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コラム
2018.01.18
雪国の道路を守る地下水
雪を水で溶かす
雪国といわれる地域の一部では「消雪パイプ」という、除雪や融雪などを目的とした装置が路面に設置されている。道路の真ん中もしくは道路の端に等間隔に設置された消雪パイプは、地下から汲み上げた地下水を路面上に出し、道路に積もった雪を溶かす。
消雪パイプによる融雪効果は高く、この有無によって積雪時の道路事情は大きく変わる。しかし雪国のすべてに消雪パイプが設置されているわけではない。これは北海道や山間部といった、より気温が低くなる地域においては、消雪のための水が凍るために消雪パイプが機能しなかったり、また地下水を使いすぎることで地盤沈下が生じたりといった問題があるからだ。
消雪パイプ発祥地の工夫
消雪パイプ発祥の地とされているのが新潟県長岡市だ。長岡市では地下水を使いすぎない消雪パイプを開発し、地盤沈下の防止につなげている。この新しい消雪パイプにより、これまでの半分の量の地下水で融雪効果を発揮できるようになった。
ただ、それでも地盤沈下の防止のためには必要以上に地下水を使わないことが大切なので、降雪がないときは消雪パイプを止めること、そして消雪パイプと雪かき(除雪作業)を組み合わせながら雪を消していくことが求められる。
地下水での融雪がヒントに
地下水を利用して雪を消す消雪パイプだが、その誕生のきっかけになったのも実は「地下水」なのだ。「地下水が湧き出ているところでは雪が溶けている」。この現象からヒントを得て、昭和36年、新潟県長岡市坂之上町の道路の一部に全国初の消雪パイプが設置された。
雪があまり降らない地域に住んでいる人にはおそらく馴染みがないであろう消雪パイプだが、雪国の一部では、地下水を利用した「消雪パイプ」が冬に大活躍しているのだ。