冷蔵庫・冷凍室の霜取りの正しい方法とは?注意点や予防策も
「自動霜取り機能」が付いていない冷蔵庫をお使いの方は、定期的に霜取りをする必要があります。霜が薄い場合は、タオルなどで拭き取ることができますが、霜が分厚い場合は、冷蔵庫の運転を止めて霜を溶かす必要があります。
庫内に分厚い霜が付いてしまうと冷却能力が低下し、食品の鮮度が損なわれたり、電気代が高くなったりする可能性があるため、できるだけ早めに霜取りをすることが重要です。今回は、冷蔵庫・冷凍室の霜取りの正しい方法や、霜が付きにくいようにする対策などについて解説していきたいと思います。
冷蔵庫・冷凍室の霜取りをしないとどうなる?

冷凍庫の中の写真
冷蔵庫・冷凍室に霜が付いたままにしていると、冷却能力が低下していきます。冷却能力が低下すると、食品の鮮度を保ちにくくなったり、電気代がかさんだりするようになります。また、霜が分厚くなると、収納スペースが圧迫されて食品を入れにくくなるほか、ドアの開閉に支障が出ることもあります。最悪の場合、故障の原因になるため、できるだけ霜が少ないうちに霜取りをするようにしましょう。
なお、以下のとおり、冷蔵庫は「冷却方式」の違いによって霜取りが必要な製品と不要な製品があります。まずは、ご自宅の冷蔵庫の冷却方式を確認してみましょう。
直冷式
「直冷式」の冷蔵庫には、自動霜取り機能が付いていません。何もしないでいるとどんどん霜が付いていくため、定期的な霜取りが必要です。
間冷式(ファン式)
「間冷式(ファン式)」の冷蔵庫は通常、自動霜取り機能が付いています。自動で霜取りがおこなわれるので、基本的に自分で霜取りをする必要はありません。ただし、ドアパッキンなどに不具合があると霜が付くことがあり、その場合は、霜取りが必要になります。
冷蔵庫・冷凍室の霜取りのやり方・手順
霜が薄い場合と霜が分厚い場合に分けて、冷蔵庫・冷凍室の霜取りの方法をご説明します。
霜が薄い場合
霜が薄い場合は、タオルなどで拭き取って霜を取ります。
① タオルなどの布を40℃くらいのぬるま湯で濡らし、軽く絞る。
※ 強く絞ると、1回で拭き取れない場合があります。
② 霜が付いた箇所を「①」の布で拭き取る。
③ 霜が全部取れるまで、「①」「②」の手順を繰り返す。

雑巾を絞っている写真
霜が分厚い場合
霜が分厚い場合は、霜を溶かすことで霜を取り除きます。
① 食品を、保冷剤を入れた保冷バッグなどに移し、庫内を空にする。
③ ドアを開けっぱなしにして、自然と霜が溶けるまで待つ。
④ 霜が溶けたら、タオルなどで溜まった水を拭き取る。
⑤ 冷蔵庫の電源を入れる(製品によっては、温度調節つまみや運転モードを元に戻す)。
⑥ 冷蔵庫・冷凍室が冷えたら、食品を庫内に戻す。

冷蔵庫に食材を戻す写真
冷蔵庫・冷凍室の霜取りの注意点
冷蔵庫・冷凍室の霜取りをする際は、以下の3点を守るようにしましょう。
周囲が濡れないようにする
霜が溶けるのを待っている間に、溶けた水があふれ出して、冷蔵庫の周囲が汚れてしまう可能性があります。冷蔵庫の周りにタオルや雑巾を敷いて、床が濡れないようにしましょう。
鋭利な金属を使って霜取りをしない
霜が溶けてやわらかくなってきたら、ヘラなどを使って霜を剥がしても構いません。ですが、キリやナイフ、アイスピックやドライバー、金属製のヘラなどを使うのはNGです。こうした鋭利な金属を使うと、冷蔵庫の破損や故障の原因になりかねません。道具を使って霜を剥がしたい場合は、付属のヘラなどプラスチック製のヘラを使うようにしましょう。
ドライヤーを使って霜取りをしない
霜が分厚い場合、全部溶けるまでには時間がかかりますが、「早く溶かそう」とドライヤーなどの熱器具を使うのはNGです。熱によって冷蔵庫が変形・故障する原因になりかねません。
冷蔵庫・冷凍室に霜が付かないようにする予防策

冷蔵庫に食材を保存する写真
冷蔵庫・冷凍室に霜が付く原因は、空気中の水分です。庫内の空気に含まれている水分や、食品から蒸発した水分が冷やされると小さな氷となり、それらが付着して霜になるのです。霜の付着を防ぐための対策としては、以下のような方法が効果的です。
できるだけドアの開閉を少なくする
頻繁に冷蔵庫・冷凍室のドアを開閉したり、長時間ドアを開けたままにしていたりすると、多くの外気が庫内に入り込むため、霜が付きやすくなります。霜の付着を防ぐためには、できるだけドアを開ける頻度を減らすとともに、ドアを開ける時間を短くするようにすることが大切です。
ドアに物が挟まっていないか確認する
冷蔵庫・冷凍室のドアに食品の袋や物が挟まっていたり、半ドアになっていたりすると、隙間から庫内に外気が入り込んで霜が付きやすくなります。また、ビニールなどの薄い物は、挟まっていてもドアアラームが鳴らないことがあります。冷蔵庫の中身が多いご家庭ほど、物が挟まったり半ドアになったりしやすいので、まずは、食品を入れすぎないことを心がけましょう。また、ドアを閉めるときは、物が挟まっていないかどうか確認するクセを付けましょう。
熱い食品をそのまま冷蔵庫・冷凍室に入れない
熱い食品をそのまま冷蔵庫・冷凍室に入れると、庫内の温度が急激に上昇し、霜が付きやすくなります。調理したばかりの熱い食品は、常温まで冷ましてからしまうようにしましょう。

食材が入っているタッパーを持っている写真
ドアパッキンの状態を確認する
冷蔵庫・冷凍室のドアパッキンに不具合があるために、霜が付きやすくなっているケースもあります。「最近、霜が増えている」と感じたら、ドアパッキンが以下のような状態になっていないか確認してみましょう。
ドアパッキンが汚れている場合
ドアパッキンに汚れが付いている場合は、固く絞った布などで拭き取ってください。
ドアパッキンが外れかかっている場合
ドアパッキンが外れかかっている場合は、指を使って溝に押し込んでください。

ドアパッキンを押し込んでいる写真
ドアパッキンにゆがみや劣化がある場合
ドアパッキンがゆがんだり劣化したりしていると、隙間から外気が入り込むことがあります。隙間の有無は、名刺程度の大きさの紙を冷蔵庫本体とドアパッキンの間に挟み込むことでチェックできます。ドアの上下左右すべての面に紙を挟み込み、抜け落ちないことを確認してください。
紙が抜け落ちる場合は、ドアパッキンがゆがんだり劣化したりしている可能性があります。その場合は、ぬるま湯を含ませたやわらかい布で変形した部分を温めると、元に戻ることがあります。温めた後は乾拭きをしてしっかりと水分を取り、様子を見てください。
ドアパッキンが破損している場合
ドアパッキンが破損していると、隙間から外気が入り込んで霜が付きやすくなるほか、冷蔵庫本体の故障の原因にもなります。お買い上げの販売店やメーカーのカスタマーサポートに相談して、修理・交換を依頼しましょう。
冷蔵庫・冷凍室の霜取りQ&A
Q:どのくらい霜が付いたら霜取りをするべき?
5mmくらい霜が付いたら霜取りをおこなうのが良いでしょう。
Q:霜取りを早く終わらせるコツは?
早く霜を溶かしたい場合は、暑い時期、あるいは日中の温かい時間に霜取りをおこなうなど、季節や時間を工夫するのが良いでしょう。冬場でなかなか霜が溶けない場合は、暖房を強めにして室温を高くするのも効果的です。
Q:霜取りをするとき、霜に熱湯をかけてもいい?
霜取りの際、溜まった霜に熱湯をかけると、急激な温度変化によって冷蔵庫の変形・故障を招く可能性があるほか、火傷をしてしまうおそれもあります。霜に熱湯をかけるのはお控えください。
まとめ
冷蔵庫・冷凍室の霜取りはそれほど難しい作業ではありませんが、霜が分厚くなるほど、時間がかかります。できるだけ霜が薄いうちに、こまめに霜取りをすることをおすすめします。また、なるべく霜が付かないように、日頃からドアの開閉を減らすなど、今回お伝えした予防策をぜひ意識してみましょう。