地域で愛されるお店に!飲食店の臭気対策その1
2016.03.24

いいニオイの基準はさまざまです
ニオイの感じ方は人それぞれ異なります。お店の前を通りかかる人にとっての「おいしそうないいニオイ」は、毎日そこで暮らす近隣の方にとっては「臭くて不快なニオイ」かもしれません。このイライラが蓄積すると、大変なご近所トラブルに発展することもあるかもしれません。そうしたことがないように、清掃を含めた臭気対策について一度しっかり見直してみましょう。
店舗から漂うニオイを把握しましょう
はじめに行うべきは自分のお店からニオイが漏れていないかの確認です。しかし、普段からそのお店で働いているスタッフなどはニオイに慣れてしまっているため、なかなか悪臭に気づきにくいもの。そのため、チェックの際には以下のポイントを参考にしてみましょう。
少しでもニオイを感じたら要確認
まずは店舗の周辺を2~3名で歩いてニオイをチェックしてみましょう。ポイントとなるのは、わずかなニオイであっても報告することです。許容できるかどうかではなく、少しでもニオイがある場合は、改善の余地があると考えましょう。
住民の気持ちになって考える
店舗スタッフにとってはほんのわずかだったとしても、人によってはニオイが非常に気になることも多々あります。特にせっかく洗った布団や洗濯物へニオイがつくのは誰であれイヤなもの。自分ではなく、その他の人の気持ちを基準としてチェックを行いましょう。
ニオイの詳細をデータとして記録する
ニオイはデータ化しにくいもの。だからこそ、しっかりとそのニオイが発生している場所や種類、強さを細かく記録しましょう。また、仕込みや営業中など、時間帯によってどういったニオイがするのかも併せて確認しましょう。
広がる前に断つのが一番のニオイ対策
お店がどんなニオイを放っているのかが分かったら、次はその対策について考えます。ポイントは、ニオイが広がる前にもとから絶つことです。以下では、その対策の一部をご紹介します。
調理時
✓ニオイが室内に充満する前に、発生直後の段階で少風量による吸引を行う
✓汚れがニオイのもととなるため、早めの清掃を心がける
✓調理中は出入り口を開放にせず、ニオイが漏れないようにする
✓調理(仕込み)時間の変更を検討する
✓ニオイが強く出る工程は、別の作業場所で行う
排水時
✓グリストラップや排水溝、側溝まで徹底的な清掃を行う
✓エアレーションタンクの散気装置の点検と交換を行う
✓下水道への放流を徹底する
✓単独浄化槽から合併浄化槽への変更を検討する
ゴミ
✓ゴミ容器は密閉できるものを使う
✓ゴミを保管する期間を短くし、保管中の温度は低くする
✓ゴミ置き場の清掃を徹底し、放置等をなくす
どうしても消えないニオイは薄めましょう
どんなに悪臭のもとを絶とうとしても、飲食店ではニオイはつきもの。上記の方法では改善ができないケースもあるでしょう。こうした場合は、ニオイを薄めることを考えます。排出されたニオイというのは、広がるにつれだんだんと薄まっていき地面付近へと到着します。つまり、隣家までの距離が遠ければ遠いほど薄くなり、気にならなくなるのです。
排気口を高い位置まで延ばしてニオイを排出する
高いところから排出されたニオイは、地面に達する前に薄まります。また、風に乗ってくれればより効果が高くなるでしょう。ただし、排気ダクトの高さにアパートやマンションの窓があるとニオイがダイレクトに伝わってしまうので、この点も必ずご確認ください。なお、排気口の向きを変えて、隣家へニオイが流れにくくすることも大切です。
誰からも好かれる店舗になるために
「自分たちにとってのいいニオイは、人によっては悪臭かもしれない」ということを頭に入れておくことがおけば、臭気対策のカギになります。来店されたお客様には店内でおいしい料理とニオイを堪能してもらい、近隣の住民の方にはストレスのないクリーンな空気を提供することが、地域で愛されるお店になるためには必要だと言えるでしょう。