新型コロナウイルスの家庭内対策「エアコンをつけながら換気する」は正しい?
新型コロナウイルスが猛威を振るい始めてから全国各地でクラスター(集団感染)が報告されていますが、ここに来て目立つのが「家庭内感染」の増加です。第6回東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料では、「同居する人からの感染」が増加し29.1%と最多で、会食(16.7%)や職場(16.0%)より多い割合となっています(8月4日から8月10日までの濃厚接触者に占める感染経路が判明している人の割合)。
今回は、新型コロナウイルスの家庭内対策において重要なポイントになる「換気の仕方」や「エアコンの使い方」について解説していきます。また、エアコンが原因で、新型コロナウイルス感染症と似たような症状を引き起こす「夏型過敏性肺炎」などについてもご説明していきます。
コロナの家庭内感染を防ぐには「マイクロ飛沫対策」が必須!
7月30日、新型コロナウイルス感染症対策について専門家から意見を聞く厚生労働省のアドバイザリー・ボードが開かれ、新たな感染経路として「マイクロ飛沫感染」について注意が呼びかけられました。
マイクロ飛沫感染とは、換気の悪い3密空間において空気中に漂う微粒子(マイクロ飛沫)を介した感染のこと。飛沫のなかでも、くしゃみや会話で飛散するつばなどの飛沫は1~2メートルですみやかに地面に落下しますが、数マイクロメーター以下の小さな飛沫はマイクロ飛沫(エアロゾル)となって広い範囲をしばらく漂います。
アドバイザリー・ボードでは換気の悪い密室でマイクロ飛沫感染が起きやすいことが指摘されています。新型コロナウイルスのマイクロ飛沫感染を防ぐには、適切な換気が欠かせません。
エアコンでは換気はできない!?
換気の重要性を認識していても、正しく換気できているご家庭は意外と少ないかもしれません。換気に関する誤解が多いのが、エアコンです。
「エアコンをつけていれば、常に換気されているから大丈夫でしょ?」という方が多くいますが、これは大きな誤りです。ほとんどのエアコンは室内の空気を吸い込んで、冷やして、その空気をそのまま室内に戻しているだけ。汚れた空気を室外に排出する換気機能はないのです。
つまり、マイクロ飛沫対策としてエアコンをつけることは意味がないどころか、感染リスクを高めてしまう可能性もあるわけです。
実際に、エアコンによってマイクロ飛沫が拡散し、それによって感染リスクが高まることが専門家から指摘されていますし、中国・広州のレストランでも3家族10人が空調の流れに沿って感染した例が報告されています。
エアコンフィルターを活用した空気環境の改善を
しかしそうは言っても、感染対策の為に真夏や真冬にエアコンを付けないで過ごすなどというのは現実的ではありません。そこでエアコンを利用する際に意識したいのが「エアコンフィルター」の存在です。
家庭用のエアコンであれば、前面のパネルを外すと薄いフィルターが2つほど装着されているのが分かると思います。室内の空気を吸い込む時に、このフィルターでエアコン内部にハウスダストや菌が入るのを防ぎ、結果的にエアコンから出てくる空気をキレイに保っています。
この効果を維持するために、定期的にエアコンフィルターについた汚れを掃除機などで吸い取ります。あわせてエアコン本体に貼り付けるタイプのフィルターを追加で設置すると良いでしょう。最近では抗ウイルス、抗カビなどの機能をうたう商品もあり、室内の空気環境改善という点では一考の余地があると言えます。
抗ウイルス・抗菌・抗カビを実現したエアコンフィルター
サニクリーンの機能性エアコンフィルター「フィルドゥ」には、細菌類を死滅させる性質を持つ銅イオンをフィルターに加工することで「抗ウイルス・抗菌・抗カビ」を実現しました。
抗ウイルス試験においては、インフルエンザウイルス(0.08–0.12 μm)への効果あり(抗ウイルス活性値4.1)と立証されました。
※新型コロナウイルスの大きさは0.050–0.2 μm程度と言われています。
室内のウイルスを不活化させることで、換気が十分に行えない場所や空気を循環させている場所でも、エアコン使用時の空気環境改善に寄与します。
抗ウイルス・抗菌・抗カビを実現した「フィルドゥ」のホームページこちら
コロナ対策は「換気しながらエアコン」が正解!?
エアコンをつけた3密空間では、エアコンの風に乗ってマイクロ飛沫が漂い続けるため、万が一室内に感染者がいる場合(いた場合)の感染リスクも高くなります。とはいえ、エアコンを使わずに猛暑を乗り切るのは困難です。では、夏場の新型コロナウイルス対策はどうするのが正解なのでしょうか?
それは、「窓を開けたままエアコンをつけること」です。夏場は熱中症を避けるためにもエアコンが必須であり、同時に新型コロナウイルス対策としての換気も欠かせません。「窓を開けて換気しながらエアコンをつける」が、withコロナ時代に必要な家庭での対策の一つです。
厚生労働省も「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントのなかで、以下のように記しています。
<熱中症予防行動のポイント>
熱中症予防のためにはエアコンの活用が有効です。ただし、一般的な家庭用エアコンは、空気 を循環させるだけで換気を行っていません。新型コロナウイルス対策のためには、冷房時でも窓開放や換気扇によって換気を行う必要があります。換気により室内温度が高くなりがちなので、エアコンの温度設定を下げるなどの調整をしましょう。
ということからも窓を開けているとどうしても冷房効率が下がるので、普段よりは低めの過ごしやすい設定温度を見つけましょう。
コロナ対策のために知っておきたい「正しい換気の仕方」
新型コロナウイルスの家庭内感染を防ぐには換気が必須。私たちは、普段行っている換気と同じように換気をすればいいのでしょうか。それとも何か特別な感染予防のための換気をしなければいけないのでしょうか。
実は厚生労働省も「定期的に換気をしましょう。窓を開けっぱなしにしましょう。」といったシンプルな推奨をするにとどまり、具体的な換気方法については触れていません。「これが正解、こういう換気をすれば感染を防げる」という完璧な換気方法が提言されていないのが現状です。ただ、次のポイントに注意しながら換気を行うと、効果が高まると言われています。ぜひ参考にしてみてください。
換気頻度はこまめに
2時間に5~10分ほどの換気を目安にするのがよいと言われています。一気に換気をするのではなく、数回に分けて行うと換気効果が高まります。
換気は複数個所で
換気する場所は1カ所ではなく、複数個所で換気をするようにします。換気をすることができないような密閉された部屋では、扇風機を部屋の外に向けて空気を送り出すようにして換気をします。
換気は対角線を意識
窓を開けて換気をする場合、1方向の窓を開けるのではなく2方向開けるようにします。そしてその2つの窓の配置は対角線上にあると効率よく換気することができます。皆さんが普段から使っているお風呂場の換気扇やキッチンの換気扇、それらでもちろん換気はできますが、1方向のみの換気のため、2方向の対角線換気よりは効率は落ちます。
空気の流れをつくって換気
対角線上に窓を開けた後、さらに換気効率を上げたい場合は、そこに空気の流れをつくるようにします。空気を入れる方(給気口)を狭くし、空気を外に出す方(排気口)を広くとることで空気の流れができやすくなり、短時間で換気することができます。
エアコン清掃は夏型過敏性肺炎などの病気予防につながる!
夏場のコロナ対策は「換気しながらエアコン」が正解だと申し上げましたが、エアコンが汚れているとコロナとは別の病気のリスクが生じるのをご存じでしょうか。
夏の間、冷房を使うと、どうしてもエアコンの内部には大量の湿気(水分)が発生してしまいます。さらにホコリや汚れがたまると、それらがカビの栄養源となってどんどんカビが増殖していきます。その結果どうなるのか・・・エアコンが空気中にカビをまき散らし、それが原因で、夏型過敏性肺炎や気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎といった病気になってしまうことがあるのです。
これらの病気の中でも夏型過敏性肺炎(通称:夏肺炎)は、コロナや風邪の症状ととてもよく似ていて間違われやすくやっかいです。特徴としては、その原因となる菌が体に入ってから数時間後にはもう咳や頭痛、発熱といった症状が出る点です。そう、発症が早いんです。また、5月~10月の発症が多く、専業主婦に発症が多いという特徴もあります。
風邪だと思って市販の風邪薬を飲み続けても治らず、「風邪が長引いている!市販の風邪薬は効かない!」と思っている方、いらっしゃいませんか?治療をしてもなかなか治らないなと思ったらまず、風邪ではなく夏型過敏性肺炎かも?と疑って みてください。そして原因となっているエアコンの清掃を行うようにして下さい。特に免疫力の高くない小さなお子さんや年配の方がいらっしゃるご家庭では、夏型過敏性肺炎などの病気予防のためにエアコン清掃は定期的に行うようにしましょう。
エアコンクリーニングとは?
エアコンクリーニングとは、エアコンの内外を掃除・清掃し、ニオイの原因となるカビやホコリ、汚れを取り除いたり、専用薬剤を使って、防カビ・防汚・防菌コーティングをしてくれるサービスです。
エアコン清掃となると、なかなか個人では手の行き届かないところがあったり、どの洗浄剤をどのくらい使ったらいいのか、どこからどこまで水洗浄ができるのか、水洗浄するとエアコンが壊れてしまわないか、と、エアコン一つ清掃するにしてもたくさんの悩みどころがありますよね。一台でさえ時間がかかってしまうのに数台ともなるとかなりの時間がかかってしまう・・・
さらにはエアコンにも壁掛け型や天井カセット型、天井吊り型、とタイプがあり、全部同じやり方でお掃除してしまっていいのか等、悩みはつきません。エアコン清掃を適切に効率よくやりたい、キレイな状態を長く保ちたいと思ったら、やはりプロのエアコンクリーニング業者に依頼してみることをおすすめします。
エアコン清掃のメリットと清掃のタイミング
エアコン清掃は病気を予防してくれるばかりではありません。冷房効果を高めたり電気代を節約できたりといったメリットもあります。
エアコン内にカビやホコリがたまると、風量、風速が弱くなって部屋が冷えにくくなったり、必要以上に電力を使ってしまうため電気代がかかります。最近エアコンをつけてちょっとニオイがするな、冷房の効きがよくないな、そんなにエアコンを使っていないのに電気代がかかっているなと思ったら、それは清掃のゴーサインです。
また、エアコンの見た目からでも清掃が必要かどうかを判断することができます。エアコンのルーバーやフラップ部分、吸込口、吹出口、中のフィルター部分などをちょっと確認してみてください。黒い斑点が見えたらそれはカビ!すぐに取り除きましょう。
お掃除プラス健康維持を目的としたエアコンクリーニングを
エアコンは、暑い夏を涼しく、寒い冬を温かく過ごすために私たちにとって欠かせないものですが、一方で、エアコンをつけるためにお部屋の窓を閉め切ってしまうと、新型コロナウイルスのマイクロ飛沫感染を招いてしまうかもしれません。
また、エアコン内部にカビやホコリがたまっていると、夏肺炎などの病気にかかってしまうおそれもあります。「withコロナ」と言われるこれからは、適切な換気と定期的なエアコンクリーニングで家族の健康管理を心がけていきましょう!
【関連リンク】
エアコンクリーニング
https://www.sanikleen.co.jp/promotion/AirconCleaning/
【参考】
(第6回)東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料|東京都防災ホームページ
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/saigai/1009676/1010714.html
COVID-19制御における「換気」 | 日本医師会 COVID-19有識者会議
https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/topic/1729
「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントをまとめました(新型コロナウイルス感染症)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_coronanettyuu.html
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解等(新型コロナウイルス感染症)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00093.html
新型コロナウイルスの感染対策に有用な室内環境に関連する研究事例の紹介(第一版)|一般社団法人室内環境学会(特許庁指定学術団体)
http://www.siej.org/sub/sarscov2v1.html
※2020年9月9日初版
※2020年12月23日改訂