<ノロウイルス>嘔吐物で汚れた衣類などの洗濯方法
ノロウイルス感染者の嘔吐物が付着したものは、洗濯せずに捨てましょう。どうしても捨てられない衣服などは、二次感染を防ぐため洗濯前に消毒をします。
ノロウイルスは、インフルエンザなどとは違ってアルコールでは消毒できません。必ず成分に「次亜塩素酸ナトリウム」が含まれるもの(ハイターやブリーチなど)を使って消毒をしましょう。
準備するもの
- 成分に「次亜塩素酸ナトリウム」が含まれるハイターやブリーチ、ミルトンなど
- バケツ(または、桶)
- マスク
- 使い捨てビニール手袋
- 使い捨てエプロン
- キッチンペーパー
- レジ袋 複数枚
- 大きめのゴミ袋
手順
消毒用に、ハイターやブリーチ、ミルトンを水で希釈した「次亜塩素酸ナトリウム液」をバケツ(または、桶)に作ります(分量などの作り方は、下記の「ポイント1」を参照)。
最後に洗面台の消毒をする際にも「次亜塩素酸ナトリウム液」を使うので、衣類の消毒用とは別にお風呂で使う桶などの容器でもう一つ用意しておくと後が楽になります。
当然、嘔吐物にはウイルスが含まれています。二次感染を防ぐため、衣類についた嘔吐物を処理する人は、顔や衣類どへのはね返りを防止する「使い捨てビニール手袋」「使い捨てエプロン」「マスク」を着用します。

肘まで覆うものが望ましい

食事・介護向けのエプロンは100円ショップで販売されています
嘔吐物が飛び散らないように、衣類についた嘔吐物をキッチンペーパーで拭き取ります。拭き取ったキッチンペーパーは、その場でレジ袋に捨てます。また、拭き取った後は、その部分を手洗いします。

嘔吐物をレジ袋に入れながら、周りに飛び散らないように拭き取ります

洗面台を使う場合は、飛び散った場合に備えて、あらかじめ歯ブラシやコップなどの小物をすべてどかしておきます
レジ袋がキッチンペーパーでいっぱいになったら、汚れた手袋も一緒にレジ袋に入れ、再び新しい手袋を着用します。
レジ袋はしっかり口を結んで閉じ、乾いた嘔吐物が飛散して起こる二次感染を防ぎます。
二次感染を防ぐために、レジ袋の中に次亜塩素酸ナトリウム液をスプレーするやり方が紹介されることがありますが、危険ですのでやめましょう。
スプレーした時に霧状の液を吸い込んで、せき込んだり、呼吸器に異常をきたしたりする恐れがあります。
口を閉じたレジ袋は、大きなゴミ袋に入れます。このように2 重で袋に入れることで二次感染のリスクを減らします。

口を閉じたレジ袋は、大きなゴミ袋に入れていきます
「次亜塩素酸ナトリウム液」の入ったバケツに30分ほど浸け込みます。
時間がきたら衣類を取り出して、普段通り洗濯機で洗濯します。
先ほどと同様に、マスク、使い捨て手袋・エプロン、ぞうきんなどはレジ袋に入れて口を閉じてから、大きめのゴミ袋に入れて捨てましょう(2重袋で二次感染を防ぎます)。
ポイント
「次亜塩素酸ナトリウム液」の作り方は、「原液濃度」によって、水で薄める「希釈倍率」が異なります。
計量の際には、ペットボトルのキャップを使うと便利です(キャップ1杯で、およそ5ml)。また、「次亜塩素酸ナトリウム液」は、その日のうちに使い切りましょう。
似たものに「次亜塩素酸水」がありますが、これは異なるものなのでご注意ください。
ちなみに、※キッチン泡ハイターは薄めずにそのままスプレーします。
※参考資料
花王HP(2019年10月1日時点)
https://www.kao.com/jp/soudan/topics/topics_107.html
二次感染の防止を最優先するこのような消毒法では、繊維の色落ちリスクがあることを覚えておきましょう。
衣類の手洗いをした洗面台は、使い終わった後、全体をキレイに洗い流します。
衣類の消毒用とは別に用意した「次亜塩素酸ナトリウム液」をキッチンペーパーにつけ、洗い終わった後の洗面台を拭き上げて消毒します。
ただし残った水気で消毒液が薄まると、消毒が効かない恐れがあるので、洗面台の水気をキッチンペーパーなどで拭きとってから行いましょう。
※2018年12月3日初版
※2019年5月31日文書改訂
※2020年11月22日文書改訂