天井の掃除「ホコリ、カビ、ヤニ、油汚れ」などの掃除方法
天井の汚れは場所によって異なるため、掃除方法を変えていかなければなりません。基本的に、天井の掃除には「フローリングワイパー」を使用し、踏み台に乗れば天井に手が届く場合は、直接掃除します。
また、汚れの種類によって、洗剤を使い分けることが大切です。
あまり掃除する機会のない天井にはさまざまな汚れが溜まっており、気づいたときには汚れが落ちにくい状態になっています。ですから半年に一度は掃除をしましょう。
そこで今回は、サニクリーンのおそうじマイスターが、天井の掃除方法や注意点などを解説します。
天井につく汚れの種類と原因
天井は、場所によって溜まる汚れが異なります。キレイにするためには、汚れの種類を把握して、性質に適した掃除をおこなうことが大切です。
ホコリ
ホコリが舞い上がると、静電気や湿気、天井についた油に付着します。また、壁紙の凹凸部分にホコリが引っ掛かってしまうこともあります。
黒い「すす(煤)」
屋外の車の排気ガスなどが家に侵入して天井に付着するとすすとして付着してしまいます。24時間換気の給気口・排気口の周りの黒い付着物はすす汚れの可能性が高いでしょう。
油汚れ
キッチンの天井に付着するのは、調理時の油煙が舞い上がったことによる油汚れです。
リビングダイニングにキッチンが繋がっている場合は、ダイニングの天井にも油汚れが付着します。ホコリと混ざり合うと「ベタベタ汚れ」になりやすく、なかなか汚れが落ちません。
カビ
カビは、栄養分になる「水分」と「ホコリ(栄養)」が溜まることで発生します。生えやすいのは、お風呂や脱衣所の天井です。
花粉
花粉は、外出時に洋服などに付着したり、換気で家に侵入したりしています。それが舞い上がることで天井に付着します。
土埃
靴底の土が玄関に持ち込まれ、舞い上がった土埃が天井に付着します。玄関の天井は土埃による汚れであることがほとんどです。
タバコの「ヤニ汚れ」
喫煙者が吐き出した煙に含まれる成分が原因で、天井が茶色く汚れます。
ヤニ汚れは悪臭の原因にもなるため、早めに落としましょう。
水シミ
換気が悪いと、結露で天井に水シミができます。雨漏りや害獣による水シミの場合は、施工業者に相談して修理しなければなりません。
天井の「ホコリ」の落とし方
天井のホコリには、いわゆる”ホコリ”だけでなく花粉や土埃なども含まれます。
特に、静電気が溜まりやすいテレビや24時間換気の給気口の近くは、ホコリや花粉が溜まりやすいので、しっかりと汚れを落とす必要があります。
玄関の天井には土埃がつきやすく、半年に1度は固く絞ったぞうきんで拭き取ってください
【用意する道具】
- フローリングワイパー
- 掃除シート
- マスク
【手順】
1. フローリングワイパーにシートを取りつける。
2. 天井のホコリを取る(天井の隅や壁との境目は念入りに掃除する)。
【天井に手が届く場合】
隅に溜まったホコリは、掃除シートで直接ホコリを拭き取りましょう。
【注意点】
ホコリが舞うかもしれないので、マスクを着用してください。
天井の黒い「すす(煤)」の落とし方
すすは酸性の汚れです。よってアルカリ性のセスキ炭酸ソーダが汚れ落としに効果があります。
【用意する道具】
- フローリングワイパー
- 掃除シート
- セスキ炭酸ソーダ
- ゴーグル(またはメガネ)
- マスク
【手順】
1. ボウルやスプレーでセスキ水をつくる(水500mlに対して小さじ1杯のセスキ炭酸ソーダを入れる)。
2. 掃除シートをセスキ水につけて絞る。
3. フローリングワイパーの先にシートをつけて天井のすすを拭き取る。
4. 最後に、乾いたシートで水分を拭き取る。
※セスキ炭酸ソーダがない場合は、水500mlに対して食器用洗剤を1〜2滴を薄めたもので代用できます。どちらもスプレーで洗剤液をつくり、シートにスプレーを吹きつけてもOKです。
【天井に手が届く場合】
セスキ水(または食器用洗剤を薄めた水)に浸した掃除シートで直接汚れを拭き取っていきます。
あるいは、水を絞ったスポンジに少量の食器用洗剤をつけてこすり洗いしてもよく落ちるでしょう。その場合は、床に水滴が落ちないよう、天井の下に新聞紙を敷いてください。
【注意点】
洗剤が目や口に入らないようにゴーグル(またはメガネ)とマスクを着用します。
スポンジを使う場合は、天井の壁紙を傷つけないように研磨部分ではなく柔らかいスポンジ部分で掃除してください。
天井の「油汚れ」の落とし方
油は酸性の汚れです。よってアルカリ性の洗剤であるセスキ炭酸ソーダを使って、油汚れを落とします。
セスキ水にシートを浸し、絞ったらフローリングワイパーに装着して、天井を拭き取ります。それから乾いたシートで拭き上げて終わりです。
天井に手が届く場合はフローリングワイパーを使わずに、直接シートで拭き取ります。水切りしたスポンジに食器用洗剤を少量つけ、こすり洗いしてもOKです。
セスキ炭酸ソーダは100円ショップでも気軽に購入できるものですが、ない場合は同じアルカリ性の「重曹」でも代用できます。
【重曹水のつくり方】
・ボウルやスプレーに、水200mlに対して小さじ2杯の重曹を入れる。
天井の「カビ汚れ」の落とし方
天井のカビは、湿気がこもりやすい浴室や洗面所に発生します。
カビには「次亜塩素酸ナトリウム」を含む塩素系漂白剤が効果的です。
代表的な漂白剤に、花王の衣料用「ハイター」と台所用の「キッチンハイター」がありますが、使用する際は、ハイター(または、キッチンハイター)を0.05%まで薄めた水で拭き取り落ってカビを落としていきます。
<注意>
このカビ落としの方法はメーカーが推奨・保証しているものではありませんでもありません。
【用意する道具】
- フローリングワイパー
- 掃除シート
- 花王の衣料用「ハイター」または台所用の「キッチンハイター」
- ゴーグル(またはメガネ)
- マスク
- ゴム手袋
【手順】
1. ボウルなどにハイターを0.05%まで薄めた水(水1Lに対してキャップ1/3の割合)を用意する。
※ただし、薄める水は購入からの日数で薄め方が異なるので注意してください。
ハイターの希釈の目安
0.05%に薄めるときの量 | |
生産時の濃度6%の場合 | 水1Lに約キャップ1/3杯(8.3ml) |
購入から3カ月以内 | 水1Lに約キャップ約0.4杯(10ml) |
購入から1年以内 | 水1Lに約キャップ約0.6杯(15ml) |
購入から3年以内 | 水1Lに約キャップ1杯(25ml) |
<参考文献>
【成分・働き】花王の塩素系漂白剤で、次亜塩素酸ナトリウム0.05%、0.1%の液は作れるの?|花王
2. ゴム手袋をし、掃除シートを薄めた水につけて固く絞る。
3. フローリングワイパーの先にシートを装着して、天井のカビを拭き取る。
※金属につくと錆びやすくなるため、金属類につかないように気をつけてください。
薄めた水は揮発しやすいため、二度拭きする必要はありません。
【天井に手が届く場合】
ゴム手袋をし、薄めた除菌水に浸した掃除シートで汚れを拭き取っていきます。
直接手で拭いたほうが、隅々まで行き届くため、カビがより落としやすいでしょう。
【注意点】
ハイターが目や口に入らないようにゴーグル(またはメガネ)やマスクを着用してください。
換気扇をつけたり、窓を開けたりして必ず換気しましょう。
天井の「タバコのヤニ汚れ」の落とし方
タバコのヤニは酸性の汚れですが、経年や材質などによって汚れ落ちが異なります。軽い汚れならアルカリ性の「セスキ水スプレー」で、ひどい汚れなら「アルカリ電解水」で掃除してみましょう。
セスキ水にシートを浸し、よく絞ります。シートをフローリングワイパーにつけ、天井を拭き取ります。最後に乾いたシートで拭き上げたら終わりです。
天井に手が届く場合は、直接シートで掃除したほうが汚れがよく取れます。
アルカリ電解水でヤニ汚れを落とす際の注意点
「アルカリ電解水」は、pH8.2の重曹やpH9.8のセスキ炭酸ソーダと比べると、pHが12を超える強アルカリ性です。酸性のひどい汚れをキレイにしやすく、ヤニ落としに向いています。
ただし、刺激が強いため、人体に大きな影響はありませんが、取り扱いには注意しなければなりません。目に入って粘膜を傷めたり、手荒れ(肌荒れ)が起きたりしないように十分なケアをおこなってください。
また、拭き取りが不十分だと天井の材質を傷める恐れがあります。
そのため、アルカリ電解水で天井のヤニ汚れ(または酸性汚れ)を落とす場合は、以下の点に注意しましょう。
- スプレーの霧が顔に掛かったり、天井に拭き残しがないように、天井の汚れに直接スプレーしない。掃除シートやぞうきんなどに直接スプレーしてから汚れを拭き取る。
- ゴム手袋とゴーグル(またはメガネ)、マスクを必ず着用する。
- 拭き残しがないよう、最後に成分をしっかり拭き取る。
天井掃除の注意点
天井掃除をする際には、以下の点に注意しましょう。
- ホコリが舞うため、窓を開けて掃除をしない。ただし、ハイターを使う場合は、しっかり換気をする。
- 掃除機で天井のホコリを吸い取ることは効果的だが、重い掃除機はケガのリスクがある。そのため、軽量な「フローリングワイパー」を使うのが望ましい。
- 「すす」や「油汚れ」は酸性の汚れなので、重曹やセスキ炭酸ソーダ以外に「アルカリ電解水」も使用できる。ただし、目や口などをしっかり保護し、拭き残しがないようにする。
天井の掃除頻度(回数)について
天井の掃除頻度は、季節の変わり目となる3カ月に1回、あるいは半年に1回が目安です。
ただし、花粉シーズンにはマメに掃除をして家の中の花粉量を減らしたほうが、アレルギー症状を軽減できます。
まとめ
天井の掃除方法は、汚れの種類によって異なります。
ホコリはフローリングワイパーで拭き取ります。すす・油・ヤニなどの酸性汚れは重曹水やセスキ水を使った掃除が効果的です。汚れがひどい場合は、アルカリ電解水を使いましょう。カビは次亜塩素酸ナトリウムが含まれた洗剤(ハイターなど)でお掃除します。
いずれもフローリングワイパーで掃除できますが、届くなら直接手で掃除したほうがキレイになります。
洗剤の取り扱いに注意しながら、正しい掃除方法で天井の清潔を保ちましょう。