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飲食店の分煙対策「経営的なメリットとデメリット」

2020.04.03

改正健康増進法では、すべての飲食店に「屋内での受動喫煙防止対策」が求められ、店内は原則として「全面禁煙」にする必要があります。しかし、店内の一部に受動喫煙防止の基準を満たす「喫煙室」を設けて分煙化すれば、屋内での喫煙も可能になります。

今、「客離れ」を懸念して、喫煙室の設置を検討している飲食店も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、飲食店が店内に喫煙室を設けて分煙にした場合、売上や集客にどのように影響を与えるのかをメリットとデメリットの両面からご説明していきます。今後の店舗経営を考えるうえで、ぜひ参考にしてください。

改正健康増進法によって飲食店に求められる受動喫煙防止対策については、「分煙・喫煙・禁煙?飲食店の「受動喫煙防止」対策をわかりやすく解説」をお読みください。

飲食店の分煙メリット

飲食店に喫煙室を設けて分煙するメリットとしては、主に以下の点があげられます。

<分煙メリット1>3割近い喫煙者の客離れを防ぐことができる

JTがおこなった「2018年 全国たばこ喫煙者率調査」によると、日本の成人喫煙率は男女合計で「17.9%(内訳、男性27.8%、女性8.7%)」と、2017年に比べ0.3ポイント減少しており年々減少傾向にあります。

社会的に「たばこ離れ」が進むなか、店内完全禁煙に踏み切る飲食店も少なくありませんが、喫煙者を完全にシャットアウトしてしまうと、売上や集客への影響が懸念されます。「うちの店は全面禁煙!」と決めてしまうと、3割近い男性顧客を切り捨てることになる可能性があるのです。

一方で、分煙を選択した場合は喫煙者の集客も期待でき、3割近い男性顧客を失わずに済むかもしれません。

居酒屋やカフェは分煙がおすすめ

喫煙者の意見で多いのが、「お酒を飲むとたばこを吸いたくなる」「コーヒーとたばこはセット」といったもの。

たばこが吸えない居酒屋を避ける喫煙者は多くいますし、たばこを吸うためにカフェを利用する喫煙者も珍しくありません。居酒屋やカフェは喫煙ニーズが高いだけに、喫煙室を用意した「分煙」で顧客を取り込みたいところです。

<分煙メリット2>たばこが苦手な「非喫煙者」を集客できる

改正健康増進法の施行後も、一定の条件を満たす飲食店(既存特定飲食提供施設)は、これまでどおり屋内での喫煙が認められます。しかし、全面喫煙可にしてしまうとたばこが苦手な非喫煙者に敬遠され、マイナスイメージを与えてしまうリスクがあります。

一方で、分煙にすることでこのようなリスクはなくなります。改正健康増進法が求める基準を満たした喫煙室がある飲食店なら、喫煙室からたばこの煙が漏れ出てくる心配がないので、非喫煙者も受動喫煙やニオイを気にすることなく飲食を楽しめます。

喫煙者にも非喫煙者にも利用してもらえるのが、飲食店が分煙にする最大のメリットです。すべての人が快適に過ごせる環境づくりを考えるなら、分煙は有力な選択肢になるでしょう。

料理の味を損なわない


たばこの煙にはニオイがあり、飲食店では料理の香りや味を損なう原因にもなり得ます。しかし、分煙の飲食店なら、たばこの煙のない環境で料理の味を最大限に楽しむことができます。

<分煙メリット3>団体客・グループ客を集客できる


団体・グループ客は、全体の人数が多いほど喫煙者の人数も多くなります。団体・グループで飲食店を予約するときは、全体として喫煙者に配慮するケースが多く、店内完全禁煙の飲食店は候補から外されてしまいます。

一方で、分煙の飲食店であれば、喫煙者は喫煙室でたばこを吸うことができ、喫煙者・非喫煙者の双方が不快な思いをすることなく飲食を楽しむことができます。団体客やグループ利用の多い飲食店ほど、完全分煙にするメリットは大きいと言えるでしょう。

<分煙メリット4>清掃の負担やメンテナンスコストを削減できる


喫煙可能な飲食店は、たばこの吸殻や灰などの掃除や灰皿交換が必要です。

全面喫煙可能な飲食店の場合、店内の至るところがたばこで汚れる可能性がありますが、独立した喫煙室がある飲食店なら、たばこの掃除は喫煙室だけで済みます。掃除にかかる手間・労力を大幅に削減できるでしょう。また、ヤニ汚れによるクロスの張り替えも喫煙室だけで済むので、メンテナンスコストも削減できます。

<分煙メリット5>イメージアップにつながる

今回の改正健康増進法の軸になる考え方は、望まない受動喫煙をなくすことで、世の中のニーズと合致しています。そういう意味では、一般の方も高い関心を持って飲食店の対応・対策を見守っていると言えるでしょう。

分煙にすることで「受動喫煙防止を真剣に考えているお店」「喫煙者にも非喫煙者にもフレンドリーなお店」として受け取られます。喫煙者・非喫煙者、双方のニーズに応える飲食店としてイメージアップが期待できます。

飲食店の分煙デメリット

飲食店が分煙にするデメリットは、主に以下のようなことがあげられます。

<分煙デメリット1>喫煙室を設けるのにコストがかかる

現状の店舗の構造や、どんな方法で分煙するかによって費用は変わってきますが、新たに喫煙室を設ける場合にはコストがかかります。

しかし、受動喫煙を防止するための喫煙室などを設置する場合は、国や自治体からの助成金・補助金が支給される可能性があります。要件を満たす場合は、ぜひ助成金・補助金の活用を検討してみましょう。

<分煙デメリット2>席数が少なくなる可能性がある

飲食店を分煙にするには、基本的に喫煙室が必要になります。すでに喫煙室がある飲食店なら、その部屋に手を加えたり「脱煙装置」を導入したりするだけで済むこともありますが、現状で喫煙室がない飲食店は新たに喫煙室を設けるためのスペースが必要になります。客席から喫煙室のスペースを確保せざるを得ない場合は、席数が少なくなってしまう可能性もあるでしょう。

飲食店の分煙対策は、立地環境や予算などに合わせた対策を講じることが大切です(分煙コンサルティングを利用する)

飲食店の分煙対策として、換気扇からたばこの煙を屋外に排出するケースは少なくありませんが、その場合は近隣の店舗や住民への配慮が必要です。実際に、屋外に排出されたたばこの煙が隣の学習塾に届いてしまったためにトラブルが発生した事例もあります。このような事例を踏まえても、飲食店の分煙対策は、立地環境や予算などに合わせてお店ごとに最適な「オーダーメイドの対策」を講じることが重要です。

とはいえ、飲食店だけの判断で最適な対策を講じるのは容易ではなく、受動喫煙防止の基準を満たした喫煙室を設けるのも難しいものです。もし、分煙対策でお困りなら「分煙コンサルティング」のご利用をおすすめします。立地環境や予算だけでなく、お店が抱えている様々な事情を考慮してオーダーメイドの分煙環境をご提案するのが分煙コンサルティングです。

清掃・環境衛生管理の「株式会社サニクリーン」と、空気清浄機などの空調トップブランド「株式会社J.G.コーポレーション」は、共同で分煙コンサルティングをご提供しております。飲食店をはじめオフィスやホテルなど幅広い実績がございますので、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

<関連記事(サイト)>
分煙・喫煙・禁煙?飲食店の「受動喫煙防止」対策をわかりやすく解説

<参考文献>
受動喫煙対策(厚生労働省)
日本たばこ産業(JT)

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