インフルエンザの家庭内感染を防止するドアノブ消毒法
ドアノブに付着するウイルス
インフルエンザの感染者が、くしゃみや咳で口を覆った手や、鼻水をかんだ手には、ウイルスが含まれた唾液や鼻水が付くので、手洗いや消毒をしないままでドアノブに触ると、唾液などと一緒にウイルスが付着します。
そして、他の家族がこのドアノブに触ると、その手にもウイルスが付着するので、口や鼻を手で触った際にウイルスが粘膜から侵入して感染する「接触感染」を引き起こすことがあります。
したがって、家族がインフルエンザにかかった際には、ドアノブや照明スイッチなどの「みんなが触る共用部」はマメに消毒し、家庭内での感染拡大を防ぐ必要があります。
ただし、ドアノブなどに消毒液を直接スプレーすると、付着しているウイルスが空気中に飛散する恐れがあるので、乾いたタオルやペーパータオルに消毒液を含ませてから、まんべんなく拭き上げます。
また、共用部の消毒にあわせて、インフルエンザにかかった人自身が、ドアノブなどを触る前に手や指を消毒することも、接触感染のリスクを減らすことになります。
ドアには、ドアノブ以外にも消毒する部分がある
リビングやトイレなどのドア。無意識に、ドアノブ以外の部分を触って開け閉めをしている方はたくさんいらっしゃいます。
例えば上の写真。このような箇所を触ってドアを閉めていませんか?
そこで、ドアノブを消毒する際には、ドアノブ以外にもよく触っている部分を消毒して、さらに感染リスクを減らします。
家族が、どの箇所を触って開閉しているのかを観察してから、よく触る箇所を消毒したり、普段から手あかで黒ずんでいる部分があれば、しっかり消毒をしましょう。
インフルエンザは「アルコール」や「塩化ベンザルコニウム」で消毒
インフルエンザの消毒には「次亜塩素酸ナトリウム」が有効ですが、濃度が高いと素材を傷つける恐れがあります。
また、酸性洗剤と混ざると有毒ガスが発生するなど、取り扱いに注意が必要です。
安全性を考慮すると「消毒用アルコール」や「塩化ベンザルコニウム」が含まれる家庭用洗剤などで代用するのが良いでしょう。
※塩化ベンザルコニウムは新型コロナウイルスの消毒にも効果があると認められました。
インフォメーションプラス
温度管理で空気感染を防ぐ
インフルエンザ家庭内感染を防ぐには、上で紹介したドアノブなどの消毒による接触感染への対策と合わせて、湿度管理による空気感染の対策も大切です。
インフルエンザが流行する冬は、エアコンで部屋が乾燥するため、喉の粘膜の防御機能が低下してインフルエンザにかかりやすくなります。
加湿器や加湿機能の付いた空気清浄機などを使って、室内の湿度を50~60%に保ちましょう。
※2019年2月22日初版
※2020年11月23日文書改訂
<参考文献>
動物薬教育センター「家庭用洗剤を使って新型コロナウイルスを消毒する」
https://cvdd.rakuno.ac.jp/archives/3742.html
室温・湿度管理でインフル予防 20 度以上、50~60%が理想
https://style.nikkei.com/article/DGXKZO93955790T11C15A1W13001/