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<汚れとお掃除の百科事典>ナチュラルクリーニング“重曹”

2016.03.26

人と環境に優しいナチュラルクリーニング

飲食店にとって重要なのは第一に衛生面です。同時に、環境への配慮といったことも考えなくてはいけません。そこで近年注目されているのが、人や環境に優しい素材を使って清掃を行う「ナチュラルクリーニング」という考え方です。今回の「汚れとお掃除の百科事典」では、この「ナチュラルクリーニング」で使われる素材をひとつずつご紹介。はじめは今やお掃除グッズとして有名になった重曹を取り上げます。

重曹とは?

重曹は、数年ほど前からテレビや雑誌などでもそのパワーが盛んに紹介されるようになったため、「お掃除に使える」という認識をお持ちの方も多いでしょう。また、スーパーなどでも簡単に手に入るので、ご自宅で愛用されている方もいるのではないでしょうか?
そもそも重曹は、ふくらし粉やコンニャクの凝固剤、胃薬の成分として利用されてきました。しかし、近年ではその特性から、洗浄剤としての姿が有名になっています。ただし、重曹といえど万能というわけではありません。得意な汚れと不得意な汚れが存在しているので、使い分けることが大切です。

重曹の主な特長

化学名
炭酸水素ナトリウム/重炭酸ソーダ/重曹

化学式
NaHCO2

特徴
・水溶液はごく弱いアルカリ性(pH8.2)を示す
・人体無害で食品添加物や医薬品に昔から利用されてきた
・水に溶けにくく、粒子が細かい
・加熱することで分解され、炭酸ガスが発生
・常温での長期保存が可能

使用時の注意点
・ゴム手袋をして作業すると、粒子による手の表面の擦れを防止できる
・柔らかい素材(漆器やプラスチック)の物に使用すると傷がつく可能性がある
・万が一粉が目に入ってしまった際は、清潔な水で十分にすすぎ、痛みが取れない場合は医療機関へ相談する
・湿気を吸うと固まることがあるため、蓋のある容器で保管する

重曹のオススメな使い方

【パイプクリーナー】
1カップくらいの重曹を排水口に入れ、熱いお湯で流します。汚れを落とすだけでなく、脱臭効果も期待できます。

【脱臭剤】
靴箱やタンスに入れておくと脱臭剤になります。また、カーペットに振りかけて2時間ほどそのままにし、掃除機で吸い取るといった脱臭方法もあります。

【湯垢の洗浄】
湯垢がついている容器などを、重曹を入れたお湯に一晩つけるとアルカリの力が緩み、簡単に湯垢を落とせるようになります。洗浄力自体は弱いですが、その分手にも優しく安心して使えます。

重曹の不得意分野

重曹はアルカリ性の洗浄剤に比べ、油脂の乳化やタンパク質の分解の力は弱めです。また、洗濯やギトギトの油汚れ、白いカチカチの水垢汚れ、アルカリ性のニオイは不得意です。

手軽で地球に優しい重曹

重曹は、ナチュラルクリーニングの代表的な素材のひとつ。洗浄力が強くない分、手荒れなどの心配も少ないので手軽に使えるでしょう。もちろん、環境にも優しいという特徴も見逃せません。用途もさまざまなので、ぜひ飲食店でも導入してみてはいかがでしょうか。

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