<汚れとお掃除百科事典>エアコンの汚れ2“ハウスダスト・ダニ”
2015.07.17
アレルギーの原因にも!“ハウスダスト・ダニ”
エアコンに発生する汚れの代表といえばカビですが、もちろんそれだけではありません。ハウスダストと呼ばれるホコリやチリ、そこに含まれるダニの死骸などにも注意が必要です。これらは、国民の3人に1人が悩まされているというアレルギー性鼻炎の原因にもなるため、対策と予防に努めるべきでしょう。ということで、今回の「汚れとお掃除の百科事典」では、エアコンの汚れ「ハウスダスト・ダニ」についてご紹介します。
エアコンから吹き出す!ハウスダスト・ダニ
「エアコンとカビ」の記事でも紹介しましたが、エアコンは室内の暖かい空気を取り込んで冷やし、涼風として吹き出しています。取り込んだ空気のなかには、室内のホコリやダニの死骸なども含まれます。メンテナンスを怠ると、これらのアレルゲン(アレルギーの原因物質)も風と一緒に拡散されてしまうのです。もちろんタバコの煙やヤニ、ペットの毛や花粉も同様です。また、ダニの死骸やフンは床上30cmほどの高さにもっとも多く浮遊していると言われています。これは、ちょうどハイハイをする赤ちゃんの顔の高さくらいに相当するため、十分な注意が必要です。赤ちゃんの健康を守るには、普段から室内の清掃を心がけ、エアコンがアレルゲンを吸い込まないようにすることが大切なのです。
健康への影響とは?
人間の体には免疫機能が備わっています。細菌などの病気の原因となる異物が侵入してくると、白血球によって処分されたりくしゃみや咳、鼻水やかゆみなどによって体外に排出されたりします。こうした免疫反応が過剰に起きる症状をアレルギーと言います。近年では、ハウスダストやダニ、カビなどを原因とするアレルギー反応から肺炎にいたる「夏型過敏性肺炎」にかかる人も増えています。これは、病名にもあるとおり、エアコンを多用する夏に多い病気。咳や鼻水、微熱が続くため、風邪に症状が似ていますが、夏型過敏性肺炎の場合は、呼吸困難をともなうことがあります。こうした症状が出た場合は、この病気を疑う必要があるでしょう。
日常的な対策でハウスダスト・ダニを除去!
日常的にできる予防法としては、高性能フィルターを搭載した排気のキレイな掃除機を使う、拭き掃除を行い、ハウスダストなどが舞い上がるのを防ぐなどがあります。また、一般的なフィルターを使った掃除機の場合は、従業員の出勤前に掃除をしたり、十分な換気をしたりするなどの対策を心がけましょう。最近ではハウスダストやダニを感知するセンサーがついている掃除機もありますので、ぜひ活用したいところです。また、拭き掃除は掃除機をかけるよりも高い効果があります。ホコリやダニを舞い上がらせることなく除去できるので、絞ったぞうきんやウェットタイプの掃除用シートでこまめに拭き掃除をするといいでしょう。
エアコンの掃除も忘れずに!
もちろん、床や室内だけでなく、エアコンのフィルター掃除も忘れずに。オフィスや飲食店では、一年を通してエアコンを使うことがほとんどだと思いますが、最低でも2週間に1度は外して水洗いすることをオススメします。比較的大きなオフィスや店舗で、業務用など大型のエアコンを使っている場合は、専門業者にクリーニングを依頼するのが確実です。ハウスダストやダニは日頃の掃除に加え、エアコンのメンテナンスを行うことである程度防ぐことができます。ぜひ参考にしてみてください。