【簡単】キッチン壁の油汚れが落ちないときの原因と掃除・予防方法
キッチンの壁にこびりついた頑固な油汚れは、時間とともに酸化・固着し、簡単には落とせなくなります。こうした汚れには、油汚れ落としや重曹などのアルカリ性の洗剤を使い、汚れに洗剤成分をしみ込ませる「湿布(しっぷ)法」で掃除をすると効果的です。
このコラムでは、プロの視点から「なぜ落ちにくいのか」を明らかにし、家庭でできる具体的な掃除法と予防法、さらに必要に応じたハウスクリーニングの活用メリットまでを詳しく紹介します。
キッチンの壁に油汚れがつく理由・落ちなくなる理由
キッチンの壁にこびりついた油汚れが落ちない主な原因は、調理中に飛び散った油が時間の経過とともに固まるためです。
特に、壁が凹凸のある表面や吸水性の高い素材である場合、汚れが内部にまで入り込み、一般的な洗剤や水拭きだけで落とすのは難しくなります。ここでは、掃除の方法を紹介する前に、キッチンの壁が油で汚れる主な原因を紹介します。
料理中の油はねが壁に付着するから
キッチンの壁に付着する油汚れの主な原因は、調理中に発生する「油はね」です。
特に、揚げ物や炒め物など高温調理では、油が飛び散り、肉眼では見えない微細な油の粒子が広範囲にわたって壁面に付着します。
さらに、調味料や食材の飛び散りも加わりより一層汚れてしまいます。
油が酸化・凝固するから
油汚れは「酸化」と「凝固」によって落としにくい頑固な汚れになってしまいます。
調理時に飛び散った油は、空気中の酸素と反応して徐々に酸化し、ベタつきから固まりへと性質を変えていきます。この変化により、時間が経過するほどに通常の水拭きや中性洗剤では落ちにくくなってしまいます。
また、温度や湿度の変化によって壁面に付着した油分がさらに劣化し、壁面の材質と一体化することで「黒ずみ」や「黄ばみ」の原因にもなってしまいます。
換気不足で油煙が滞留するから
換気扇やレンジフードの吸引力が低下している、または未使用のまま調理を行うと、油煙がキッチン内に滞留し、壁面や周辺設備の油汚れの原因になります。
調理時には必ず換気を行い、吸引力が不十分な場合はフィルターや内部の清掃を行うなど、換気設備の状態をキレイに保つことが重要です。
こびりついたキッチンの壁の油汚れを落とす方法(掃除のコツ)
キッチンの壁にこびりついた頑固な油汚れは、ただ洗剤をかけて拭くだけでは落ちません。効果的に除去するにはいくつかのポイントがあります。以下では、家庭でできる具体的な掃除のコツを紹介します。
キッチンの壁の掃除手順①「キッチンペーパーで余分な油(汚れ)を拭き取る」
いきなり洗剤を使うのではなく、まずはキッチンペーパーまたは古布などで壁面についた汚れを拭き取っておきましょう。
キッチンの壁の掃除手順②「油汚れ落とし洗剤(アルカリ性の洗剤)を吹きつける」
壁などの垂直部分に油汚れ落とし洗剤(アルカリ性の洗剤)を吹きつけると、垂れて洗剤の効果が発揮できない場合があります。
そのようなときは「湿布(しっぷ)法」で油汚れを落としましょう。
<必要な道具>
・キッチンぺーパー
・油汚れ落とし洗剤(アルカリ性の洗剤)
・雑巾
<手順>
(1)洗剤を汚れに吹きつけます。
(2)吹きつけた上に、キッチンペーパーを被せます。
(3)さらにキッチンペーパーの上からも洗剤を吹きつけます。
(4)そのまま20分~30分ほどおきます。
(5)キッチンペーパーをはがし、きれいに水拭きします。
このように湿布をしておけば、洗剤の成分がしっかりと汚れに密着し効果が高まります。

ガンコに固まっていた油汚れもしっかり落ちました!
キッチンの壁の掃除手順③「スポンジで汚れをこすり、乾拭きをする」
キッチンペーパーをはがしたら、雑巾で丁寧に水拭きしていきます。
また、汚れが落ち切っていない場合は、スポンジでこすり洗いをします。
最後に、洗剤成分や水分をしっかり拭き取る「乾拭き」を行い終了です。水分が残っていると汚れの再付着や壁材の劣化の原因につながるため、しっかりと乾拭きをしましょう。
キッチンの壁の油を「重曹」で落とす
ナチュラルクリーニングで注目されている「重曹」は、油汚れを落とす効果があります。
重曹はアルカリ性で、反対の液性である酸性の油汚れを落としやすくする効果が期待できます。
ただ、重曹は通常では「粉状」で販売されているため、壁など垂直な箇所の掃除には不向きです。そこで、重曹をペースト状にして垂れにくいよう工夫をしましょう。
重曹を容器に入れてぬるま湯と混ぜ、ペースト状にします。
これを油汚れ部分に塗布し、さらに湿布法を併用することで、洗浄効果をより一層高めることができます。
10〜15分ほど放置してから、雑巾で拭き取り、汚れがひどい場合はスポンジでこすり洗いをします。
その後の手順は、油汚れ落とし洗剤のときと同じです。
セスキ炭酸ソーダでも油汚れを落とすことができる
セスキ炭酸ソーダも重曹と同じアルカリ性の粉末です。水に溶かすと「セスキ水」となり、酸性の油汚れや皮脂汚れに高い洗浄効果を発揮します。こちらも、重曹とともにおすすめのナチュラルクリーニングのアイテムです。
スプレーボトルに溶かして、油汚れに吹き付けて使います。こちらもお試しください。
<セスキ炭酸ソーダスプレーの作り方>
- スプレーボトルに水500mlを入れる
- セスキ炭酸ソーダを小さじ1(約5g)加える
- よく振って混ぜたら完成
セスキ炭酸ソーダスプレーを使用する際は、キッチンの壁に広範囲にまんべんなく吹きかけることが基本です。特に油汚れが目立つ部分には、スプレーをたっぷりと使用するようにしてください。
その後、1~2分程度放置します。これは、セスキ炭酸ソーダの成分を油汚れによくなじませ、汚れが浮き上がるのを待つための大切なプロセスです。この「待ち時間」が、掃除効果を左右するポイントになります。
次に、雑巾で汚れを拭き取ります。最後に、水拭きと乾拭きで仕上げましょう。
この掃除でも「湿布(しっぷ)法」を使うとより効果的に汚れを落とすことができます。
【参考】<家事ネタ>100円ショップのセスキ炭酸ソーダ。一体、どんな汚れが落ちるの?<
キッチンの壁の油汚れを頑固にさせないコツ(予防法)
キッチンの壁の油汚れをこびり付くような頑固な汚れにしないコツは、普段からの拭き取り取りなどの「予防」が大切です。
特に、日々の調理のたびに油はねが起こる場合は、壁材の劣化や変色を防ぐ意味でも予防策を講じておくことが大切になります。
油汚れを頑固にさせないコツ①「調理後は早めに壁を拭き取り掃除する」
油汚れは、調理直後のまだ温かい状態であれば簡単に拭き取れます。
逆に、時間が経過して酸化・凝固すると、落とすのに手間がかかるだけでなく、壁材の表面に深く染み込んでしまいます。
そこで、おすすめなのが「調理終了後すぐの拭き取り」です。セスキ炭酸ソーダスプレーや、アルカリ電解水スプレーを常備しておけば、軽く吹きかけて拭くだけで大半の油汚れは落とすことができます。
油汚れを頑固にさせないコツ②「油はね防止シートなどを利用する」
壁面への油の直接的な付着を防ぐには、「シート類」の活用が効果的です。
市販の油はね防止シートや、コンロまわり専用のマグネット式パネルは、壁に貼り付けるだけで油の飛散をブロックできます。これらは使い捨てタイプと洗って再利用できるタイプがあり、用途や頻度に応じて選べます。

100円ショップでも購入できます
油汚れを頑固にさせないコツ③「換気扇を回して油煙を滞留させない」
換気の習慣は、見落とされがちですが非常に重要な油汚れ対策です。
調理中に出る油煙をキッチンに滞留させないことで、油煙の油分が壁や天井に付着するのを軽減させます。
頑固なキッチンの壁の油汚れはハウスクリーニングで解決
蓄積されたキッチンの壁の油汚れは、家庭用洗剤や一般的な掃除では限界があります。壁に加え、換気扇周辺(または内部)のこびりつきなどは専門的な技術と道具がなければ完全に取り除くことは難しいものです。
こうした場合は、有料のハウスクリーニングサービスを検討してみましょう。
ハウスクリーニングのメリット
ハウスクリーニングの最大のメリットは、プロの機材・洗剤・技術で家庭では落とすことができないレベルの油汚れを落とす点です。
専用のアルカリ性洗浄剤や高温スチーム洗浄機、ブラシなどを使い分けながら汚れを落としていきます。
また、自分で掃除をする場合に比べて「時間と手間がかからない」という点も見逃せません。特に、仕事や育児で忙しい方にとっては、掃除の手間をまるごと代行してもらえることは大きな負担の軽減になります。
リサーチ会社によるアンケート調査では、ハウスクリーニングの利用経験者のうち半数近くの割合で「キッチン(換気扇を含む)」の清掃を依頼していたことが明らかになりました。
この割合は、エアコンクリーニングに次いで2番目に高く、キッチン周辺が「家庭では落としにくい汚れの代表的な場所」として広く認識されていることがうかがえます。
料金相場や業者選びのポイント
キッチンの壁を含む油汚れのハウスクリーニングは、作業範囲や壁材の種類、汚れの度合いによって料金が異なりますが、一般的な相場は15,000円〜25,000円程度です。換気扇やコンロまわりとセットで依頼すると、これ以上になるケースもあります。
また、業者選びは、以下の点に注目するのがポイントです。
・事前の見積もりが明確か(追加料金の有無)。
・「キッチン壁」に対応実績があるか。
・破損など、万一の補償に対応しているか。
家事代行と異なり、ハウスクリーニングは「専門的な清掃業」として教育を徹底している企業もあり、安心して任せられる点も選ぶポイントです。特に、小さな子どもやペットのいる家庭では、安全性と仕上がりの両立が大きな判断軸になります。
サニクリーンのハウスクリーニングはいかがですか?
専門スタッフによる高度な技術で、普段は手が届きにくい場所まで徹底的に清掃します。
キッチン・浴室・トイレ・エアコンなど、汚れが蓄積しやすい箇所は、サニクリーンにお任せください。
サニクリーンでは、表面的な清掃にとどまらず、汚れの根本原因を見極め、再発しにくい環境へ整えることを大切にしています。
特に、家庭用洗剤では落としきれない油汚れ・カビ・水アカといった頑固な汚れにお困りの際にはぜひご相談ください。シロッコファンの分解洗浄、効果的な専用洗剤の選定など、ご家庭では難しい作業も、プロならではの確かな技術で対応します。
<サニクリーンのハウスクリーニングの3大特長>
(1)作業前後の丁寧なご説明とご確認
(2)素材や設備の構造に即した最適な清掃手法
(3)蓄積されたノウハウによるサービスの提供
「小さな子どもがいるからこそ、清潔に保ちたい」「来客前に一度プロの手で整えたい」など、お客様一人ひとりのライフスタイルやご希望に寄り添いながら、最適なサービスをご提供しています。
サニクリーンでは「トレーニングセンター」で、日々、技術の向上に努めています!
サニクリーンの「トレーニングセンター」では、実際の設置環境を想定したさまざまなシチュエーションに対応できるよう、ハウスクリーニングに不可欠な専門スキルの向上を目的とした研究を行っています。
プロに頼むことは「手抜き」ではなく「賢い家事戦略」
ハウスクリーニングを頼むことに「自分でできることを人に任せるなんて…」と抵抗を感じる方もいるかもしれません。でも実際はその逆で、ハウスクリーニングの利用は、限られた時間やエネルギーを“本当にやりたいこと”や“家族との時間”に向けるための賢い手段です。
ハウスクリーニングは、家を清潔に保つためだけのものではありません。時間と安心、そして自分自身に“ゆとり”をプレゼントする手段でもあります。
忙しい現代だからこそ、ハウスクリーニングという選択を
日々の家事の中でも、キッチン掃除は「汚れが落ちにくい」「時間がかかる」と敬遠されがちな作業のひとつです。特に、共働きや子育て世帯にとっては、その負担感がより一層大きくなっています。
一方で、こうした生活負担の軽減手段のひとつであるハウスクリーニングの利用率は年間でわずか約4%にとどまっているのが実情です。多くの人が「忙しい」「落ちない」「面倒」と感じているにもかかわらず、専門サービスの活用には至っていない現状が浮き彫りになっています。
しかし、だからこそ見直したいのが「プロの手を借りる」という選択です。キッチンの壁や換気扇など、自力ではなかなか落としきれない汚れに対して、専門技術や専用洗剤を用いたハウスクリーニングは、時間の節約だけでなく、住環境の衛生面の向上にもつながります。
日々の生活の質を上げるために、そして自分や家族との時間を少しでも確保するために。「がんばらずにキレイを保つ」選択肢として、ハウスクリーニングを前向きに取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ|キッチンの壁の油汚れは落ちない汚れではない
キッチンの壁に付着した油汚れは、毎日の料理の積み重ねによって少しずつ広がり、気づかないうちに頑固な状態へと変化していきます。しかし、そのメカニズムと対処法を正しく理解していれば、決して「落ちない汚れ」ではありません。
重曹などの活用、調理後すぐの拭き取り、油はね防止シートの設置、そして適切な換気。これらの基本的な工夫を少しずつ取り入れるだけで、壁面の清潔さはぐんと保ちやすくなります。また、どうしても落とせない汚れに対しては、専門のハウスクリーニングを利用することで、自分ではできない範囲を無理なく任せることもできます。
掃除は「完璧でなければいけないもの」ではありません。大切なのは、自分の生活リズムやライフスタイルに合ったやり方を見つけ、ストレスを感じない範囲で続けていくことです。できることから少しずつ始める。それが、清潔で快適なキッチンを長く保つ一番の近道です。
毎日のちょっとした気づきと積み重ねこそが、住まいを美しく保つ一番の力になります。
Q&A|キッチンの壁の油汚れに関するよくある質問
Q.1キッチンの壁の油汚れはなぜ落ちにくいのですか?
A.時間が経つと油が酸化・凝固し、壁材の凹凸や表面に入り込むことで、拭くだけでは落ちなくなるためです。
Q.2セスキ炭酸ソーダと重曹の違いは何ですか?
A.どちらもアルカリ性ですが、アルカリ度が若干異なります。また、重曹は粒子の研磨作用が強いのが特徴です。
Q.3油汚れには中性洗剤では効果がありませんか?
A.軽度の汚れには中性洗剤でも落ちますが、酸化が進んだ頑固な汚れにはアルカリ性の洗浄剤の方が効果的です。
Q.4毎日掃除する時間がないのですが、どうすればいいですか?
A.調理後にセスキ炭酸ソーダスプレーを壁に吹きかけてサッと拭くだけでも、汚れの蓄積を防ぐことができます。
Q.5油はね防止シートは本当に効果がありますか?
A.壁面に直接油が付着するのを防げるため非常に効果的です。マグネットタイプなら取り外して洗えるので衛生的です。
Q.6メラミンスポンジはどんな壁にも使えますか?
A.硬い表面には有効ですが、柔らかい壁紙やコーティングされた壁には傷をつけるおそれがあるため注意が必要です。
Q.7「アルカリ電解水」は安全ですか?
A.界面活性剤や化学薬品を使っておらず、水を電気分解したもので安全性が高いといわれています。
Q.8頑固で落ちない油汚れはどうしたら?
A.無理にこすらず、プロのハウスクリーニング業者に相談するのが賢明です。専用機材と洗剤で安全かつ確実に除去できます。
Q.9ハウスクリーニングの費用はどれくらいかかりますか?
A.一般的な相場は15,000円〜25,000円程度です。換気扇やコンロまわりとセットで依頼すると、これ以上になるケースもあります。
Q.10ハウスクリーニングを選ぶ際のポイントを教えてください。
A.主に、事前の見積もりが明確か(追加料金の有無)、清掃箇所の対応実績があるか、破損など、万一の補償に対応しているかの3つです。
<参考文献>
独立行政法人中小企業基盤整備機構「市場調査データ ハウスクリーニング」
https://j-net21.smrj.go.jp/startup/research/service/cons-housecleaning.html
厚生労働省「第3-(2)-13図 仕事と生活の配分と夫婦の家事時間」
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/17/backdata/3-2-13.html