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<汚れとお掃除の百科事典>洗剤の種類“石鹸”

2015.10.18

もっとも身近な洗剤“石鹸”を知ろう

掃除や洗濯、食器洗いに欠かせない存在と言えば“洗剤”です。しかし、普段何気なく使っているものの、実は対象となる素材や用途によって使い分ける必要がある、ということは意外と知られていないようです。そこで今回の「汚れとお掃除の百科事典」では、もっとも身近な洗剤のひとつ“石鹸”にスポットライトをあて、その分類や特性について解説していきます。

そもそも石鹸とは?

まずは定義的なことからご紹介していきましょう。「国際界面活性剤会議」によると、「石鹸とは炭素原子を少なくとも8個含んだ脂肪酸、もしくは脂肪酸個運業物の無機、もしくは有機のアルカリ塩を指す総称である」とされています。なお狭義では、「脂肪酸もしくは脂肪酸混合物と、アルカリ金属が中和し結合されてできた化合物」のことを指し、動植物の油脂からつくられます。

石鹸の分類について

石鹸はいくつかの種類に分類することができます。
以下は、石鹸をアルカリと金属の2つに分けた表です。

<アルカリ石鹸>
・ナトリウム石鹸(脂肪酸ナトリウム)
・カリウム石鹸(脂肪酸カリウム)
・アンモニウム石鹸(脂肪酸アンモニウム)
・有機塩石鹸(トリエタノールアミン石鹸、L-アルギニン石鹸など)
<金属石鹸>
・カルシウム石鹸、マグネシウム石鹸など

石鹸が持つ4つの特性

1.薄まることで汚れを手放す

石鹸には、水やお湯などで濃度が薄まると汚れを捕まえておく力が低下するという特徴があります。しっかりと洗浄力を発揮するためには、「臨界ミセル濃度」と呼ばれる濃度を保つことが必要です。そのため、たとえば厨房などで溜めすすぎを行う場合、食器についた石鹸が薄まって汚れを手放してしまい他の食器へと移ってしまいます。石鹸で食器洗いをする場合は流水すすぎをし、アワのついた食器は水がかからないよう注意する必要があります。

2.酸と混じると中和する

石鹸はアルカリ性ですので、酸性の物質によって中和が起こり、洗浄力が低下するという特性を持っています。そのため、ポン酢やケチャップ、マヨネーズ、果汁といった酸味のある汚れは石鹸で落とすことができません。あらかじめ布で拭き取ったり、スクレイパーやゴムベラでかき落としたり、水で予洗いをしたりしましょう。

3.ミネラルによって石鹸カスになる

水に含まれるミネラル(カルシウムやマグネシウムなど)は、石鹸を水に溶けない石鹸カス(金属石鹸)に変えてしまう作用があります。石鹸カスは髪をつやつやにする効果もありますが、残りすぎるとゴワつきやきしみの原因になることも。また、色の薄い衣類を白く汚してしまうこともあります。とはいえ、日本の水道水にはそれほどミネラルは含まれていないため、ほとんど問題にはなりません。

4.冷たい水には溶けにくい

石鹸に含まれる脂肪酸は、20℃以下の冷水に溶けにくいという性質を持ちます。中には40~50℃程度でないと溶けない脂肪酸もあります。脂肪酸は洗浄力の基になる物質ですので、洗濯や食器洗いの際には、温度が下がりすぎないよう注意しましょう。なお、日本では秋から冬にかけて水道水が20℃以下になる地域も少なくありません。こうした時期には、給湯器のお湯を使うように工夫しましょう。

石鹸は正しく使うのが大切

私たちの生活に身近な存在の石鹸には、意外に知られていない特性があります。使い方を誤ると十分な洗浄効果が発揮されません。しっかりと汚れを落とすために、使い方・選び方を正しく理解し使うよう心がけましょう。

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