オーストラリアの子どもは勉強よりもお手伝いの方が大切（前編）
日本に住む外国人に、日本の家事のビックリや不思議、母国とのギャップなどを話してもらうこの企画。記念すべき第1回目は、オーストラリア・ブリスベン出身の吉田エリンさんです。
オーストラリアからやってきた太陽のように明るく暖かい女性
日本からの直行便でおよそ9時間。観光地としても移住地としても人気が高いオーストラリア第3の都市ブリスベン。
クイーンズランド州の南東部に位置する人口およそ230万人の州都で、１年を通して温暖で過ごしやすく、近代的な街並み（シティ）と歴史的な建造物、そして山や川などの緑あふれる自然が同居するこの都市は、「サンシャイン・キャピタル（太陽の都市）」と呼ばれている。
オーストラリア第3の都市ブリスベン
その太陽の都市から日本にやってきた、まさに太陽のように明るく暖かい女性こそ、今回の主役 吉田エリンさんだ。
「古い文化とテクノロジーに溢れる日本はすごく魅力的で、ぜひ行ってみたかった」と話すエリンさんの初来日は16歳、夏休みを利用した3カ月の短期留学だった。
その後、数回の来日を果たし、すっかり日本好きになった彼女は23歳から本格的に日本に住みはじめる。来日後、英語教師として働きはじめた彼女は、運命の男性ユースケさんと出会い結婚。そして、もともと子どもが大好きな彼女は、英語教師から幼稚園の先生へと転身し、現在では公私ともども充実した毎日を過ごしている。
日本はケミカル（化学洗剤）をたくさん使っている
日本に住んで4年。さっそくオーストラリアと日本の家事の違いを聞いてみた。すると、彼女は日本の方がオーストラリアにくらべてケミカル（化学洗剤）を使って掃除をする人が多いという。
「当然、オーストラリアもケミカルを使っている人はいますが、日本ほどではないと思います。自然よりもビルや商業施設などの都市部が大きい東京とは違い、ブリスベンは都市部より圧倒的に自然の方が多い。人によって違うと思うんですが、もしかしたら、自然を守るためにケミカルを使わない人が多いのかもしれません」。
ブリスベンは圧倒的に自然が多い
そもそもエリンさん自身が、環境にやさしい行動を心がけるエコロジストということもあるのだが、それでも日本のお掃除ではケミカルが多く使われていると感じている。
ムダな包装はいらない
「買い物をしていてびっくりするのが、ビニールなどの包装の多さです。例えば、スーパーでパックに入っているお豆腐を買う人は、お店からもらった大きなビニール袋にいれる前に、わざわざ小さなビニール袋にもいれる。そもそもお豆腐はパックにはいっているので、ビニールはいらない。持って帰って捨てるのに、どうしてあんなにビニールが必要なのでしょうか？」
日本の過剰包装は、外国人からみるとちょっと異様でムダに映るようだ。たしかに、最近ではエコバックを持参する人も増えたが、エコバッグを持参してビニール袋を使わない人はまだまだ多くはない。
当然エリンさんも愛用のエコバックを持って買い物に出かける。さらに包装に関してはこんな問題もあるという。
最近では、エコバッグを持つ人も増えたが…
「例えばナス。1本欲しいだけなのに、日本のスーパーでは数本まとめてビニール袋にいれられている。1本でいいのに、使わない分も買わなければならない。そんな買い方をしていたら、お家でうっかり腐らせてしまうことだってあります。腐らせないように使えばいいのですが、そもそも必要のないものを買わなければ、こんな問題はおきません。外国でよく見られる“量り売り”のように、使う分だけ買うことができればよいと思います。ただ東京は人が多いから、量り売りをしていたら重さのチェックだけでレジが大行列になってしまうかもしれませんね（笑）」
海外では秤売りはポピュラー
じゃがいもや、にんじんなどが1個から買える売り場も増えてきたが、それでもまとめて袋にいれられているケースも多い。「使わないものは買わない」はエコの基本。量り売り文化で育ったエリンさんだからこそ気づく大きな問題だ。
