家事のネタ帳

オーストラリアの子どもは勉強よりもお手伝いの方が大切(後編)

オーストラリアの子どもは勉強よりもお手伝いの方が大切(後編)

前編に引き続き、オーストラリア・ブリスベン出身の吉田エリンさんに日本の家事や、母国とのギャップについてお話を伺いました。

家事は親から教わるもの

親から料理を学ぶ子ども

「日本の子どもは勉強やクラブの時間に忙しいですが、オーストラリアでは、子どもに家のお手伝いをさせる方が大切だと考えています。私も12歳になると、掃除機をかけたり、お風呂をお掃除したり、洗濯をしたり、家のお手伝いをたくさんしました。オーストラリアでは家事は親からしっかり学ぶことになります」。

親子ドライブ

運転も親から学ぶもの

「ちなみに自動車の運転も親から学びます。カリキュラムにしたがって100時間ぐらい親といっしょに自動車に乗ってトレーニングし、親からスタンプをもらって、正式にテストを受けにいきます。日本と違って免許をとるのに高いお金を払う必要はありません。来日して、日本のドライビングスクールの授業料を聞いたとき、ものすごく高くてびっくりしました」

う~ん…、いわれてみれば、最近の日本の子どもはあまり家のお手伝いをしなくなった気がする。オーストラリアと日本、どっちがどうとかは置いといて、エリンさんのご両親のやさしい人柄が感じられるインタビューだった。

日本は “立ったり” “かがんだり” がいっぱい

ぞうきんをかけるエリンさん

「日本と違ってオーストラリアでは、床に座って生活する文化はほとんどありません。座るときはイスやソファなので、家のなかで “立ったり” “かがんだり” が少ないのです。お掃除も同じです。オーストラリアも日本と同じで、家の床はフローリングやタイルが多く、掃除機でゴミをとってから、床が汚れているときは水モップをかけます。ぞうきんは使わないので、かがむことはありません」。

「またオーストラリアの浴室は、普通のお部屋にバスタブがある感じなので、ほかの部屋と同じく床のお掃除は掃除機と水モップでします。かがんで床をスポンジで洗うような日本のスタイルはありません」。

風呂掃除

とにかく、かがむ機会が少ない

「なので、家のなかで立ったり、かがんだりをくり返すのはとても苦手なんです。ちなみに多くの日本人は、オーストラリア人やアメリカ人は、家のなかでずっと靴を履いていると思っているようですが、実際は脱いでいるときの方が多いです。たしかに家のなかへは靴ではいりますが、カーペットの上やソファ、ベッドでは靴を脱いでいます。もちろん汚れていたり濡れていたりしたら靴は脱ぎます。日本とそれほど変わりませんよ」

日本のママは大変

家事シェアする夫妻

「オーストラリアでは、週の半分の家事は妻、あとの半分は夫のように、家事をしっかりシェアしています。日本でもシェアをしている方はいますが、オーストラリアにくらべるとすごく少ないと感じています。とくに共働きはしっかりシェアすべきです。仕事で疲れて家に帰る。そして子どもにご飯をつくって、お風呂にいれて…、わたしの周りには家事に疲れているお母さんが多いように感じます。もし私たちに子どもができたら、お掃除でもお料理でもできる方でいいので、ユースケには必ず家事を半分やってもらいます(笑)」。

日本と同じく、オーストラリアにも休職中に最低賃金が支払われる産休制度はある。しかし誰に気兼ねなく、自然と制度を使う環境(または文化)はオーストラリアの方が整っている。エリンさんに日本のママが大変に映る、ひとつの原因なのだろう。

日本のリサイクルはすばらしい

ゴミの分別

「日本はゴミのリサイクルシステムがすばらしい。日本のようなしっかりしたシステムは、オーストラリアにありません。たしかにゴミを出するときはしっかり分別をしなければなりませんが、ほかの国でもやった方がいいと思います。でも、日本に住みだしたころは、分別に戸惑うこともありました。いまの家に住む前に、2,3回引越しをしているのですが、分別は住んでいる場所によってルールが違うから、けっこう戸惑うこともありました。曜日によって出すゴミも違うし、ご近所の人から怒られたこともありました」。

ゴミ置き場

はじめはゴミ出しルールにけっこう戸惑ったという…

持ち回りでごみ置き場をきれいにするなど、近所のみんなで仕事をシェアすることもすばらしいというエリンさん。たしかによいことだけど、特に仕事をしている人にとっては難しいシステムではないかとも思っている。

太陽のように暖かい家庭

ご主人のユースケさんとエリンさん

「東京はとても住みやすい。それに便利でおもしろい。いつかはオーストラリアに帰ろうと思っています。だってここには、わたしの大好きなナチュラルチーズがあまり売っていないから(笑)。日本が大好き、働くのが大好き、幼稚園の子どもたちが大好き、しばらくは日本で生活していきます」

実は心配性だというエリンさん。そのエリンさんをやさしくサポートする、あっけらかんとした性格のユースケさん。太陽の都市に帰るのはもう少し先のようだが、ふたりの家庭はいつでも太陽のように暖かい。

 

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この記事の監修者

ともこ

ともこ

2児のママ。おっとりした性格で家事の失敗多数あり!どちらかというと家事は苦手だけどどうせやるなら楽しくがモットー!

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