オキシクリーンって何がすごい?成分やカビへの効果、色落ちのリスクなど
オキシクリーンは、漂白だけでなく消臭、除菌もできる「酸素系漂白剤」で、衣類や食器、タイルなどの汚れに効果を発揮します。塩素系漂白剤と違い、ツンとした刺激臭がなく、色落ちしにくいのが特徴です。ただし、カビの色素を破壊するほどの力はないため、カビ汚れを落とすにはカビ取り用洗剤が必要になります。今回は、オキシクリーンの成分と汚れを落とすメカニズム、用途や使い方などについて解説していきたいと思います。
オキシクリーンとは?

オキシクリーンの写真
オキシクリーンは、粉末タイプの酸素系漂白剤です。もともとはアメリカ発の商品ですが、1999年に日本に上陸し、現在は株式会社グラフィコがオキシクリーンを販売しています。ドラッグストアやスーパー、通販などで手に入ります。
当時、日本で主流だったのは塩素系漂白剤でした。しかし、色落ちしやすいことや、ツンとしたニオイが気になることなど、消費者の不満が少なくありませんでした。こうした課題を解決したのがオキシクリーンです。
オキシクリーンは、汚れを落とすだけでなく、漂白、消臭、除菌ができます(※)。衣類、食器、タイルなどの水洗いできる素材に使用でき、家中の様々な汚れやニオイを落とすことができます。ツンとした刺激臭もなく、色落ちしにくいのが特徴です。
※汚れの程度、種類によって効果は異なります。
※除菌は、布製品を1時間以上漬けおきした場合(すべての菌を除菌するわけではありません)。

雑巾を絞っている写真
「オキシクリーン」と言えば、粉末タイプを指すのが一般的ですが、その他にも、液体タイプの「オキシクリーン パワーリキッド」や、洗浄成分をプラスした粉末タイプの「オキシクリーンEX」など、様々なラインナップがあります。
オキシクリーンの成分と汚れを落とすメカニズム
オキシクリーン(粉末タイプ)の成分は、「過炭酸ナトリウム(酸素系)」と「アルカリ剤(炭酸ナトリウム)」です。過炭酸ナトリウムはお湯と反応して、酸素の泡を発生させます。この泡が、汚れを浮かせて落としやすくします。
なお、オキシクリーンEXは、オキシクリーンに洗浄成分(界面活性剤)をプラスした商品です。界面活性剤は、水と油を混ぜ合わせる「つなぎ目」のような役割をする成分で、油となじみやすい部分(親油基)と水となじみやすい部分(親水基)を持っています。汚れ(油分)に親油基が吸着し、汚れを取り囲みながら水の中へ分散させるのが界面活性剤の効果です。皮脂汚れや黄ばみなど、ガンコな汚れにはオキシクリーンEXがおすすめです。

洗濯物の写真
オキシクリーンの用途(使えるものと使えないもの)
オキシクリーンは、泥汚れや汗ジミ、食べこぼしなどが付いた衣類の漂白はもちろん、食器の茶渋やお風呂場、玄関ポーチなど、家中の汚れに使うことができ、除菌もできる優れものです。オキシクリーンが使える汚れは以下のとおりです。
オキシクリーンが使えるもの
衣類の汚れ |
エリの黄ばみ/食べこぼし/衣類の汗・皮脂/血液汚れ/上履きの汚れ/ベビー用品/泥汚れ |
家の汚れ |
洗濯槽/お風呂・洗面所/キッチン/食器/暮らしの汚れ/玄関周りの汚れ/ペット用品/タオルのニオイ/壁・床/ゴミ箱/フィルター |
一方で、以下のようなものにはオキシクリーンが使えないため、注意が必要です。
ウール/ウール混紡/シルク/シルク混紡などの水洗いできない繊維製品 |
革、畳、大理石 |
ドライクリーニングのみと表示された衣類 |
宝石類/サビ/金属全般(※)/金属製の付属品/ラテックス塗料
※金属に溶液が付いた場合は、すぐに水で洗い流してください。 |
ジュート/チーク材/仕上げ木材 など |
オキシクリーンの使い方 3選

計量スプーンに入った洗剤の写真
オキシクリーンの基本的な使い方は、「お湯に溶いて汚れたものを漬ける」というシンプルなものですが、どのような汚れを落とすかによって使い方が変わってきます。一般的な「オキシ漬け」のほか、「オキシかけ」「オキシ拭き」の方法をご紹介します。
オキシ漬け
衣類に付いた汗・皮脂や泥、上履きなどのガンコな汚れやニオイを落としたいときは、「オキシ漬け」がおすすめです。
今回はYシャツで試してみました。
準備するもの
オキシクリーン/桶/お湯(40~60℃)/混ぜる棒(金属製でないもの)/ゴム手袋
基本の分量
お湯4Lに対して、キャップ1杯のオキシクリーン
※汚れや水の量に応じて、オキシクリーンの量を調節してください。

キャップに入れたオキシクリーンの写真
手順
ゴム手袋を着けて作業してください。

ゴム手袋の写真
お湯に溶かす
40~60℃のお湯を張った桶にオキシクリーンを入れ、棒で混ぜて溶かします。

たらいの中をかき混ぜている写真
②漬けおく
20分くらいを目安に、汚れたものを漬けおきします(最大6時間まで)。

オキシクリーンに漬け置きしている写真
③洗濯をする
流水ですすいだあと、軽く絞って通常どおり洗濯をします。洗濯ができないものは流水でよくすすぎます。

流水ですすいでいる写真
オキシかけ
食べこぼしや血液汚れなどを落としたいときは、「オキシかけ」がおすすめです。
今回は男性物のセーターで試してみました。
準備するもの
オキシクリーン/容器(溶液をつくる用)/お湯(40~60℃)/タオル/混ぜる棒(金属製でないもの)/ゴム手袋
基本の分量
お湯500mlに対して、キャップ3/4杯のオキシクリーン
※汚れや水の量に応じて、オキシクリーンの量を調節してください。

キャップに入れたオキシクリーンの写真
手順
ゴム手袋を着けて作業してください。
①溶液をつくる
40~60℃のお湯を入れた容器にオキシクリーンを入れ、棒で混ぜて溶かします。

オキシクリーンを溶かしている写真
②汚れやシミにかける
溶液を直接汚れやシミにかけて、5分ほどおきます。

セーターにオキシクリーンをかけている写真
③よく拭き取り、水拭きをする
乾いたタオルで叩くように溶液や汚れを吸い取ったあと、水拭きをします。
※血液汚れの場合は、あらかじめ水で汚れを洗いましょう。血液が固まって落ちなくなるのを防ぐため、水かぬるま湯を使用してください。

乾いたタオルで溶液を吸い取っている写真

食べこぼしのシミが取れました
オキシ拭き
キッチンや玄関周り、壁や床、ベビー用品などの皮脂汚れや黒ずみが気になるときは、「オキシ拭き」がおすすめです。
今回はキッチン周りの壁で試してみました。
準備するもの
オキシクリーン/バケツ(溶液をつくる用)/お湯(40~60℃)/布・クロス・ぞうきん/混ぜる棒(金属製でないもの)/ゴム手袋
基本の分量
お湯4Lに対して、キャップ1杯のオキシクリーン
※汚れや水の量に応じて、オキシクリーンの量を調節してください。

キャップに入れたオキシクリーンの写真
手順
ゴム手袋を着けて作業してください。
①溶液をつくる
40~60℃のお湯を張ったバケツにオキシクリーンを入れ、棒で混ぜて溶かします。

オキシクリーンを溶かしている写真
②溶液を染み込ませる
布・クロス・ぞうきんに溶液を染み込ませ、軽く絞ります。

雑巾を絞っている写真
③汚れを拭き取る
布・クロス・ぞうきんで汚れを拭き取ったあと、仕上げに水拭きをします。

壁を拭いている写真

油や調味料がはねた跡がなくなりました
オキシクリーンでカビを落とせるの?

カビが生えているタイルの目地の写真
インターネットで調べると、オキシクリーンでカビを退治できるという情報を目にすることがありますが、オキシクリーンにはカビの色素を破壊するほどの力はありません。表面的なカビや黒ずみは落ちる可能性がありますが、カビを落とすことを目的とした商品ではありません。カビ汚れを落としたい場合は、カビ取り用洗剤のご使用をおすすめします。
特に、浴室のゴムパッキンやタイル目地に発生した頑固なカビを除去したいときは、以下のようなジェルタイプのカビ取り剤が便利です。
関連リンク
オキシクリーンは色落ちしないの?
オキシクリーンは色落ちしにくいため、色柄物の漂白にも使うことができます。ただし、必ず洗濯表示(衣類の取扱表示)を確認し、目立たない場所で色落ちしないか試してからお使いください。
まとめ
オキシクリーンがあれば、子どもの食べこぼしや黄ばんだ白シャツを見て、落ち込む必要はありません。オキシクリーンに漬けおきするだけでガンコな汚れもスッキリ。しかも、色落ちしにくいため、色柄物の漂白にも使えます。また、衣類の汚れだけでなく、キッチンやお風呂、ベランダや玄関、リビングの床や壁など、家中の至るところで使えるのがオキシクリーンの良いところです。ぜひ、気になる汚れのお掃除にオキシクリーンをお試しください。
※ご使用の際は必ず、商品に記載の注意事項をよく読んでからお使いください。
※参考:オキシ漬けで人気!酸素系漂白剤【オキシクリーン(OxiClean)】公式サイト