
東京都福祉保健局「開封後の粉製品は早めの消費を」
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/others/dani/index.html
内閣府 食品安全委員会
「冷蔵庫に入れれば大丈夫?〜食品の保存を理解する〜」
http://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20140904ik1&fileId=110