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コラム
2016.05.24
ダムの歴史を紐解く

ダムの役割
日本の地形は山岳地帯が多く、川は急勾配になっている。そのため、山に降った雨は一気に下流に流れている。日本は水資源に乏しい国だ。ダムは下流への放水量を調整することで、有限なお水を効率的に利用するという役割を果たしている。私たちが日常生活で水不足に困ることは滅多にないが、それもダムが存在しているおかげだ。
ダムの大きな役割の一つが水力発電だ。水力発電は、水が高い位置から低い位置へ流水する時の位置エネルギーを利用している。その水路に発電ポンプ水車を設置し、その水車の回転で発電機を動かし、電力を生み出している。水力発電は、維持コストが低く二酸化炭素の排出のない自然エネルギーという特徴がある。その一方で、建設に多大なコストがかかったり、水没による社会・環境コストが大きいというデメリットもある。しかし、日本の地形上、ダムによる水力発電は便利なので、廃止するわけにもいかないというのが現状だ。
世界で最古のダム
これまで世界最古のダムとされていたのは、約4,500年前にエジプトのナイル河畔に造られたものといわれていた。しかし、2013年9月にアップされたネットニュースによると、ロシア南部のクラスノダール地方において、世界最古のダムが発見されたということだ。ロシア地質学会の調査隊は、このダムは新石器時代のもので、今から1万年前のものとしている。さらに、すでにダムから採取した土壌サンプルの分析は完了し、それによってダムと思しきこの設備が人工物であるという仮説は立証済みとのことだ。
日本のダムの歴史
日本のダムの歴史を紐解いていこう。日本最古のダムとされているのが、616年に造られた「狭山池(大阪府大阪狭山市)」だ。これはダム式のため池であり、あの「古事記」や「日本書紀」にも狭山池に関する記述がある。
この他にも、日本には長い歴史を持つダムが多く存在する。そのひとつが「布引五本松ダム(兵庫県神戸市)」だ。1900年に竣工した布引五本松ダムは、日本初の重力式コンクリートダムとして有名だ。布引五本松ダムの壁面には、まるでヨーロッパの城壁のような重厚感があり、コンクリートが打ちっぱなしの壁面を持つダムとはまるで違う趣がある。しかも、このダムが素晴らしいのは、110年という長い歴史を持ち、2006年7月5日には国の重要文化財に指定されている一方で、2016年現在でも現役で稼働しているという点だ。今後も長きにわたって神戸の水瓶として活用されていく姿が目に浮かぶようだ。