インフルエンザの家庭内感染を防ぐには、ドアノブや照明スイッチなど家族全員が触れる場所の適切な消毒が重要です。感染者がくしゃみや咳を手で覆った後にドアノブに触れると、ウイルスが付着し接触感染の原因となります。消毒の際は、消毒用アルコール(エタノール)などの消毒液を直接スプレーせず、ペーパータオルなどに含ませて拭き取る方法が推奨されています。
消毒用アルコールや次亜塩素酸ナトリウムが有効ですが、それぞれの特性を理解して使い分けることが大切です。
このコラムでお伝えするポイント
<結論>
- インフルエンザにかかった人の食器や洗濯物は、普段通り洗剤で洗えばウイルスを除去できる。
- 家族のものと分けたり特別な消毒をする必要はない。
<対処法>
- 洗剤でしっかり洗って、乾燥させることがポイント。
- スポンジも洗剤で洗い、水気を切って乾燥させる。
- 二次感染を防ぐためには、マスク・手洗い・手指消毒などを徹底する。
- 湿度40〜60%を保ち、換気などで空気環境を整える。
<注意点>
- 乾燥はウイルスが漂いやすく、粘膜の防御力も低下するため注意。
- ドアノブ・スイッチなど、よく触れる場所はアルコールで消毒する。
インフルエンザウイルスがドアノブを介して感染する仕組み
ドアノブからインフルエンザが広がる仕組みと、気を付けたいポイントをまとめてご紹介します。
接触感染のメカニズムと感染経路

インフルエンザの感染経路は、主に「飛沫感染」と「接触感染」の2つに分けられます。
接触感染は、感染者がくしゃみや咳で口を覆った手、あるいは鼻水をかんだ手にウイルスを含んだ唾液や鼻水が付着し、その手で触れたドアノブ、照明スイッチ、手すり、テーブルなどにウイルスが付着することで起こります。
厚生労働省の「インフルエンザ施設内感染予防の手引き」では、咳・くしゃみ・鼻水に含まれるウイルスが手に付着し、その手で机やドアノブ、スイッチなどを触れると、環境表面にウイルスが残ると説明しています。さらに、その場所を別の人が触れ、無意識に目・口・鼻に触れることで、感染リスクが高まるとされています。
家庭内の高リスク接触ポイント
家庭内でウイルス感染のリスクが高い場所は、家族全員が頻繁に触れる共用部分です。
具体的には以下のような場所があげられます。
・ドアノブ(リビング、トイレ、寝室など)
・照明スイッチ
・階段の手すり
・冷蔵庫の取っ手
・テーブルや椅子
・リモコン類
・水道の蛇口
これらの場所は1日に何度も触れるため、感染者がいる家庭では特に注意が必要です。
物の表面でのウイルス生存期間
インフルエンザウイルスの生存期間は、付着した物質の素材によって異なります。東北大学ウイルス学教室では、以下のような傾向を紹介しています。
・透過性のない表面(金属・プラスチック):24〜48時間
・透過性のある表面(布・紙・ティッシュ) :8〜12時間
・手に移ったウイルス:約5分
ドアノブの多くは金属やプラスチック製であるため、ウイルスが比較的長時間生存する可能性があります。ただし、一般的な飛沫が付着した場合、モノの表面での感染力は2〜8時間程度とする報告もあり、環境条件によって変動することが知られています。
インフルエンザ対策に役立つ「正しいドアノブ消毒の方法と手順」

ドアノブを介した感染を防ぐために、家庭で実践できる対策ポイントをご紹介します。
消毒液を直接スプレーしてはいけない

ドアノブの消毒で注意すべき重要なポイントは、消毒液を直接スプレーしないことです。厚生労働省の「事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン」では、「消毒剤の噴霧は、不完全な消毒やウイルスの舞い上がり、消毒実施者の健康被害につながる危険性もあるため、実施すべきではない」と明記されています。
消毒液を直接スプレーすると、ドアノブに付着していたウイルスが空気中に飛散し、かえって感染リスクを高める恐れがあります。また、消毒液が均一に行き渡らず、消毒効果が不十分になる可能性もあります。
効果的な拭き取り消毒の手順
以下の手順で拭き取り消毒を行いましょう。
□乾いたペーパータオルや清潔な布を用意する。
□ペーパータオルに消毒液をたっぷり染み込ませる。
□ドアノブ全体をまんべんなく拭き上げる。

□消毒液が乾くまで十分な時間(20〜30秒程度)を置く。
□使用したペーパータオルは捨てる。
□消毒は1日数回、家族が帰宅した後や食事の前後など、接触頻度が高い場面で行う。
ドアノブ以外にも注意すべき接触箇所
ドアの消毒では、ドアノブだけでなく、無意識に触れている部分にも注意が必要です。
多くの人は、ドアを開閉する際にドアノブ以外の場所も触っています。
・ドアの縁
・ドアの表面(押して開ける場合)
・ドアの取っ手周辺
家族がどの箇所を触ってドアを開閉しているのかを観察し、手あかで黒ずんでいる部分があれば、そこもしっかり消毒しましょう。見落としがちな箇所を消毒することで、さらに感染リスクを減らすことができます。
インフルエンザ対策に有効な「消毒用アルコール(エタノール)」の特徴と使用方法

消毒用アルコールは、インフルエンザウイルスに対して手軽で効果的な消毒剤です。厚生労働省も消毒用アルコール(エタノール)はインフルエンザウイルスに有効であると認めています。
消毒用アルコール(エタノール)の使い方と特徴
ペーパータオルや布に消毒用アルコール(エタノール)を含ませて、ドアノブや照明スイッチなどを拭き取ります。アルコールは揮発するため、十分な量を使用することがポイントです。
<特徴>
・速乾性があり、拭き取り後すぐに使用できる。
・素材への影響が少ない。
・揮発性が高いため、換気が必要。
次亜塩素酸ナトリウムの特徴と注意点

次亜塩素酸ナトリウムも、インフルエンザウイルスに対して有効な消毒剤です。厚生労働省の資料でも、その有効性が明記されています。
<特徴>
・強力な殺菌・消毒効果がある。
・キッチンハイターなどの塩素系漂白剤に含まれる。
・ノロウイルスなど他の感染症にも有効。
<注意点>
・濃度が高いと素材を腐食させたり、漂白作用で色落ちさせる恐れがある
・金属製品はサビたり変色したりする可能性がある。
・酸性洗剤と混ぜると有毒ガス(塩素ガス)が発生するため、絶対に混ぜない。
・使用後は十分に水拭きする必要がある。
・家庭で使用する場合は、水で希釈したものが適している。
・ドアノブの材質によっては変色や腐食の恐れがあるため、まず目立たない箇所で試してから使用する。
家庭内感染を防ぐための総合的な予防対策
家庭内感染を防ぐには、インフルエンザにかかった人自身の協力が不可欠です。感染者本人が以下の行動を実践することで、接触感染のリスクを大幅に減らすことができます。
□ドアノブに触る前に手指消毒。
□咳やくしゃみの際はティッシュや肘の内側で口を覆う。
□こまめな手洗い。
□可能であれば個室で過ごし、家族との接触を最少限にする。
□家族と同じ空間にいる際は必ずマスクを着用する。
家族全員で取り組む感染予防習慣

感染者個人だけではなく、家庭内での感染拡大を防ぐには、家族全員が予防意識を持つことも重要です。
(1)手洗いと手指消毒を習慣化する
・帰宅後すぐに手洗いまたは手指消毒
・食事の前後
・トイレの後
・共用部分に触れた後
(2)タオルやコップの共有を避ける
感染者のタオル、コップ、食器などは個別にし、他の家族と共有しないようにします。
(3)定期的な換気
厚生労働省では、季節を問わずこまめな換気を推奨しています。
常時換気設備や換気扇を活用して継続的に換気を行い、窓開け時は2か所開放すると効果的です。冬場は暖房を併用し、必要に応じて空気清浄機も活用しましょう。
(4)十分な睡眠と栄養
流行期には、十分な睡眠の確保とバランスのよい食事が、免疫機能を維持するうえで有効とされています。
「正しい手順の洗い方(サニクリーン)」を動画で紹介しています。
洗濯物や寝具の取り扱いと消毒

感染者が使用した布団、シーツ、衣類などにもウイルスが付着している可能性があります。ただし、厚生労働省の資料によれば、通常の洗濯でウイルスを除去できるとされています。
加湿・換気・空気清浄機による環境づくり

インフルエンザウイルスは「乾燥した環境で活性化しやすい」という性質があります。
室内が乾燥するとウイルスが空気中に漂いやすくなり、感染リスクも上昇します。
さらに、乾燥はのどや気道のバリア機能を弱めるため、ウイルスが体に入り込みやすくなるともいわれています。
そのため、加湿器などで室内湿度を40〜60%に保つことが重要です。適度な湿度が保たれることで、ウイルスの動きも鈍くなります。
また、換気がしにくい冬場は、空気清浄機を併用して室内の空気をきれいに保つ工夫も取り入れましょう。
ホコリが舞いやすい冬。エアコンのフィルター掃除を習慣に
冬は空気が乾燥しやすく、ホコリが舞い上がりやすい季節です。室内に舞ったホコリは、エアコンの吸い込み口に溜まりフィルターがいつもより汚れやすくなります。
そのまま使い続けると、フィルターが目詰まりして空気の流れが悪くなるほか、暖房効率の低下にもつながってしまいます。
冬場はインフルエンザの流行にも備えたい時期です。そのため、冬場はフィルターをこまめに掃除することが大切です。
また、事前に吸い込み口に「ホコリをキャッチするフィルター」を取り付けておくと、日々のフィルターメンテナンスもぐっと楽になります。
サニクリーンの機能性エアコンフィルター「フィルドゥ」は、ホコリをキャッチするだけでなく、細菌類の働きを抑える銅イオンが加工されています。
冬の空気環境を快適に保つための対策として、取り入れてみてはいかがでしょうか。
エアコンクリーニングをプロに依頼(相談)するタイミング

冬の暖房シーズンを迎える前に、必ずエアコン内部の状態をチェックしておきましょう。
夏の間に冷房を長く使用すると、エアコン内部に溜まった湿気が原因でカビが繁殖することがあります。そのため、暖房を使い始める前に、一度きれいにリセットしておくことが大切です。
また、夏は依頼が集中して予約が取りづらいのに対し、秋〜初冬は比較的スムーズに予約できる時期です。「頼みたいけれど予約がいっぱい…」という状況になりにくく、希望の日程でクリーニングをお願いしやすいのも、この時期のメリットです。
特に、下記のようなサインがある場合は、できるだけ早めにプロへ相談しましょう。
□ 吹き出し口に黒い点状の汚れが見える
□ エアコンをつけると嫌な臭いがする
□ 冷暖房の効きが悪く、部屋がなかなか温まらない
□ フィルター掃除をしても改善しない
□ 最近、電気代が高くなっていると感じる
□ ペットや喫煙、ホコリの多い環境で使っている
□ 忙しくて内部まで掃除する時間がとれない
こうした兆候がある場合、内部がホコリやカビなどで汚れている可能性があります。冬本番に入る前にクリーニングしておくことで、暖房の効きが良くなり電気代の節約にもつながりやすくなるほか、部屋の空気も快適に保てます。
暖房シーズンの前に、一度プロの力でエアコンをリセットし、快適な冬を迎えましょう。
サニクリーンのエアコンクリーニングが選ばれる理由
サニクリーンは、1960年の創業以来60年以上にわたり、清掃のプロフェッショナルとして日本全国のホテル・飲食店・各種施設に清掃サービスを提供してきました。
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サニクリーンの安心サービス
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まとめ
インフルエンザの家庭内感染を防止するためには、ドアノブや照明スイッチなどの共用部分を適切に消毒することが重要です。そこで、今回のポイントをおさらいします。
(1)ドアノブには消毒液を直接スプレーせず、ペーパータオルに含ませて拭き取る。
(2)消毒用アルコール(エタノール)がドアノブの消毒に有効。
(3)帰宅時を含め、頻繁にドアノブを触れる場面ではこまめに消毒する。
(4)手洗いやマスクなど、基本的な対策も家庭内で徹底する。
感染者本人の手指消毒や家族全員の予防習慣を組み合わせることで、家庭内でのインフルエンザ感染拡大を効果的に防ぐことができます。
Q10.冬にエアコンのフィルター掃除が推奨されるのはなぜですか?
A.冬は乾燥してホコリが舞いやすく、フィルターが汚れやすくなります。汚れたフィルターは暖房効率を下げ、空気中のホコリが増えて室内環境も悪化します。こまめな掃除が効果的です。
<参考文献>
厚生労働省「インフルエンザ施設内感染予防の手引き」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/dl/tebiki25.pdf
厚生労働省「事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/09-11.pdf
厚生労働省「インフルエンザの感染拡大を防ぐために」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/0311_korosho5.pdf
厚生労働省「新型インフルエンザ入門」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/inful_nyumon.html
厚生労働省資料「令和6年度 院内感染対策講習会②」
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001243413.pdf
東北大学医学部「新型インフルエンザ対策に関するエビデンスのまとめ」
https://www.virology.med.tohoku.ac.jp/pandemicflu/protect2.html
CDC(米国疾病予防管理センター)
https://www.atlanta.us.emb-japan.go.jp/nihongo/swineflu31.html
日本食品洗浄剤衛生協会「エタノールの除菌効果」
https://shokusen.jp/ethanol.html
金沢医科大学「 消毒用アルコールの濃度について」
https://www.kanazawa-med.ac.jp/~kansen/situmon/alcohol_noudo.html
三協化学株式会社
https://www.sankyo-chem.com/news/post-4939/
サラヤ「次亜塩素酸ナトリウム液」
https://pro.saraya.com/sanitation/guide/info/info12.html
Godoy P, et al. Effectiveness of hand hygiene and provision of information in preventing influenza cases requiring hospitalization. Prev Med. 2012;54(6):434-9.
Jefferson T, et al. Physical interventions to interrupt or reduce the spread of respiratory viruses: systematic review. BMJ. 2009;339:b3675.
Zhang D, et al. Protective Effect of Hand-Washing and Good Hygienic Habits Against Seasonal Influenza. Medicine (Baltimore). 2016;95(11):e3046.
Chen J, et al. Associations of hand washing frequency with the incidence of illness: A systematic review and meta-analysis. Ann Transl Med. 2021;9(5):395.
Q&A|インフルエンザの家庭内感染・ドアノブ消毒について
Q. インフルエンザはドアノブから感染しますか?
A. はい。感染者が咳やくしゃみを覆った手でドアノブを触るとウイルスが付着し、別の家族がそのドアノブに触れた後、目・鼻・口を触ることで感染する可能性があります。
Q. ドアノブに付着したインフルエンザウイルスはどのくらい生存しますか?
A. 金属やプラスチックなど硬い素材では24〜48時間程度生存するとされています。頻繁に触る場所はこまめな消毒が必要です。
Q. ドアノブ消毒で消毒液を直接スプレーしてはいけないのはなぜですか?
A. .ウイルスが飛び散って空気中に舞い上がったり、消毒液が均一に広がらず不十分な消毒になったりするためです。ペーパータオルに含ませて拭く方法が推奨されています。
Q. ドアノブ消毒に最適な消毒剤は何ですか?
A. 消毒用アルコール(エタノール)が有効です。
Q. 次亜塩素酸ナトリウムはドアノブにも使えますか?
A. 使えますが、金属の腐食や変色の恐れがあるため注意が必要です。素材によっては不向きなので、まず目立たない場所で試してから使用します。
Q. ドアノブ以外で家庭内感染のリスクが高い場所はどこですか?
A. 照明スイッチ、階段の手すり、テーブル、リモコン、冷蔵庫の取っ手、水道の蛇口など、家族全員が頻繁に触る部分です。
Q.
ドアノブを正しく消毒するための手順は?
A. ペーパータオルに消毒液をしっかり含ませ、ドアノブ全体をまんべんなく拭きます。20〜30秒ほど乾燥させ、使用したペーパーは捨てましょう。
Q. 家庭内感染を減らすため、家族が心がけるべきことは?
A. 手洗いの徹底、タオルやコップを共有しない、換気、マスク着用、十分な睡眠と栄養など、家族全員で基本的な予防習慣を徹底することが重要です。
Q. インフルエンザ患者の洗濯物や布団は特別に消毒が必要ですか?
A. 特別な消毒は不要です。厚生労働省の情報でも、通常の洗濯でウイルスは除去できるとされています。
Q. 冬にエアコンのフィルター掃除が推奨されるのはなぜですか?
A. 冬は乾燥してホコリが舞いやすく、フィルターが汚れやすくなります。汚れたフィルターは暖房効率を下げ、空気中のホコリが増えて室内環境も悪化します。こまめな掃除が効果的です。















