エアコン清掃「プロの仕事を徹底紹介」(エアコン清掃の注文方法.3)
前回までは、エアコン清掃を「電話で注文するときのポイント」と「当日、家に来てもらって、清掃するまでの間に確認すること」の2つを、私の体験をもとにご紹介しました。
【以前の記事はこちらから】
エアコン清掃の注文方法.1「電話で注文するポイント」
エアコン清掃の注文方法.2「家に来て、清掃前にプロが確認すること」
さて、今回は肝心かなめの「どれぐらいキレイになるの?」と「どうやってキレイにしているの?」を、徹底的にご紹介します。
まずは、普通のエアコンからお掃除
今回、清掃をお願いしたエアコンは、寝室にある「普通のエアコン」と、リビングにある「お掃除機能つきエアコン」の2台です。
そこで、まずは寝室のエアコンからお掃除スタートです。
ちなみに、寝室のエアコンの下には、普段から何も置いていないので、家具などを移動して、清掃スペースを確保することもありません。
はじめに、カーテンを外します。
自分で、事前に外しておけば、清掃時間も短縮されるんでしょうね。
ちなみに、カーテンは外すときと、外さないときがあるようです。清掃中の水などでカーテンが汚れないと判断した場合は、レールについたままでカーテンを遠くの方に寄せるそうです。
そして、実際にエアコンが動くかを確認します。
万が一、清掃後に動かなくなった場合、清掃前に動作確認をしておかないと、そもそも動かなかったのか、清掃で壊れたのかが分からなくなり、お客様にご迷惑をかけてしまうとのことでした。
次に、「養生(ようじょう)」という作業です。養生は、万が一、清掃中の水で床が汚れたり、家電が壊れたりすることを防ぐために、大きめのビニールシートでしっかり覆う作業です。
「ようじょう」。この言葉、私ははじめて聞いた気がします。皆さんご存知でした?
先ほどの床や家具と同じように、壁もビニールでしっかり養生します。
エアコンのカバーや「ルーバー」といわれる風向きを変えるハネを外していきます。
これが、カバーとルーバーを外したエアコン。解体されたお魚みたいな感じですね。
ちなみに、右側に電気の配線などが集まる「基盤」があるのがわかります。
ここに清掃中の水が入るとアウトなので、この後、この部分はタオルとビニールで厳重に覆われました。
よく見るとエアコンの内部が、ポツポツと黒くなっていることが分かりますか?これがカビです。
さて、いよいよ、このカビとホコリを落としていきます。
周りが濡れないように、エアコン全体にカバーをして、水や洗剤を使って汚れを落としていきます。
けっこうな水圧です。
ここまでしないと、エアコン内部の奥の方にまで生えたカビは、落ちないそうです。
このお掃除、素人には「ムリ」だと実感しました。
エアコンを覆っているビニールの下から、ビニール製の「ホース」が伸びています。ビニールの中にたまった水は、ホースを通ってバケツに溜まっていきます。
うっかり写真を撮るのを忘れていしまいましたが、バケツには「墨汁」のように真っ黒な水が溜まっていました。
それが、カビなどの汚れだそうです。
皆さんも、プロにエアコン清掃をお願いすることがあったら、バケツの中を見せてもらいましょう。
「こんなエアコンの空気を吸っていたのか…」と怖くなりますよ。
さて、次にベランダでエアコンのカバー、ルーバー、フィルターを洗います。
私は、マンション住まいですが、ベランダにシンク(水道)があったので、ベランダでのお掃除をお願いしました。
マンションの場合は、たいてい浴室でカバーなどを洗うようですが、私はちょっと抵抗があったので、ベランダにしてもらいました。
ちにみに、一戸建ての場合は、ほとんど屋外で洗うようです。

基盤が濡れないように、タオルやビニールでカバーしてあります
さて、ベランダから、再び寝室に戻りました。
水や洗剤で、カビやホコリをキレイに落とした後は、しっかり水気を拭き取ります。
ただ、拭き取っただけでは、水を十分に取ることはできません。この後、カバーなどをつけてエアコンを元に戻したら、しばらく「送風」運転をして乾燥させます。
この作業をしっかりしないで水分を残すと、カビが生える原因になってしまうのでしっかり乾かします。
これで、寝室のエアコン清掃は終了。それでは、仕上がりを見てみましょう。

お掃除前
お掃除の前に、吹出口からエアコンの内部を覗いた写真です。黒いブツブツは全部カビでしたね。
それが…、

お掃除後
この通り、カビはスッキリ落ちました。

清掃前
風向きを変える「ルーバー」も、お掃除する前は、ご覧の通りカビだらけでした。
それが…、

清掃後
カビがすっかりなくなり、真っ白なエアコンになりました。
目詰まりを起こしていたホコリだらけのフィルターは…、
こんなにキレイになりました。
ちなみに、ホコリでフィルターが目詰まりしていると、部屋の空気を吸い込む際に余計な負荷がかかり、電力を必要以上に使ってしまうそうです。
これにより、電気代が上がってしまうので、「せめて、フィルターだけでも2週間に1回ぐらい、掃除機でホコリを取るといいですよ」と、アドバイスをしてもらいました。
ここまで30~40分ほど。予想以上に早く終わりました。
お掃除機能つきエアコンの清掃

本棚を移動してもらいました。机は移動しなくも大丈夫でした
はじめに、家具の移動です。
寝室と違って、リビングの「お掃除機能つきエアコン」の下には、上の写真のような本棚があります。
電話で問い合わせたときに、「お掃除する作業スペースが欲しいので、エアコンの下に家具などがある場合は、事前にどかしておいてください」といわれました。
しかし、「運ぶのが難しい場合は、お手数ですが、タンスや本棚などの中身を出しておいてくだされば移動します」と、ありがたいお言葉をいただいたので、本棚からモノだけ移動しておきました。
スタッフさんのお話によると、大人ひとりでも移動が可能な家具は、中身を出しておけば移動してもらえるとのことでした。
そして、養生です。
我が家は、リビングに学習机を置いているので、机、壁、床をしっかりと養生してもらいました。
次に、寝室のエアコンと同じく、正常に動くかどうかを確認した後、外側のカバーなどを外します。
カバーを外してみると、明らかに通常のエアコンとは構造が違うことが分かります。
何でも、横向きの黄色いバーの後ろにある「プレフィルター」がぐるぐる回り、ブラシがフィルターのホコリを取っていくのだそうですが…使ったことがあるんだろうか。
ちなみに、プレフィルターは真っ黒です。
プレフィルターを外すと、さらに奥にもフィルターがありました。
ここには、写真でご覧の通り、気持ち悪いぐらいのホコリが溜まっていました。
「清掃した後は、ちゃんと元に戻せるのだろうか?」と思うぐらい、分解を進めていくと、かなりメカメカしくなっていきます。
普通のエアコンと同じく、しっかり基盤をガードします。
しかし、ここもホコリがすごいですね。ちなみに、ホコリが溜まっている黒い網の部分は「熱交換器」という部分らしく、ここで空気を冷たくして、吹き出しているそうです。
また、この後のビフォー、アフターでもお見せしますが、ここも寝室のエアコンと同じぐらい、奥の方にはビッシリとカビが生えていました。
奥の方まで、しっかり汚れを落としていきます。
これらは、カバーなど、エアコンから取り外したパーツ類です。あきらかに、寝室のエアコンよりはパーツが多いですね。
これも寝室のエアコンと同様、ベランダでピカピカにしていきます。
さて、これで清掃作業は終了です。それでは、仕上がりを見ていきましょう。

清掃前
エアコン内部に溜まったホコリは…、

清掃後
この通り、すっかりなくなりました。
また、左のプレフィルターに注目!
お掃除の前は真っ黒に汚れていたプレフィルターが、すっかりキレイになりました。
我が家のように、LDKタイプのリビングにあるエアコンは、調理時の煙をたくさん吸うので、放っておくとこんなにも汚れてしまうそうです。
ちなみに、右側のプレフィルターの下にあるフィルターは、水洗いができないものらしく、しっかりホコリを取ってから拭き取ってもらいました。茶色なのは、そのせいだと思います。

清掃前
これも寝室のエアコンと同じぐらいひどいカビでしたが…、

清掃後
ピカピカになりました。
さて、ここまで1時間。
寝室のエアコンとあわせても2時間ぐらいで終わりました。
ちなみに、お掃除機能つきエアコンは、通常のエアコンより料金が高く設定されています。
「お掃除機能つき(または、お掃除ロボットともいう)のエアコンは、内部のパーツが多くて複雑な上に配線も多い。エアコンを分解して徹底的にキレイにするプロのエアコンクリーニングでは、普通のエアコン以上に、取り外しや取り付けに技術と時間を要する」。
というのが、理由なのだそうです。
この理由、実際に見ると納得します。
そして、エアコン清掃が一通り終わると、冷房を使った後に残る内部の結露が、エアコンにカビが生える大きな原因だということを教えてもらいました。
夏場、エアコンを使った後には、「送風」運転をしばらくして、乾かすといいそうです。
ということで、プロのエアコン清掃についてご紹介する私の体験談はここまでです。
最後に、我が家のエアコン清掃をしてくださったスタッフさん「本当にありがとうございました!」
お仕事中なのに、私のわがままで、話しかけたり、写真を撮ったり。本当に大変だったと思います。重ね重ね、ありがとうございました。
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