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「当たり前」を疑うための知恵④


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「当たり前」を疑うための知恵④


『やめてみた』ら、困らなかったこと



 

 

 

 

 

水筒には、

麦茶を入れなければいけないって、

法律で決まっていたんです。

 

その麦茶は絶対に「煮出して」作った後、

わざわざ冷蔵庫で冷ましてから、

水筒に入れなきゃいけなかったんです。

 

おいしさと衛生のために。

そう決まっていた。

 

 

寝具は天気が晴れであるかぎり毎日、

直射日光に当てなければいけないとも、

定められていました。

 

おかずは朝昼晩、

主菜以外に3品なければならなかったし、

お惣菜を買うことも禁じられていました。

 

洗剤は使いすぎてはいけなかったし、

漂白剤の使用も最低限にしなければならなかった。

 

これらの禁を破ると恐ろしい罰が待って……

 

……いるのだと思っていました。

 

それくらいに「当時のわたし」にとっては、

疑う余地のない「当たり前」な家事のいろいろ。

 

「踏み外してはすべてが終わる」くらいに、

悲愴な覚悟で引き受けていた家事のいろいろ。

 

「法律」だなんて滑稽かも知れませんけど、

わたしは、おおまじめでした。

 

ある朝。
わたしは体調をくずして起きられず、

前の晩せっかく麦茶を作っておいたのに、

子どもは自分で水筒に水道水と氷だけ入れて出かけたのです。

 

そしてあろうことか帰宅後、
「水、麦茶よりおいしかった!」

と報告。

膝からくず折れるような衝撃。

 

冷たい水を入れた水筒は、
茶渋で汚れることもなく、

二度目の衝撃。

 

 

日の照った真冬の外気に晒さなくても、

湿度30%の室内ならふとんを空気を晒しておけば、

あたたかくふわふわに戻るし、

ふとんも冷えないことに、

気づくのにも15年かかりました。

 

一皿料理やお惣菜は、

自分の機嫌と天秤にかけたら、

わたしが「必死にならない」ほうのが、

圧倒的に、食卓での、

子どもたちの「笑顔」が多いのです。

 

そして強めの洗剤を使うことは、

貴重な「時間」とのバーターだということも、

 

のちに「CHAT理論」で学びました。

 

(C=Chemical、H=Heat、A=Agitation、T=Time

洗濯・洗浄の4要素)

 

 

そんな……

「わたしの中の厳格な法律」
たち。

 

「やめてみる」ことを「試す」ことすら、

許されなかったさまざまな家の中のこと。

 

あの厳格の出どころは幻覚だったんでしょうか。

 

すべてを手放したいま……

……何も起こっていません。

 

 

「やめてみたら、困らなかった」

なにも、困らなかった。

 

それほど、私にとって、

いちばん信用できる答えは、

 

ほかに、なかったのです。

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「当たり前」を疑うための知恵④


「当たり前」を疑うための知恵④


この記事の監修者

藤原千秋

藤原千秋

サニクリーンおそうじマイスタースペシャル講師。

「家のなか」の事をテーマにウェブ、雑誌、書籍、新聞等で執筆。
大手住宅メーカー営業職を経て2001年よりAllAboutガイド。
きほんから新発想まで 家事ずかん750』(朝日新聞出版)等、著監修書多数。
2020年より東京中日新聞にてコラム『住箱のスミ』連載中。2018年よりTBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』隔月レギュラー出演中。

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https://allabout.co.jp/gm/gp/31/
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https://news.yahoo.co.jp/users/expert/fujiwarachiaki
文春オンライン https://bunshun.jp/list/author/61444eb47765619d04010000
集英社LEEweb https://lee.hpplus.jp/column/series/souji/

 

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