家と外を行き来する猫がいる家のダニの数をかぞえてみた
築15年、3LDKのマンションにお住まいのNさんファミリー。Nさん夫婦と娘さんの3人暮らしです。
「うちの猫は、普段から家の中と外を自由に行き来しているので、家の中にどれぐらいのダニがいるのか気になります」という奥さん。
さらに、続けて「特に、娘はふとんに猫をあげるので、娘のふとんにどれぐらいいるのかが気になります」とのことでした。ちなみに、娘さんは日中働いていて、平日はふとんを敷きっぱなしだそうです。
そこで、今回の実験では、娘さんの「ふとん(の裏)」にダニ取りシートを仕掛けて、ダニを捕獲してかぞえてみることにしました。
また、家の中で犬も飼っていることから「犬のゲージ(の下)」 にも1枚、そして「和室の畳(の隅)」 と「キッチンの床(の隅)」にも1枚ずつ、合計4枚を3ヶ月間仕掛けました。
ちなみに、今回の実験でも、強力にダニを集めて捕獲する「ダニコレクター」というダニ取りシートを使いました。
ダニコレクターは、捕獲したダニを「アレルバスター(抗アレルゲン加工剤)」で抑制するので、アレルギー疾患の人へもおすすのダニ取りシートです。
なんと、7種類のダニを検出
検出された室内性のダニの種類は「7種類」で、その数は「987匹」、ほぼ1,000匹ですね。
そして、やはりふとんのダニが一番多く、犬のゲージよりも多い全体の6割以上(617匹)を占めました。
また、家の中で最も多いといわれる「チリダニ科」よりも、「ホコリダニ科」の方がふとんにたくさんいることがわかりました。
ふとんのダニは、猫が外から運んできている
「ホコリダニ科」は、家の中でも見られる屋内性のダニですが、それ以上に農作物や植物に危害を与える屋外性のダニとしてよく知られています。
ふとんにホコリダニ科が多いのは、屋外でホコリダニ科が生息している植物に触れた猫にダニがとり付き、家に持ちこんだことがおもな原因と考えられます。
また、ふとんは、ダニのエサとなるホコリや髪の毛が豊富にあったり、温度や湿度が残る場所なので、ダニが好む生息環境といわれています。
したがって、外から持ち込まれただけではなく、このふとんで繁殖したダニも多く含まれていると想像されます。
外にペットを出す際には、このようなダニのリスクも考えた方がよさそうですね。
ダニを吸い込んで起きるアレルギー
くしゃみや鼻水などが代表的な症状のダニによるアレルギー。
これらのアレルギーは、生きているダニというよりも、空気中に舞っているダニの「死がい」や「フン」、そして「脱皮した皮」を吸い込むことで発症するケースが多いようです。
死んだダニやフンは乾燥します。その上を人が踏んだり、掃除機を強くかけたりすと粉々になって、人の動きや空調などの流れに乗って部屋中に舞い上がります。
これにより、ダニを吸い込むリスクが一気に増すのです。
殺すよりも、出て行ってもらう方がよい
ダニを家から完全に追いやることはできません。また、外からの侵入を阻むこともできません。
でも、ダニが少ない家の方がいいに決まってますよね。
そこで、ダニを殺すよりも、家から出て行ってもらう方法を使って、ダニを減らすことをおススメします。
なぜなら、ダニを殺した後にしっかり死がいを取り除かないと、アレルギー対策の効果が薄れてしまうからです。
例えば、何らかの方法でふとんのダニを殺したとしましょう。
でも、ふとんの内部(綿など)も含めて「死がい」をしっかり取り除かないと、そのうち死がいは乾燥して粉々になり、ダニアレルギーのリスクを高めてしまうことになります。
このような場所から死がいを取り除くのは結構大変なことなので、ダニ取りシートを使ってダニを捕獲し、ふとんから出ていってもらった方が手軽ですよね。
要するに、家のダニを減らせばよいので、押入れやふとんなどのダニが好む場所にダニ取りシートを仕掛けて、ダニの数を減らしていきましょう。
クローゼットは開けっ放しに
ダニは湿気を好むので、普段からクローゼットや押入れの扉を開けっ放しにして風通しをよくしておきましょう。ただし、お客さまが来るときは、扉を閉めておきましょうね。
「ダニ対策」といっても、どれも簡単なことばかりです。みなさんもぜひお試しください。
<関連情報>
赤ちゃんが寝ているふとんのダニの数をかぞえてみた
<協力企業・団体>
株式会社ボーデン
http://www.bAdeD.cA.jp/
ホームサービス株式会社 生物研究所
※調査期間 2017年7月~9月
※2019年3月9日本文改訂