中性洗剤とは?特徴や用途、落とせる汚れ・落とせない汚れをチェック!
中性洗剤とは、ご家庭で幅広く使える万能タイプの洗剤です。酸性・アルカリ性の洗剤に比べ刺激が少なく、手肌や素材にやさしいので、毎日のお掃除にフル活用できます。今回は、そんな中性洗剤の特徴や用途、落とせる汚れや落とせない汚れなどについて解説していきます。
中性洗剤とは?
中性洗剤とは、酸性・アルカリ性のどちらの性質にも偏らない中性の洗剤で、pH値が6~8の範囲にある洗剤のことを言います。中性洗剤の主成分は界面活性剤です。界面活性剤とは、親水性(水に馴染みやすい性質)と親油性(油に馴染みやすい性質)の両方を兼ね備えた物質で、界面活性剤のこの性質によって汚れを落とすのが中性洗剤の仕組みです。
中性洗剤は、酸性とアルカリ性の中間に位置しているため、両方の汚れを落とすことができます。酸性やアルカリ性の洗剤に比べると洗浄力は劣りますが、水洗いできるあらゆる素材に幅広く使えるのが特徴です。また、刺激が少なく、手肌や素材にやさしいのも中性洗剤のメリットです。
中性洗剤で落とせる汚れ・落とせない汚れ
中性洗剤は、以下のような汚れを落とすのに向いています。
・(軽い)手垢や皮脂などの汚れ
・フローリングやテーブル、イスなどの汚れ
・ドアノブや引き出し、スイッチなどの汚れ
・家具・家電の汚れ
・食器や調理器具の軽い油汚れ
・お風呂やトイレの軽い汚れ
一方で、以下のような汚れは中性洗剤では落としにくい汚れです。
・頑固な油汚れ(鍋やフライパンの焦げ付き汚れ、換気扇の油汚れなど)
・こびり付いた水垢や尿石
・頑固なタンパク質汚れ(血液や食べこぼし、カビなど)
中性洗剤は、付いたばかりの軽い皮脂汚れなどを効果的に落とすことができます。一方で、蓄積した頑固な汚れを落とすには、酸性洗剤やアルカリ性洗剤のほうが適しています。
【比較】中性洗剤と他の洗剤の違い
種類 | pH値 | お掃除できる場所・汚れ | 特徴 |
中性洗剤 | pH6~8 | リビング、キッチン、トイレ、お風呂、洗面台 | 軽い皮脂汚れなどを落とすのに向いているが、頑固な汚れには不向き。 |
弱酸性洗剤 | pH3~6 | お風呂 | 石鹸カスや水垢などを分解して落とす。 |
酸性洗剤 | pH3未満 | トイレ | 主にトイレ用洗剤として使われ、尿石、水垢などを落とす。 |
弱アルカリ性洗剤 | pH8~11 | キッチン周り、リビングなど | 軽度の油汚れやヤニなどの汚れを落とすのに向いている。 |
アルカリ性洗剤 | pH11超 | キッチン周り | 換気扇やガスコンロなど、頑固な油汚れを分解して落とすのに適している。 |
中性洗剤の種類・用途
中性洗剤は住宅のお掃除のほか、食器洗い用や洗濯用など、幅広い用途で使われています。中性洗剤の主な種類・用途は以下のとおりです。
住宅用中性洗剤
家中どこでも使える中性洗剤のほか、お風呂用やトイレ用など場所に特化した商品もあります。また、消臭効果や除菌効果を備えた商品もあります。
食器洗い用中性洗剤(台所用中性洗剤)
食器洗いのほか、除菌や除渋、くすみ落としなどの効果も期待できる中性洗剤です。油汚れに強く、手肌にやさしいのが特徴です。
衣類洗い用中性洗剤
酸性・アルカリ性の洗剤に比べると洗浄力は劣りますが、衣類をやさしく洗い上げ、色合いや風合いを保つことができます。デリケートな衣類の洗濯に向いています。
住宅用中性洗剤の使い方
住宅用中性洗剤は、ほとんどがスプレータイプで市販されています。汚れたところにスプレーして、雑巾やクロスで拭き取るだけでOKです。二度拭き不要の中性洗剤もありますが、そうでなければ、基本的に使った後は水拭きをするようにしましょう。
食器洗い用中性洗剤もお掃除に使える!
実は、食器洗い用洗剤も、フローリングの床掃除や家具・家電のお掃除、キッチンのお掃除などに使うことができます。通常は、濃度を薄くして使います。バケツや洗面器にぬるま湯を入れ、中性洗剤を数滴垂らしたうえ、雑巾やスポンジなどに含ませて拭き掃除をします。ただし、汚れがひどい場合は、濃度を高めて使ったり、原液を直接汚れにかけて使ったりすると効果的です。お掃除する場所や汚れに合わせて適切な方法を選びましょう。
住宅用中性洗剤の注意点
中性洗剤だからと言って、どんな素材にも問題なく使えるわけではありません。中性洗剤を長時間放置したままにしていると、素材によっては傷んでしまう可能性があります。中性洗剤を使った後は水拭きをして、洗剤が残留しないようにしましょう(二度拭き不要の商品もあります)。
また、木製の家具や革製品、壁紙など、水に弱い素材に中性洗剤を使うとシミや色落ちの原因になります。初めて使用する中性洗剤は、目立たない場所で試してから使用することをおすすめします。
中性洗剤は刺激が少ないのが特徴ですが、お肌への影響がまったくないわけではありません。お肌の弱い方は手荒れ・肌荒れを起こしてしまう可能性もあるため、特に長時間使う場合などはゴム手袋を着用すると安心です。
中性洗剤Q&A
Q:住宅用中性洗剤を選ぶときのポイントは?
住宅用中性洗剤は、家中どこでも使えることを謳った万能タイプの商品もありますが、用途に合った商品を選んだほうが効果的に汚れを落とすことができます。お風呂掃除であればお風呂用、トイレ掃除であればトイレ用の中性洗剤を選ぶことをおすすめします。
香りの有無も住宅用中性洗剤を選ぶ際のポイントの一つです。柑橘系の香りやフローラル系の香りが付いている中性洗剤もあれば、無香料の中性洗剤もあります。においに敏感な方は、香りが控えめの商品や無香料の商品を選ぶのが良いでしょう。
また、最近は、「二度拭き不要」の中性洗剤も増えています。一度拭くだけで、水拭きや乾拭きは不要なので、手間をかけたくない方は二度拭き不要の商品を探してみましょう。
Q:住宅用中性洗剤には除菌効果があるの?
一般的な住宅用中性洗剤は、除菌を目的にしたものではありません。除菌効果を期待する場合は、除菌成分が配合された商品を選ぶ必要があります。もしくは、住宅用中性洗剤でお掃除した後、アルコールスプレーや除菌シートなどを使って除菌するのが良いでしょう。
Q:食器洗い用中性洗剤で靴を洗えるって本当?
食器洗い用中性洗剤(台所用中性洗剤)で靴を洗うことは可能です。ただし、どんな靴でも洗えるわけではありません。スニーカーやキャンバス素材の靴、子どもの上履きなどであれば、食器洗い用中性洗剤で洗えますが、革やスエードを使っている靴を洗うのは控えましょう。中性洗剤は刺激が少なく、汎用性に優れた洗剤ですが、デリケートな素材にはダメージを与えてしまう可能性があります。
食器洗い用中性洗剤で靴を洗うときは、ぬるま湯に洗剤を数滴溶かし、30分~1時間ほど靴を浸しておきます。その後、ブラシを使ってこすり洗いをしましょう。最後に水でよくすすいで、風通しの良い場所で陰干しをします。
まとめ
幅広い汚れに対応した中性洗剤は、お掃除に欠かせない存在です。酸性・アルカリ性の洗剤に比べ手肌にやさしいので、デイリーのお掃除にはぴったりです。テーブルやフローリング、ドアノブやスイッチ、家具や家電などに付いた手垢などの汚れは中性洗剤でササッと落としてしまいましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。中性洗剤を使うときは、商品に記載された使用方法に従い、使用上の注意を守って正しく使いましょう。