自分でエアコンを掃除するときの「洗剤」と「注意点」を紹介
エアコンを自分で掃除する際は、カバー(外側)や吹き出し口には「中性洗剤」「重曹」「セスキ炭酸ソーダ」「消毒用エタノール」などの洗剤を使います。内部のカビやホコリには、ファン、アルミフィン(熱交換器)・フィルターといった部位ごとに適した専用の洗浄スプレーを使い分けることで、より効果的に掃除することができます。
エアコン掃除は、故障リスクがつきものの掃除です。そこで、ここでは自分で掃除する際に必要な「洗剤」に加え、自分で掃除する際の「メリット」と「デメリット」もあわせて紹介します。ぜひ、参考にしてください。
エアコン掃除を自分でやるメリット
エアコン掃除を自分でやる最大のメリットは、エアコン清掃の業者に頼めば数万円はかかる費用を安く抑えられるという点です。
また、その他にも「健康意識」が増すことも大きなメリットとなります。ここでは、主なメリットを3つ紹介します。
メリット1「費用を抑えられる」
自分で掃除をする最大のメリットは、費用を大きく抑えられることです。
エアコンの清掃業者に依頼をすると1台あたり1万円を超える場合も珍しくありません。エアコンが複数台あれば、それだけで数万円の出費になります。一方で、自分で掃除する場合は、専用洗剤や養生シート(ゴミ袋)など数千円で必要な道具を揃えることができます。「少しでも家計を節約したい」と考える世帯には、自分で掃除する選択肢は非常に魅力的です。
メリット2「健康意識が増す」
エアコンの清掃業者を呼ぶと、日時の調整や在宅対応が必要になりますが、自分で行えば好きな時間に、好きなペースで作業ができます。
エアコン掃除を自分でやるデメリット
エアコンを自分で掃除する場合、故障のリスクがともないます。
また、掃除の内容によっては思った以上に時間や手間をとられることもあります。フィルターのホコリを取る程度なら、自分でやることをお勧めしますが、エアコン内部の掃除を行う場合は、以下のようなデメリットも考慮しましょう。
デメリット1「手間と時間がかかる」
費用を安く抑えられるという一方で、自分で掃除をするとなると、どうしても手間と時間がかかってしまいます。「フィルターのホコリを取る」程度の掃除であれば、さほど手間もかかりませんが、エアコンの内部まで掃除する場合、「作業前の養生(周囲を汚さないためのカバー)」や「道具の準備」、「手順の確認」、「後片づけ」など、作業時間は1台あたり数時間見込んでおく必要があります。
また、高所での作業となるため、脚立の使用や水の飛び散りへの注意など、安全面にも配慮が求められます。特に、初めての方にとっては、作業のハードルがやや高く感じられるかもしれません。
デメリット2「掃除ムラができる」
フィルターや吹き出し口は比較的手軽に掃除できますが、エアコン内部の奥深い部分の汚れは、一般の方ではなかなか手が届かないのが現実です。実際、「時間をかけて掃除したのに、カビ臭さが残っている」といったことも少なくありません。
デメリット3「故障のリスクがある」
市販の「エアコン洗浄スプレー」を使えばある程度の対応は可能ですが、洗剤が内部に残るとそれが原因でカビが発生したり、電気部品にかかって故障してしまうリスクがあります。メーカーの中には「市販の洗浄スプレーの使用を控えるように」と公式に案内しているところもあります。
エアコン掃除に使える洗剤.1(カバーと吹き出し口)
エアコン掃除では、カバー(外側)・吹き出し口などの「外から見える部分」と内部では使う洗剤が異なります。
カバーは、主にホコリや油汚れなどを拭き取る掃除となります。その場合、食器用洗剤などの「中性洗剤」が一番手軽な洗剤としておすすめです。他の洗剤を使う場合でも、以下で紹介しているような素材にやさしいものを選ぶようにしましょう。
また、アルミフィンなどの内部の機械部分に洗剤を吹きかけると故障や変色などの原因になる場合があるため注意しましょう。
「中性洗剤」でカバー(外側)や吹き出し口を拭き取る
中性洗剤は、エアコンの「カバー(外側)」や「吹き出し口」の掃除におすすめです。
中性洗剤は、食器用洗剤や住居用クリーナーで多く見られ、素材へのダメージが少ないのが特徴です。桶に水をはって食器用洗剤を数滴たらし、雑巾を浸して絞ったら汚れている部分を拭き取りましょう。
「重曹」でカバー(外側)や吹き出し口を拭き取る
重曹は、エアコンのカバー(外装)や吹き出し口の清掃に適した洗剤のひとつです。
ナチュラルクリーニング志向の方からも支持されており、掃除用として使われる重曹は、食品用と同様に高い安全性を持ち、菓子づくりなどにも利用される成分です。
また、弱アルカリ性であるため、反対の液性である「酸性汚れ(油やタバコのヤニ汚れ)」を落とします。
使用する場合は、重曹をぬるま湯に溶かしてスプレー容器に入れ、カバーや吹き出し口などに吹きかけ雑巾で拭き取ります(重曹スプレー)。
<重曹スプレーの作り方>
・空のスプレーボトルに水1カップ(約200ml)を入れ、重曹を小さじ1/2(約2g)を加えます。
・よく振って混ぜれば完成です。
「セスキ炭酸ソーダ」でカバー(外側)や吹き出し口を拭き取る
こちらも、エアコンのカバーや吹き出し口の掃除におすすめで、重曹よりも多少アルカリ度が高いのが特徴です。
こちらも、ぬるま湯で「セスキ炭酸ソーダスプレー」を作り、重曹スプレーと同じように掃除をします。
「消毒用エタノール」でカバー(外側)や吹き出し口を拭き取る(カビ掃除・対策)
エアコンの吹き出し口に付いたカビは「消毒用エタノール」で落とすことができます。
消毒用エタノールは汚れ落ちがよく、その上殺菌効果も期待できます。古布やタオルに消毒用エタノールをしみ込ませ拭き上げます。
エアコン掃除に使える洗剤.2(エアコン内部のカビ取りなど)
エアコン内部はホコリともにカビを取り除くという掃除が必要になります。
また、エアコン内部を掃除する際は、部位ごとに最適な「エアコン洗浄スプレー」を選ぶ必要があります。エアコン洗浄スプレーで掃除できるのは「ファン」「アルミフィン(熱交換器)」「フィルター」の3箇所です。
ここでは、部位ごとにおすすめのエアコン洗浄スプレーを紹介します。
ファンの掃除には「くうきれいエアコンファン洗浄剤」
ファンは、回転することで冷気や暖気を室内へ送り出す部分です。
カバーを外さなくても吹き出し口から確認でき、カビが生えやすい場所です。懐中電灯で照らし定期的にチェックしてみましょう。
下の写真は、吹き出し口からファンをのぞいた写真です。黒い汚れはカビです。放っておくとこのような状態になってしまいます。
そこで、紹介するのがSHOWAのファン専用スプレー「くうきれい エアコンファン洗浄剤」です。

SHOWA「くうきれい エアコンファン洗浄剤」
洗浄剤は「ムース」と「リンス」の2本1セットになっています。
はじめに、ムースでカビや汚れを浮き上がらせ、その後にリンスで泡ごと汚れを洗い流します。
細長いストローがついているためカバーを外さなくても、吹き出し口からファンにしっかり洗剤を吹きつけることができます。その名の通り「ムース状」になっているため、洗剤の成分が汚れにしっかりと密着し、しっかりカビなどの汚れを落としてくれます。

ファンに洗剤を吹きつけることができる
時間を置いてから、最後にリンスでしっかりと泡(汚れ)を流し落とします。
リンス剤の成分には「エタノール」が含まれているため、除菌や消臭も期待できます。

清掃後の写真(ファン以外はエタノールで拭きあげています)
その他、使用上の注意など、「くうきれいエアコンファン洗浄剤」の詳細については、以下のコラムをご覧ください。
【参考】エアコン洗浄スプレーの失敗しない選び方と効果的な使い方を紹介 | 家事ネタ
アルミフィン(熱交換器)の掃除には「エアコン洗浄スプレーNext plus(フィン専用)」
アルミフィンは熱交換器ともいわれ、冷気を作り出すエアコンの心臓部です。
ここがホコリやカビで汚れていると、運転効率が悪くなってしまいます。カバーを外して以下のようにベタつきやほこりが目立つ状態になっていたら、すぐに掃除をしましょう。

汚れた「アルミフィン(熱交換器)」
今回は、アース「エアコン洗浄スプレーNext plus(フィン専用)」を紹介します。

アース「エアコン洗浄スプレーNext plus」(フィン専用)
外装をはずし、アルミフィンにスプレーするだけで汚れを取り除きます。
汚れはドレンホースを通って屋外に排出されます。そのため、エアコンの下に新聞紙やビニールを敷くといった養生の手間はかかりません。また、消臭・除菌・防カビ効果も備わっています。

養生もいらずスプレーをするだけ
その他、使用上の注意など、「エアコン洗浄スプレーNext plus(フィン専用)」の詳細については、以下のコラムをご覧ください。
【参考】エアコン洗浄スプレーの失敗しない選び方と効果的な使い方を紹介 | 家事ネタ
フィルターの掃除に「フィルター洗浄スプレー(アミライト)」
フィルターにはたくさんのホコリが溜まります。
通常、ホコリは乾いた汚れなので、掃除機で吸い取ることができます。しかし、油や湿気がからまると掃除機では吸い取れません。フィルターの目詰まりも、冷房効率の悪化につながるので、フィルターは小まめに掃除をしましょう。

ホコリで目詰まりしているフィルター
今回は、ホコリが掃除機でも吸い取れないような状態になったときの掃除に、金鳥「フィルター洗浄スプレー(アミライト)」を紹介します。

金鳥「フィルター洗浄スプレー(アミライト)」(フィルター専用)
スプレーから出る泡がフィルターの汚れを浮かせるので、軽くすすぐだけでホコリを取り除いてくれます。こすり洗いの必要がないため、フィルターが破れるリスクが低いのも特徴です。

ホコリや汚れを浮かせる
その他、使用上の注意など、「フィルター洗浄スプレー(アミライト)」の詳細については、以下のコラムをご覧ください。
【参考】エアコン洗浄スプレーの失敗しない選び方と効果的な使い方を紹介 | 家事ネタ
洗浄前には電源を切り、周辺を養生する
エアコン掃除を始める前には、安全対策と作業環境を整えましょう。
最初に行うのは、万一の感電リスクを防ぐためエアコンの電源をオフにすることです。オフにする際はコンセントからプラグを抜き取ってオフにします。
さらに、必要に応じて周辺の家具や床をビニールシートや新聞紙でしっかり養生します。特に、エアコンの下にある棚やテレビ、ベッドなどは、洗剤やホコリが飛び散る可能性があるので要注意です。ゴミ袋を切り開いて代用しても構いません。養生テープやマスキングテープで固定すると作業がしやすくなります。
また、「電装部(基盤・センサー類)」に洗剤がかからないよう、タオルやラップで覆いましょう。これは故障を防ぐためにプロでも必ず行う作業です。
自分で難しい場合はプロのエアコンクリーニングも検討しよう
このコラムをお読みの方の中には「できれば自分でキレイにしたい」「なるべく節約したい」という方もいらっしゃると思います。
ただし、エアコン内部の汚れがひどい場合は、無理をせずプロに任せることを検討しましょう。エアコンの内部構造は非常に繊細で、適切な知識や機材がないと完全に汚れを落とすことは難しいからです。
また、誤った掃除方法はエアコンの故障や感電・火災リスクにもつながる恐れがあるということもおぼえておいてください。
汚れが酷い場合は清掃業者に任せるのが安心
掃除をしてもカビ臭さが消えない場合は、エアコン内部の奥深くに汚れが蓄積している可能性があります。
特に、ファンやアルミフィン(熱交換器)の裏側にまで黒カビが広がっている場合、表面を拭くだけでは対処しきれません。
また、ファンの回転部分やアルミフィン(熱交換器)は非常にデリケートで、素人が無理に掃除しようとすると部品を破損させてしまうリスクもあり、エアコンの効きが悪くなることもあります。
プロのエアコンクリーニング業者は、エアコンを分解してファンやアルミフィン(熱交換器)まで、洗浄機を使って徹底的に洗浄します。自力では掃除できない奥まで届き、カビやホコリなどを除去します。プロの掃除の後は、空気が明らかに違うと実感する人も多いようです。
費用は1台あたり約8,000〜15,000円が相場ですが、業者を選ぶ場合は、効果や安全性を考えてサービスや技術面も丁寧に検討しましょう。
「子どもに安心な空気環境を整えたい」と考える家庭では、年に1度はプロに任せてしっかりキレイにすることをおすすめします。
掃除に不安がある・時間がない場合はプロに依頼する
小さなお子さんがいて掃除の時間が限られていたり、高い場所での作業に不安がある場合は、無理をせずプロに洗浄を依頼しましょう。エアコン掃除は、場合によっては2〜3時間かかることもあります。さらに、間違った方法は、故障や感電のリスクにもつながることもあります。
サニクリーンのエアコンクリーニングは、短時間にしっかりキレイにします。
およそ1時間で、内部に溜まったカビやホコリをしっかり除去します。
「掃除が面倒…」「忙しくて手が回らない…」という方にぴったりのサービスです。早く、確実に、安心してキレイにしたい方におすすめです。
エアコンを徹底分解。見えない部分をしっかり洗浄します
普段の掃除では手が届かないエアコン内部には、カビやホコリが想像以上に溜まっています。
サニクリーンでは、エアコンを一つひとつ丁寧に分解し、ファンやアルミフィン(熱交換器)といった目に見えない部分まで、専用の機材と洗剤を使って徹底的に洗浄します。冷房の臭いが気になる、冷暖房の効きが悪くなったといったお悩みをお持ちの場合は、ぜひお問い合わせください。
確かな技術を支えるサニクリーンの「トレーニングセンター」
サニクリーンでは、実際の設置環境を想定した様々な課題に対応できるよう、エアコンクリーニングに不可欠な専門スキルの向上に取り組んでいます。
まとめ「正しい洗剤選びと無理のない掃除が大切」
自分でエアコンを掃除する場合、カバー(外側)、吹き出し口の掃除には「中性洗剤」「重曹」「セスキ炭酸ソーダ」「消毒用エタノール」などの洗剤が、一方エアコン内部のカビやホコリには、ファン、アルミフィン(熱交換器)、フィルターの異なる部位ごとに、「専用の洗浄スプレー」が必要になります。
自分で掃除をすることには、「費用を抑えられる」「健康意識が高まる」「自分のペースでできる」といったメリットがあります。しかし同時に、「手間と時間がかかる」「掃除ムラができやすい」「故障リスクがある」といったデメリットがあることも無視できません。
特に、小さなお子さんがいる家庭では、エアコンの空気が直接、家族の健康に影響を与えることもあるため、無理をせず、必要に応じてプロのエアコンクリーニングを活用することも大切です。
プロのエアコンクリーニングなら、専門の技術と設備で、手の届かない内部までしっかり分解し洗浄してくれます。掃除に不安がある方や時間が取れない方は、ぜひ一度、プロの力を検討してみてください。
以下は、指定いただいたコラム「自分でエアコンを掃除するときの『洗剤』と『注意点』を紹介」の内容をもとに作成したQ&A形式のまとめです。
Q&A「エアコンを自分で掃除する際のQ&A」
Q1.エアコン掃除を自分でやる一番のメリットは何ですか?
A.最大のメリットはコストを抑えられることです。業者に頼むと1万円以上かかるところ、自分で行えば数千円程度で済みます。
Q2.自分で掃除することで健康面に良い影響はありますか?
A.はい。カビやホコリを目にすることで健康意識が高まり、アレルギーや喘息の予防にもつながります。
Q3.自分でエアコン掃除する際の注意点は何ですか?
A.電源を抜く、周囲を養生する、電装部を保護するなど、安全面に十分配慮することが重要です。
Q4.エアコンの掃除に使える洗剤にはどんな種類がありますか?
A.中性洗剤、重曹、セスキ炭酸ソーダ、消毒用エタノールなどが使えます。部位によって使い分けが必要です。
Q5 自分で掃除する場合のデメリットはありますか?
A.手間と時間がかかる、掃除ムラができやすい、内部の故障リスクがあるなどの注意点があります。
Q6.ファンの掃除にはどんな洗浄剤が適していますか?
A.SHOWA「くうきれいエアコンファン洗浄剤」がおすすめです。ムースとリンスの2段階で洗浄・除菌が可能です。
Q7.フィルター掃除に使える専用スプレーはありますか?
A.金鳥「フィルター洗浄スプレー(アミライト)」は泡で汚れを浮かせ、軽くすすぐだけで掃除できます。
Q8 アルミフィンの掃除には何を使えばいいですか?
A.アース「エアコン洗浄スプレーNext plus(フィン専用)」が便利で、消臭・除菌・防カビ効果もあります。
Q9.掃除後もカビ臭が取れないのはなぜですか?
A.内部の奥深くまで汚れが残っている可能性があり、表面の掃除だけでは不十分なことがあります。
Q10.自分で掃除するのが難しい場合はどうすればいいですか?
A.無理せずプロのエアコンクリーニングを検討しましょう。分解洗浄によって内部までしっかり汚れを落としてくれます。
<参考文献>
厚生労働省「応急仮設住宅生活における真菌(カビ)及びダニ対策について」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/150522.pdf#