カビに注意!震災に備えて浴槽に残り湯を溜めておく注意点
多くの防災マニュアルですすめられている対策
東京都は、、首都直下地震が発生した際の東京都内の断水率は平均で26.4%、上水道の復旧がおおむね完了するのは平均約17日後という試算を出しています。
電気、ガス、水道、どれも生活する上で欠かせないライフラインですが、なかでも水は飲んだり、調理をするばかりではなく、トイレの生活用排水としても利用されます。

上水道の復旧がおおむね完了するのは平均約17日後
そこで、多くの防災マニュアルでは、震災に備えて普段からお風呂の残り湯を浴槽に溜めておくことがすすめられています。
東日本大震災を経験した私の友人も「浴槽に残り湯があった方がいろいろ使える」といっていましたが、非常時のお風呂の残り湯は、何かと便利なようです。
しかし、普段から浴槽に残り湯を溜めて置く場合は、浴室にカビが生えないようにケアすることも大切です。
浴槽には必ずフタをする
浴槽に残り湯を溜めておくと、浴室の湿度が高くなってカビが生えやすくなってしまいます。
そこで、残り湯が温かくても冷たくても、浴槽には必ずフタをしておきましょう。
このようにフタをすることで、湿度の上昇を抑えて、カビが生えにくい環境を作り出します。
また、換気扇をマメに回したり、窓を開けて換気することも心がけましょう。

普段からフタをする習慣をつけましょう
お掃除でカビのエサを取り除く
多くの場合、お風呂の残り湯を捨てるタイミングは、入浴時に新しいお湯を浴槽にはるときだと思います。
当たり前ですが、このタイミングで浴槽のお掃除をするようにしましょう。これは、カビ対策というよりは、衛生対策という意味合いが強いです。
また、このタイミングで、浴室の床や壁をお掃除することもおすすめします。
浴室のカビは、湿気に加えて「人の垢」をもエサにして繁殖していきます。
浴槽のフタで湿気対策はしていますが、ここはエサも排除して、さらにカビの生えにくい環境を作り出したいところですね。
毎回、残り湯を捨てるタイミングでお掃除をするのは大変なので、1週間に1回を目安にお掃除をしてみましょう。
ちなみに、浴槽のタイプにもよりますが、湿気対策をしていても「エプロン」といわれる浴槽のフタを開けると、内側がカビで汚れていることがあります。
カビは体に害を与えます。もし、エプロンを開けて下の写真のようになっていたら、プロに依頼してキレイにしてもらいましょう。
キレイにしてもらった後は、普段の換気時間を延ばして、浴槽の内側の水分を乾かすように心がけましょう。

カビだらけの浴槽内部。立てかけているのはエプロンの内側
<震災の備えに覚えておこう.1>
残り湯を使うときに気をつけること
その.1「残り湯は雑菌だらけ」
皮脂や垢などが混ざっている残り湯には、雑菌が繁殖しています。そのため、「飲用」「食用」の利用を避け、トレイの排水などに利用しましょう。
また、顔を洗ったり、うがいをするのにもむいていないのでご注意ください。
飲用として利用する場合は、微細なバクテリアを除去する「災害用浄水器」でキレイにしてから利用しましょう。
その2.「トイレに流せない場合もある」

排水管の損傷による水漏れに注意
地震により排水管が損傷して、上層階で使った水が階下の部屋に漏れ出す場合があります。
大きな地震の後に、残り湯でトイレを流す場合は、マンションなどの集合住宅では注意が必要です。
また、このようなトラブルは、一戸建てでは起こらないと思われがちですが、2階や3階のトイレの水を流す場合は、マンションと同様に注意が必要です。
<震災の備えに覚えておこう.2>
寝室の対策も忘れずに
その1.「家具を置かない」
昔から、「適度な睡眠時間は8時間」といわれているくらい、私たちは一日の多くの時間を寝室で過ごしています。
また、就寝中は無防備なので、地震発生時の対応も遅れてしまいます。
そこで、倒れてきた家具の下敷きにならないよう、できる限り寝室には家具を置かないようにしましょう。
寝室に、家具を置かざるを得ない場合は、タンスや棚、テレビなどが倒れないようにしっかり固定したり、家具で出入り口をふさがれないようにするため、ドアの近くに大きな家具を置かないようにしましょう。
その2.「落下するようなモノは置かない」
また、写真盾や花瓶などの小物は、タンスの上などの落下しやすい場所には置かないようにしましょう。
落下物が当たってケガをしたり、ガラスが割れて破片が飛び散り、足を切る危険があります。
同じ理由で、落下しやすい吊り下げタイプの照明から、天井に直接取り付けるタイプに変えるのもおすすめです。
※2025年3月3日 本文改訂
<参考資料>
令和4年 15月「首都直下等による東京の被害想定報告書」東京都防災会議