カビ取り剤を使ってもお風呂や窓のゴムパッキンのカビが落ちない場合は、洗剤そのものではなく、使い方やカビの状態に原因があることがあります。たとえば、洗剤をつける場所に水分が残っていると、洗剤が薄まって効果を発揮しにくくなります。また、洗剤がカビに十分に密着していなかったり、使っている洗剤の種類が合っていなかったりすることも原因として考えられます。
このコラムでは、サニクリーンのおそうじマイスターがお風呂や窓のゴムパッキンのカビが落ちにくい理由と、カビを落としやすくするポイントをわかりやすくご紹介します。
<ご注意>
「カビ取り剤(塩素系漂白剤)」と「酸性洗剤(クエン酸やお酢なども含む)」の同時または短時間の連続使用は絶対に避けてください。塩素ガスが発生し大変危険です。
このコラムでお伝えするポイント
- カビが落ちない場合は、水分でカビ取り剤が薄まっていないか確認する。
- カビ取り剤がカビにしっかり密着しているか確認する。
- カビの状態に合った洗剤を使っているか確認する。
- 着色や素材の変色が残っていないか確認する。
- お風呂全体の汚れが気になる場合はプロへの相談も検討する。
【カビが落ちない理由.1】水分でカビ取り剤が薄まっている

お風呂の床や壁、窓のゴムパッキンに水分が残ったままカビ取り剤を使うと、洗剤が水分で薄まり、十分な効果が得られないことがあります。
そのため、カビ取り剤を使う前には水分を拭き取るか、しっかり乾かしておくことが大切です。これはスプレータイプだけでなく、ジェルタイプのカビ取り剤でも同じです。
また、塩素系のカビ取り剤は、酸性タイプの洗剤と混ざると有害なガスが発生するおそれがあります。厚生労働省でも塩素系のカビ取り剤を使用する際は、ほかの洗剤と混ぜないこと、十分に換気すること、手袋・マスク・保護眼鏡などを着用することを注意喚起しています。
念のため、カビ取り剤を使った掃除と通常のお風呂掃除はまとめて行わず、別の日に分けるようにすると安心です。
※厚生労働省「家庭用洗浄剤・漂白剤安全確保マニュアル作成の手引」
【カビが落ちない理由.2】カビ取り剤がカビに密着している時間が短い

カビ取り剤がカビにしっかり密着していないと十分な効果が得られないことがあります。特に、お風呂の壁や垂直部分のゴムパッキンはスプレーしたカビ取り剤が垂れやすい場所です。そのため、カビに作用する時間が短くなり、汚れが落ちにくくなることがあります。
そこで、落ちにくいと感じるときは、カビ取り剤をカビが生えている部分に密着する時間を長くしましょう。
そのようなときに役立つのが「湿布法」です。
湿布法とは、カビ取り剤をスプレーした部分にキッチンペーパーなどをかぶせ、洗剤をカビに密着させる方法です。洗剤が垂れにくくなり、カビにしっかり作用しやすくなります。
「湿布法」で準備するもの
湿布法を行う前に、まずは以下の道具を用意しましょう。
□カビ取り剤(スプレー)
□キッチンペーパー
□ゴム手袋
□ラップ(落ちにくい場合)
「湿布法」の手順
1.まずは、ゴム手袋をしてカビが生えている部分にカビ取り剤をスプレーします。

2.スプレーした部分をキッチンペーパーで覆います。

3.キッチンペーパーの上からもカビ取り剤をスプレーします。


このまましばらく置きます
4.10分ほど置いたらカビが落ちているか確認します。まだ落ちていない場合は、キッチンペーパーを戻し、さらに10分ほど置いてから確認しましょう。

5.カビが落ちたらキッチンペーパーをはがしてシャワーでしっかり洗剤を洗い流します。
<ラップ湿布法>
頑固なカビには、キッチンペーパーの上からラップをかぶせる「ラップ湿布法」もおすすめです。キッチンペーパーだけの場合より洗剤が乾きにくくなり、カビに長く密着しやすくなります。

また、一度で完全に落ちなくても、日を分けて何度か試すうちに少しずつきれいになることがあります。一度に長時間放置するよりも素材を傷めにくいため、無理をせず数回に分けて試すと安心です。
ジェルタイプを使ってカビに密着させる
| カビが生えている場所 | タイプ | 特徴 |
| 壁・床など広い範囲 | スプレータイプ | 広範囲に使いやすく、短時間で掃除しやすい |
| ゴムパッキン・隅など | ジェルタイプ | 垂れにくく、ねらった場所に密着しやすい |
ゴムパッキンや浴室の角、窓の縁など液だれしやすい場所のカビには、ジェルタイプのカビ取り剤もおすすめです。
ジェルタイプは、ねらった部分にとどまりやすく、カビにしっかり密着しやすいのが特徴です。ゴムパッキンのように強くこすると傷みやすい部分でも、こすらずにカビを落としたいときに使いやすいアイテムです。
【カビが落ちない理由.3】「非塩素系」のカビ取り剤を使っている

次亜塩素酸ナトリウムが主成分の洗剤は避ける
使っているカビ取り剤が、「塩素系」か「非塩素系」かも確認しましょう。非塩素系のカビ取り剤は、カビの黒ずみを落とす力は塩素系より弱めです。
カビの黒ずみまでしっかり落としたい場合は、塩素系のカビ取り剤を選ぶのがおすすめです。塩素系のカビ取り剤には「次亜塩素酸ナトリウム」という成分が含まれており、カビを分解して漂白する働きがあります。一方、非塩素系のカビ取り剤は、黒カビを分解して漂白するというより、日常的なカビ対策に向いています。製品によって特徴は異なりますが、主な用途は「防カビ」「軽いカビ掃除」「機器まわりのカビ対策」などです。ここでいう機器まわりとは、エアコン、空気清浄機、加湿器、浴室乾燥機の吹出口など、カビが生えやすい部分のことです。
非塩素系は塩素系に比べて漂白作用が弱いため、黒ずみを落とす力は限られます。その一方で、臭いが控えめで使いやすい点が特徴です。
| 項目 | 塩素系カビ取り剤 | 非塩素系カビ取り剤 |
| 主な成分 | 次亜塩素酸ナトリウム | 過酸化水素・過炭酸ナトリウム・有機酸など |
| 利用用途 | 浴室のタイル目地やゴムパッキンのカビ除去 排水口のカビ・ヌメリ取り トイレの頑固なカビ汚れ タオルや布巾の漂白 など |
壁紙などのカビ取り 木材・畳のカビ取り 色柄物の衣類・カーテンのカビ取り 冷蔵庫やキッチンまわりのカビ予防 日常的なカビ予防 など |
【カビが落ちない理由.4】ゴムパッキンなど「材質」に色がついて落ちない

塩素系のカビ取り剤を使っても黒ずみが落ちない場合は、素材の奥にカビの色素が入り込んでいる、または素材そのものが変色している可能性があります。
特に、ゴムパッキンはやわらかく、表面に細かな凹凸があるため、カビが奥まで入り込みやすい素材です。そのため、カビ自体は落ちていても、黒ずみだけが残って見えることがあります。
カビを防ぐ習慣

湿度が高い場所はカビが繁殖しやすくなります。特に、湿度が75%以上になると活発になります。そのため、カビを防ぐには、こまめに換気をして湿度を下げることが大切です。窓を開けて空気を入れ替えるだけでなく、換気扇を使って湿った空気を外へ出すようにしましょう。
お風呂の場合は、入浴後のひと手間がカビ予防に役立ちます。石けんカスや皮脂汚れはカビの栄養源になるため、入浴後はお風呂全体に冷水シャワーをかけ、壁や床に残った石けんカスなどを洗い流しましょう。
その後、換気扇を最低でも1〜2時間、できれば24時間回しておくと、湿気がこもりにくくなります。さらに、水切りワイパーで壁の水滴を落としておくと、より乾きやすくなります。毎日のちょっとした習慣が、カビを発生させにくい環境をつくりだします。
自分でカビを落とせないときはプロに相談を
お風呂や窓のゴムパッキンなどのカビが何度掃除しても落ちない場合は、プロに相談してみるのもひとつの方法です。
また、ゴムパッキンなどのカビが気になり始めたときは、壁や天井、浴槽エプロンの内部など、ほかの場所にもカビが広がっている可能性があります。自分で掃除する手間や時間、仕上がりを考えると、床・壁・排水口までまとめて掃除してもらえるハウスクリーニングを利用するのもひとつの方法です。
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まとめ
お風呂や窓のゴムパッキンのカビが落ちないときは水分が残っていないか、洗剤が十分に密着しているか、洗剤の種類が間違っていないかを確認しましょう。それでも黒ずみが残るときはカビではなく、着色または材質が変色している可能性もあります。
カビの掃除では、原因を見極めて対処することが無駄なくきれいにする近道です。また、自分で掃除が難しいと感じたら無理をせずプロに相談してみてください。
<参考文献>
・厚生労働省「家庭用洗浄剤・漂白剤 安全確保マニュアル作成の手引き」
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001317807.pdf
・厚生労働省「家庭用カビ取り・防カビ剤 安全確保マニュアル作成の手引き」
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001317803.pdf
・環境省「エコジン06・07月号 33ページ 意外と簡単、カビ予防のコツ!」
https://www.env.go.jp/guide/info/ecojin_backnumber/issues/14-07/HTML/index33.html
Q&A|お風呂や窓のゴムパッキンのカビ掃除について
Q. ゴムパッキンのカビが落ちないのはなぜですか?
A.
主な理由は4つあります。
1つ目は水分が残っていてカビ取り剤が薄まっていること、2つ目は洗剤がカビに密着している時間が短いこと、3つ目は非塩素系のカビ取り剤を使っていること、4つ目はカビではなくゴムパッキン内部に黒ずみの色が残っていることです。
Q. ゴムパッキンのカビ取り前に水分を拭くのはなぜですか?
A. ゴムパッキンや壁が濡れたままだと、カビ取り剤の成分が水で薄まり、十分な効果を発揮しにくくなるためです。
Q. カビ取り剤をスプレーしても落ちないときはどうすればよいですか?
A. 洗剤の量を増やすよりも、まず水分を取り除き、洗剤がカビに密着する時間を長くしましょう。
Q. 「湿布法」とはどんなカビ取り方法ですか?
A. 湿布法とは、カビ取り剤をかけた部分をキッチンペーパーなどで覆い、洗剤が流れ落ちにくい状態にして一定時間密着させる方法です。
Q. ゴムパッキンのカビにはスプレータイプとジェルタイプのどちらが向いていますか?
A. ゴムパッキンやお風呂の角のように液だれしやすい場所には、ジェルタイプが向いています。ジェルは垂れにくくカビに密着させやすいのが特徴です。
Q. 「塩素系」と「非塩素系」のカビ取り剤の違いは?
A. 塩素系は、次亜塩素酸ナトリウムなどを含み、黒カビを分解・漂白して落とす力が強いタイプです。一方、非塩素系は臭いが控えめで扱いやすいものの、カビをしっかり落とす用途にはあまり向いていません。
Q. 非塩素系のカビ取り剤はどんなときに使いますか?
A. 非塩素系のカビ取り剤は、防カビ、軽いカビ掃除、機器まわりのカビ対策などに向いています。
Q. 塩素系のカビ取り剤を使っても黒ずみが残るのはなぜですか?
A. カビが残っているのではなく、ゴムパッキンの内部に色素が沈着していたり、素材そのものが変色していたりする可能性があるためです。
Q. ゴムパッキンのカビの再発を防ぐにはどうすればよいですか?
A. 再発防止には湿気をためないことが重要です。入浴後に冷水シャワーで汚れを流し、壁の水滴を落とし、換気扇を回して湿度を下げましょう。
Q. ゴムパッキンのカビを自分で落とせないときはどうすればよいですか?
A. 何度試しても落ちない場合や、壁・床・天井までカビや汚れが広がっている場合は、無理をせずプロに相談するのがおすすめです。














