じゃがいもの芽の毒以外にも、食中毒を引き起こす部分がある
毒があるのは「じゃがいもの芽」と「その周辺」、「表面が緑色の部分」
じゃがいもは、多くの家庭で使われるポピュラーな食材です。我が家でも、煮物、炒め物、サラダ、お味噌汁などでよく使います。
そのため、キッチンの野菜庫には、常にじゃがいもがストックされているのですが、使う機会が少なくなって長期間保存していると、じゃがいもから芽が出ることがあります。
「じゃがいもの芽には毒があるので取り除かなければならない」、という話はよく耳にすると思います。
確かにその通りで、農林水産省のホームページでも、食中毒の危険性を訴えています。
しかし、じゃがいもの毒は芽だけではなく、その周辺と、表面が緑色の部分にも、食中毒につながる毒が存在します。
この毒は、「ソラニン」や「チャコニン」という天然毒素で、この毒素を多く含むじゃがいもを食べると、吐き気や下痢、おう吐、頭痛、めまいなどの食中毒症状を引き起こす恐れがあります。
じゃがいもを調理するときは、芽以外の毒を含んでいる部分もしっかり取り除きましょう。
意外と知らない?!毒を含む場所
じゃがいもの毒が、「じゃがいもの芽」、「その周辺」、「表面が緑色の部分」に含まれているということを、どれくらいの人が知っているのでしょう?
少し気になったので、1,272人を対象に「じゃがいもが毒を含んでいる部分は、どこだと思いますか?」という選択式のアンケートを行いました。
その結果、「じゃがいもの芽と、その周辺と、表面が緑色の部分」と、正しく答えられた人は「357人」で、全体の「28.1%」でした。
ちょっと、不安な結果ですね。
じゃがいもの調理で注意すること
じゃがいもは、正しい知識でおいしく食べましょう。
天然毒素のソラニンやチャコニンは茹でても減らないので、調理前にしっかり取り除かなければなりません。芽とその周辺はきちんと取り除き、緑色に変色した部分の皮は厚めにむきましょう。
特に、小さな子どもの場合は、少量でも食中毒を起こす危険があるので、十分な注意が必要です。
<おことわり>
正確には、じゃがいもの毒素が多く含まれている部分は、芽の周辺ではなく「根元」です。当コラムでは、毒が含まれる範囲を広めて十分な除去を促すことで、安全性を高めることを目的に「周辺」と表現しています。また、アンケートでも同様の目的から根元ではなく、芽の周辺として実施しました。
<調査内容>
【調査期間】
2016年7月22日~8月7日
【調査方法】
モニプラ「サニクリーンファンサイト会員」に対するインターネット調査
【有効回答数】
1,272人
<参考資料>
農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/naturaltoxin.html
東京都福祉保健局「食品衛生の窓 東京都の食品安全情報サイト」
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/index.html